弁理士うめざわブログ

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AとBが似ている、と言う人はAにもBにも興味がない

これこれとなになにって、似てるよね?という会話ってよくありますよね。
弁理士的には、類否判断というやつです。何かと何かが似ている、
っていうのは、何かを把握する上でも有力な手がかりですし、
会話において有益な共感性の喚起という点でも重要です。

何かと何かが似ている、って個人差ありますよね。
「似てるよね?」って問いに対して「似てない。」って答えられたこと、
答えたことはこれまで生きていく中で山ほど経験していると思います。

その結果が表題の通りなのですが、似ていると思うのは基本的に
興味ないからだと思うんですよ。まあ本当に似ていれば
似ているという答えにはなると思うのですが、
ある2つのものに対して「似ている」と言う人と「似ていない」
と言う人がいたら、「似ている」と言う人は関心持っていないと思うんです。
あいつとあいつは同類項ね、っていうのは、心の中の不要フォルダに
まとめて放り込んでいるような感じです。

それを思ったのがもうだいぶ前になるのですが、宇多田ヒカル
売れ始めた頃に、倉木麻衣もデビューして、両者が似てるって
話題になったことがありました。ずいぶん今更な話題で恐縮ですが。
今から思えば何が似ているのかって思うのですし、
音楽だけ並べたら共通点も薄いですが、
イメージ戦略的な部分で共通点がありました。

自分は当時、似てるっていえば似てるし似てないっていえば似てない
けどなんでこういう感じになったのか、と考えたのですが、
両者ともデビューしたてで世間に認知されていなかったからですね。
基本的に興味なかったわけです。
そこへ、似たようなものが2つ出てきた、と。
ミュージシャン関連ではよくありがちな反応です。

直近だとAKB48とかあります。似たような子がわらわら出てきて、
と興味ない人は思いますが、ファンの人たちからすると、
いろんな子がいてバラエティ豊かなんだそうですよ。

まず芸能関係から入りましたが、マーク間の類似関係なんかも
そういう感覚がありそうな気がします。比較して類似関係を
いつも見ている人からすると、ここはマークの要部ではないから除外して、
のこりの部分の独自性の高い部分で判断すると似てない、
と専門家は判断しますが、そういうのに日頃関わっていない人からすると、
思いもかけないところで似てるじゃん、という判断になったりします。

ま、「似ている、パクリだ」というときは、類似性以前に
そのものに対してまず好意的ではないんですよ。
あまり好きではないな、というものがあって、そのカテゴリのものが
出てくると、また出てきた、って感じになります。
そもそも全部まとめて消えてほしいと思っているわけです。
そういうものに対する不満としてパクリ疑惑とか出てくるとき、
それに対して本当に答えるべきかっていうのは疑問もありますよね。

まあ多数の支持が必要なものに対しては、そういう面倒な意見も
含めて対応する必要がありますが、マーケティング的な側面だと、
少数の需要者にリーチする方が重要だったりするので、
そのために多数派の敵意を買う場合もありえます。
受けて立つぜ、ってのもなかなかストレスにはなりますね。

ま、世間なんてそんなものという目線も必要な場合もあるかと思います。
私は、血相変えて「似てるだろ」と言われれば「似てる」と言いますし、
「似てないでしょ!!」と言われれば「似てないねえ」とか言います。
多分世の中そんなもんでよいのだと思います。