弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

商標登録サイトを比較するときの注意点

商標登録出願というのは簡単な手続きなので、
処理に慣れている会社であれば自前で商標登録出願をして、
管理も自前でやってしまうと思います。
しかし、件数がほとんどなかったり、はじめての場合は、
特許事務所に依頼するということになると思われます。

さてどこに依頼しようかと思ったとき、ツテをあたるのが多いと思いますが、
もしくはインターネットで依頼先を検索することもあると思います。
そのとき出てくるのが「商標登録サイト」なるものです。

商標登録しようと思ったときに特許事務所を探そうと思う前に、
商標出願とか、商標登録とか、商標って申請だっけとか、
まずそういう単語から検索をかけることが多いと思います。
「なんとか特許事務所」とか普通にウェブサイトをもっておく他に、
そういうお客さんへのリーチを確保しようとして、個別のサイトを
別途にもっておこう、そういう流れが最近増えてきています。

ではどこに依頼しようと思ったときに、安さを前面に押し出したサイトを
時々見かけることがあります。まあ安いに越したことはないですが、
そこで気になることがあります。

安けりゃいいなら自分で出願すればいいんですよね。
特許庁のサイトとか、個人の解説サイトとか、
出し方なんて調べればいくらでも出てきます。
商標の願書作成サイトなんてのもあるらしいです。

自分で手続きするのは問題が起こったらどうしようとか、
間違えたとき困るとか、そういう心配もあるかもしれませんが、
実体的な部分の間違いでなければ補正命令がかかるので、
そのときは特許庁の人が言うとおりに直せばよいだけです。
電話すれば丁寧に教えてくれます。行っても良いです。

又は、拒絶理由が出たときに弁理士に依頼すればよいのです。
またはそうなったらさくっとあきらめてしまっても良い。
どうせ査定が出るまで半年くらいです。
商品名なら変えればよいだけです。
特許と違って自前でやることの支障はあんまりないと思います。
事前調査だって特許庁HPは操作簡単です。
結果が出るの早いので出してしまって考えても良いと思います。

そういう類の手続きなので、あまり専門とか関係はなく、
どこの特許事務所でも依頼を受けたら問題なくやってしまいます。

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じゃあ弁理士不要かというと、私はそうは思っていません。
「商標って何」とか、「弁理士って何」とか、
依頼者の大半はそういうところから始まっているので、
いろんなことを説明してもらう、そして責任持って管理してもらう。
そういうことが、ほとんどの依頼者の場合に必要だと思います。
期限についての法的知識もないですし。

専門性がどうとかいうのも商標の場合微妙で、
むしろこの人に責任もって管理してもらう。信頼するに足る。
結局のところ代理人探しはそんなとこがポイントだと思います。
月並みですが、誠実で嘘がない感じを受けるかどうかでしょう。

そういう意味で安さを前面に出すとこってどうかというか、
後出しで高い成功報酬を請求するとこもあるとか聞いてますしね。
実績を前面に出すに至ってはそんな大差ないだろうと思います。

ちなみに登録率97%とか98%とか言っているサイトもありますが、
ここにはからくりがあります。
拒絶の場合は拒絶査定になる前に拒絶理由通知がされますが、
この段階で取り下げてしまうのです。
取り下げてしまえば拒絶査定にはなりません。
まあこれは意見書で何とかなると突っ張って、
それで失敗してしまう場合もありますが、
そういうのを含めて100%にならなかったと言うものです。
登録率が100%近いとこはほとんど拒絶査定前に取り下げてると思います。

最近「商標やります!」なんて言って大量にネット広告打って、
なんて流れがあるみたいですが、結局商標を弁理士に依頼するって
そういう意味があってのことだと思うので、
どうなんだろうと思う次第です。結局信用ですよね。
こういう簡単な処理をかき集めて商売にしようとかって、
専門家としては微妙な感じもします。

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