弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

未経験者の特許事務所への転職


なんか検索キーワードに「未経験」とか出てきたので
なんかこれについても書いてみたい気がしてきました。

まず未経験とは、特許事務所に勤めたことがないだけでなく、
知財経験そのものがない場合を前提にします。
知財部出身者はなんだかんだで早く順応します。
文章を定型的に正確に書くという点で習熟度は低いですが、
仕事の中身自体は把握しているので、ゴール地点にまっすぐ行くんですね。

基本的には研究開発及びこれに類する業務に携わっている人だと思います。
多分今は理系以外の人は採らないかなあと思います。
昔は法学部出身ばかりだったらしいですけどね。

では未経験者の転職はどうするか?ですが、
所員数20人以上の事務所に行きましょう、と勧めます。
さっくりしすぎなんですが、人材育成の実績がある特許事務所ですね。
零細とか、あとは世間的にブラックと言われる特許事務所に
分かってて戦略的に入るというのも経験者なら選択肢に入ります。
が、未経験者はまず仕事を覚えなければなりません。

個人的には弁理士取ってから入った方がいいかなあと思います。
採用がされやすいですし、入社すぐはまず仕事を覚えないといけないから
受験勉強と上手に並行させるのもなかなか困難です。
覚えるまではそれなりに帰りも遅くなると思いますよ。
今の職場が激務ブラックなら特許事務所に入ってしまった方が
勉強の時間は取れそうなので、その辺は兼ね合いです。

小さい特許事務所の欠点は書く明細書にこだわりが強すぎることなんですね。
所長が自分書いた以外の明細書に触れる機会が少なく、
それが絶対になってしまって、ある程度の汎用性を認められない、
それでしんどくなって定着できない、という事例はちらほら聞きます。
組織が大きくなるごとにその辺は柔軟になっていく傾向はあります。
しかしそこは直属の上司次第なのでこだわりすぎる上司に当たったら
そこは覚悟しましょう。ただまあ大きいほうがその辺は確率が良いですね。
大きいといってもせいぜい20人くらいが目安で、それ以上は
規模による違いはあんまりないような気がします。

あとは求人情報を丹念に見れば分かることですが、
新人を取って育成する方針か、即戦力を求める傾向か、はっきり分かれます。
即戦力系の特許事務所だと、未経験だろうがとりあえず仕事振って、
あとはほったらかし、試用期間で伸びてなければおさらば、
なんてそれなりにあります。「未経験でも育てます」の言質は欲しいですね。

未経験で選んで転職できるのは35歳くらいまででしょうか。
開発経験は必須で、なんだかんだで名のある企業出身が選ばれやすいです。
弁理士取ってればその辺は有利になります。
TOEICは600くらいは目安にされそうです。「読み書きは当然抵抗ないよね?」
的な雰囲気はかもし出してきますね。

以上、技術者の話のみ述べましたが、商標弁理士の採用は非常に厳しいです。
未経験、英語はほどほど以下ではもうどこも採用していません。
商標は特許以上に英語対応が求められるので、英語ができて初めて
採用活動の土俵に上れるというとこです。

弁理士試験合格後の転職について