弁理士うめざわブログ

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平成26年度弁理士試験論文合格者統計

平成26年度弁理士試験の論文試験合格者の統計が出ました。
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h26_benrisitoukei/ronbun_goukakusya26.pdf

論文合格者の数が減ったのは先日の合格発表で既に知られていますが、
その内訳が今回公表されています。

傾向をみるとすると人数ではなく比率に着目する訳ですが、
例えば受験回数1-5回の比率が去年よりも上がっているとか、
会社員の比率が上がっているとかそういうのはあります。
合格者年齢は全体として下がっているようです。
ただ、数字のぶれが年ごとに出るのは普通のことなので、
何を持って傾向とするかは難しいところです。

選択科目の免除内訳で化学・生物の比率がかなり上がっているのは、
業界景気の機電劣勢の最近の傾向を反映していますね。
そして免除資格の比率元々高い修士・博士がさらに上がっています。
情報処理技術者が大きく減りました。

私が注目したのは合格者の出身校内訳です。
東大が順位を下げました。
大京大がともに合格者数も比率も下げながら、
早稲田慶応が比率もですが合格者数を伸ばしています。
大きなくくりでいくと、国立が下げて私立が上げたということです。

国立と私立の決定的な違いは、大学院進学率です。
その分国立の方が免除者の比率が高く、
私立で選択科目を受ける人の比率が高まります。

必須科目受験者数を分母にして見たときに各大学の論文合格率が
こんなに高いはずもないので、選択科目に合格して論文合格した、
という人の比率が案外高いんだと思います。

この仮定が正しいとすると、逆に必須科目に合格して論文試験に
合格した人の数は358人よりも案外小さいということになります。
今年の必須科目は、数字に出ているよりもさらに厳しかったのではないか
そんな仮説を統計データから私は立てています。