弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士試験短答合格者統計(平成27年度)

2015年の弁理士試験短答合格者統計が出ました。

http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h27toukei/index.html
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h27_benrisitoukei/h27_tantou_goukakusha.pdf

合格者数が604人、ボーダー39点ということ自体は、合格発表の日に出ているのですが、
http://patintl.hatenablog.com/entry/2015/06/15/103406

統計情報が毎回この後に出てきます。
通常もっと早い時間なのですが、変な時間に出てきたので見落としました。

特徴的な部分は、受験回数がより多い人、特許事務所勤務者の
合格者占有率が上がっていることでしょう。
男性が増え、無職が減りました。年齢層も上がっています。何が言えるのか。
新規参入に対して、ずっとやっている人の比率が増してきたということです。

順当と言えば順当で、もうすでに昔のようなうまみの亡くなった今から
この業界にこれから入って来よう、などというのはちょっと頭のおかしい人です。
この業界には入ってしまっていて、資格も取ることで何とか食い下がっていこう、
というのが受験生の姿勢として正しいところで、
それが数字に表れているってことですね。

出身大学別では、東大・京大がまた大きく増加に転じたのが目につきます。
弁理士試験は地頭のよい暇人にとって、格好の暇つぶしということですね。
一応、理系最難関資格という位置づけは変わっておりません。
へんてこなパズルゲームや、受験の意味を疑われるような謎資格よりは
受ける意味はもちろんあります。

実際はこの業界、有名大学出身の方を見かけることは統計の数字ほど多くありません。
有名でない大学の方の方がこの業界で生きることにかける思いは強いでしょう。
一流大学一流企業という方だと、受けて受かったからもうこれでおしまいという
資格コレクションの片隅に並べるケースが多いのではないでしょうか。
それはこの資格への取り組みとして非常に正しいと言えます。

弁理士試験をとりまく環境としては、特に変化はありません。
難易度を大きく落とさない限り、参入者は減るから合格者数は当然減ります。
無駄に盛り上げすぎた知財人口が元に戻っていくだけの過程と言えます。