弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

アプリの開発と特許

自分のとこだと小規模事業、個人事業者からのお問い合わせが多いというのもあり、
中でもソフトウェア特許を取り扱っているということで、アプリ関係で
どうしたらよいかという問い合わせを受けることがあったりします。

ソフトウェア特許・ビジネスモデル・アプリ開発 - 梅澤国際特許事務所、相談無料

アプリと言ってもiphoneアプリとかだと市場性も小さく、
イデアがもし良かったとしても、それはどうかなあとなりますが、
ものによっては市場性が見込めそうなものもあったりします。

こうしたソフトウェアに関する知的財産というと、自分の過去の経験からは
あまり知的財産を前向きに見てもらえないというか、攻める側より
攻撃を受ける側で見る方が多く、特許による保護はあまり前向きでない
ようなイメージを持ってました。

多分これは過去の勤務先のようなゲームソフトの場合、
創作性、デザイン性も含めた完成品の優劣で争うべきという認識の強い業界だから
そういうことになったのかなあと今では思っています。
同じゲームでも、ソーシャルゲームとかだと全然違いますよね。

という先入観のもと、相談を受けたりすると、後発にまねされると
あっという間に市場を食い荒らされるからという、まさに特許法の本質的な
考えのもと、特許による保護を考えたいという相談を受けたりすることがあります。
ソフトだからあれは売れる、となると簡単に模倣ができてしまうし、
プログラムをコピーするということでなければ著作権法の保護も及びません。
しかも優れたアイデアを1人でこつこつやることで大きく当たったりする
ようなケースもあるので、放っておいてもよいという訳にもいかなそうです。

そして、一般的な製造業だと労働集約的に会社を作って企画開発しますが、
アプリの開発だと1人でこもって黙々と作ってたりするのですね。
そこで知財となると、じゃあどうしようという話が大きくなります。
会社というほどの会社でもないから予算の問題が深刻ですし、
アプリを作るだけなら自分の手間だけだったのに、という状況です。

私見としては、市場性の大きいアイデアだったら、何とか資金調達手段を考えて、
1人だけでやるのでなくビジネスとして大きくすることを考えたらよいのにと
思ったりすることがあります。ただ、そうなると社長業としての
仕事が一気に膨れ上がり、責任も大きくなり丁半ばくちの度合いが強くなって
気楽にアプリ開発というノリではなくなってきますよね。
同じ個人事業者としては、少し考えさせられたりします。

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追記です(2017.5.18)。
アプリ、特にスマホアプリというと、パッケージソフトや
委託開発型のものと比べて非常にこじんまりとした、
市場のあまり大きなものではないのかなと、
そんな気がしてました。
itune storeとかgoogle経由で買うものって
価格も非常に安かったり、無料だったりすると、
それって儲かるのかなとかそんな先入観がありました。
市場規模と言っても、マスでの売上なので、
個別ではどうなんだろうと思って少し調べてみました。
主にゲーム関係が中心のようですが、
単体で何億とかそんな売り上げの数字になるものも
あるのですね。少人数開発できるのが強みですから、
それは当たればでかいですね。

と同時に、カメラアプリに顕著ですが、
どうしても類似品はたくさん出てきている
ようです。となると、やっぱり独占権による
他社牽制ってのはひつようなのだなということを
漠然と思いました。

特許というのは、売上が大きくならないと
効果が小さいのですが、スマホアプリについても
商品によってはそのような性質のものも
あるようです。その場合は、特許や商標登録
などもひつようとなってくるのでしょう。