弁理士うめざわブログ

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コンサルティングは格好いいという風潮

これからは弁理士コンサルティング能力が求められる。
一見もっともな話です。あまり反論しづらい主張なのですが、
その意味するところってのがバラバラな結果、
本当にそうなのか?と思われている方は
多いのではないかと思います。

コンサルティングって言葉だけで言うと、
「相談に乗ること」だそうです。相談には乗りますよね。
商品を売る商売ではないものですから、単にサービスを
提供して終わり、ではなく、その依頼の意図するところや、
顧客の本来の目的を達すべく、色んな話を聞きながら、
的確にアドバイスをするということは大事なことです。

そういう意味であれば、あくまで通常業務の周辺部分です。
相談業務単体で費用をいただくこともなくはないですが、
それはイレギュラーな話であって、それが単体で主業務
になるような話にはなりにくいような気がします。
主業務を補完する意味合いのものになります。

料金をいただくというのは、何らかのアウトプットが
生じたことによるものでないと、なかなか請求がしづらい、
という側面があり、例えば権利化というような
業務の輪郭がはっきりしているようなものだと
請求関係もはっきりします。
それ以外でも、何らかの成果物が生じたものであれば
請求はタイムチャージベースで検討したりします。
一方、いわゆる「コンサルティング」って
なにか難しい感じがしますね。

なのですが、最近話題にされてきている「コンサルティング
というのは上記自分の理解とは違うように思われます。
コンサルティング単体で費用請求が発生する性質のものを
想定されているように思われます。

自分の理解とは違うようなので、ではそのコンサルとは
何ものなのか、ってのがいまいちつかめないのですね。
自分が分かってないだけなら不勉強なだけなのですが、
どうもそれを大事だと申している人たちも実はあんまり
分かっていないのではないかという感じがします。

何やらコンサルという格好いいものがあって、
それをやるとお客さんが有難がって大金を払ってくれる、
そういうものであるように思われます。
そんな馬鹿なと思うのですが、どうもそう理解されている
ように思われてなりません。

提供すべき何らかのソリューションがあって、
それを分類しづらいから便宜上コンサルと言っておく、
というならなんとなく分かる気はします。
しかし、コンサルという1つのジャンルがあって、
それを提供すべきサービスの1つとする、
という流れがあるならば、そのコンサルって何ですかと、
そうなるのですが、どうもよく分からない感じです。
その状態でそのサービスを押し出すのって非常に危険な
状態だなあという印象です。

まああれは良さげだから何となく乗っておこう、
というのはどんな分野でもありがちな話ではありますけどね。
そんなに格好良いものなのかなあというのは自分的には疑問です。