弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

日本弁理士会の会長は弁理士の代表なのか?

新年一発目からこんな話題?ってのはあるんですが、
今年は隔年の弁理士会会長選挙の年ですし、
それを受けてなのか、前回の選挙で脱派閥何とか言うのは
スリードでありけしからんとか、そういう系統の話題が
一部で出てたので、自分の考え方を書いておきます。

弁理士の派閥と自民党の派閥は似ている要素もありますが、
これは違うだろという要素も多いです。
任期を重ねるごとに職務が上がっていくあたりとか、
それでいて互いの立場は基本的に同等と言うあたりは
自民党の派閥と似ていると思います。

さて、そんな弁理士会会長は選挙で決まるわけですが、
実質的に会派の話し合いで決まった候補が会長となります。
この辺自民党の総裁が総理大臣になるのと似てはいます。
という訳でそんな談合で大事なことを決めるのはけしからんと、
そんな話が出てくる土壌が存在します。

けど弁理士会会長って、総理大臣あるいは大統領とは違うんですよね。
言うほど権力者じゃありません。弁理士試験合格者削減!とか
意気込んでいてもそんな権限すら与えられません。
総理大臣になってもやれることは限られていると言いますが、
弁理士会会長はその比ではありません。

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そもそも日本弁理士会って何よっていうと、私の理解をまとめると、
弁理士が弁理士であるための活動を、行政主導ではなく、
官庁側から委託を受けて、そのための活動をするための団体です。
弁理士の専権性はお国から授かってるわけですが、
ただでは守られる訳もなく、広報活動や専権範囲の確認、
違反者への対応などの処務が発生するので、これを特許庁
やるのではなく、弁理士の業界団体である弁理士会により行うよう
権限が移管された団体であると言う認識です。
そういう会務が発生する以上、これを取りまとめる責任者が必要で、
その代表が日本弁理士会会長であると、そう思ってます。

長々書きましたけど、結局弁理士会会長は、弁理士の代表ではありますが、
それ以上に、会務を行う人の取りまとめ役だと思います。
会務を行う人の代表であって、会務をしない人は関係ないのでは?
という見方すら可能で、弁理士の大統領的でなく、
弁理士作業班の班長って言うほうが近いのかなと思います。
対世的効力が小さく、事務取りまとめの色合いが強いという違いがあり、
この点原則として話し合いによる決定が適当であると考えています。

弁理士会の活動を実質的に支えているのが各会派なのは誰も否定の
出来ないところで、その活動の代表者を会派の話し合いで
決めるのは至極当然のことでは?と思うんですよね。
班長はあまり選挙しないと思います。
大統領は選挙したほうが良いと思いますが。

そういう意味で脱派閥なんてのは、耳当たりはいいですが
それをいうのは何か違う感じはしなくもないです。
もちろん、会長選に通った人も立候補止まりだった人も、
弁理士会の活動を支えてきた人であって、それぞれ適任とは思いますが、
選出は派閥談合で行って良い性質のものと考えています。
優秀かどうかより、作業班員みんなが納得するかの方が重要ではと。
弁理士会を変えたいと言うなら中から変える努力をすべきであって、
それでダメで外から変えるなら分かりますが、不満を言う人は大体
委員会すらやってないような気がします。

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