新宿西口国際特許事務所の弁理士うめざわブログ

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ロッテリア、「黒七味」商標権侵害で販売中止

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ハンバーガーチェーンのロッテリア(東京都)が販売していたご当地ポテトフライが、香辛料販売老舗の原了郭(京都市東山区)が持つ「黒七味」の商標権を侵害していたとして、販売を中止していたことが27日までに分かった。ロッテリアはすでに、原了郭に謝罪したという。

「黒七味」の登録商標は次の2件です。

登録番号 第4224606号  
第30類 香辛料

登録番号 第5157375号
第30類 白胡麻・黒胡麻・一味・山椒・けしの実・麻の実・青のりを主原料とし
乾煎りした後さらに手もみで練り合わせて製造した七味唐辛子

なお、「フライドポテト」は、商品・役務名検索によると群コード32F04が割り当てられ、「加工野菜及び加工果実」の類似範囲となっているようです。分類は第29類。

「黒七味」の著名性にもよりますが、これ侵害って言えないかなあと
そんな疑いがあります。商標そのものはほぼ一致、少なくとも類似でも、
指定商品が非類似だと全体として非侵害になるんですよね。
ただまあ、つまらない揉め事は面倒なので、謝罪して撤回という感じなのでしょう。
あとは、粉を袋に入れて振って混ぜるのありますよね。粉が別袋に入って
「黒七味」が添付されている形式の場合、主張する余地があります。
ただ権利範囲としてちょっと弱い感じですね。

弁理士を経ない出願の場合、得てしてこのような指定商品範囲が網羅されない、
という問題が起きてしまうことがあります。
自分が使う商品を1つだけ書いて、後は記載せずという出願が結構あり、
そういう時に漏れてしまう問題がでてきます。

もう1つの問題として、ロッテリアでは商標の事前調査をしなかったのか、
という点が挙げられます。私が以前いた会社では商品展開の際には
必ず知財部門に話を持ってくるように徹底しており、
商標調査、登録出願をしてから商品を出すという流れになっていました。
結構ありがちな名前を選ばれるので、調査の結果、不可という回答も
良く出していたような気がします。
大企業クラスですと、このようなワークフローは出ていないと
良くはないと思いますし、対応の雰囲気からはそんな感じがしますね。

ただ、上記のように商品非類似ですので、調査の結果問題なしと、
そういう回答が出された可能性もあります。
もっともワークフローができている会社だと、出願はしているはずなので、
システム化できていないという可能性が高いような印象があります。
大手さんでも結構対応分かれますからね。
商標登録の件数が23件で2012年が最後。
キャンペーン数を考えると、なおざりにされている印象です。

あと、調査の結果問題なくても、その後出願されて権利が発生することがあるので、
やはり先に権利を抑えて未然に問題を防いでおくべきだと思います。
こんなの商標トロール的な人に知られたら大変です。

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