弁理士うめざわブログ

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流行語大賞にプロ野球関連が選ばれやすい理由

もう年末という時期になると今年を振り返る行事も
増えていく中で、流行語大賞なんてものがあります。
所詮一企業がやっているもので公的なものではない
のですが、こういうものに対するニーズが高いのか、
毎年注目されて現在に至ります。

今年はどれかと思いきや、「神ってる」が選ばれました。
去年の「トリプルスリー」に続いてのプロ野球関連で、
納得いかない声もあるようなのですが、
消去法で行くとこれにせざるを得ないのかな
という感じはします。

プロ野球というのは3月末に始まって、
10月末ですべてのゲームが終わります。
11月に流行語大賞の選考が始まると考えると、
秋のキャンプも終わり体を休めている
プロ野球選手にとってはスケジュールを
開けやすいのですね。
シーズンのピークも夏から秋になり、
注目を集める出来事もこの時期になりやすいです。
前過ぎず、後過ぎず、ちょうどよい頃合いで
年末になるということですね。

もちろんそれだけでは選びづらいのですが、
対抗馬もまた微妙だと押し出さざるを得なくなります。
昨年などはじゃあ何を選ぶのと言うと
何もなかった、というのが実情です。
そこで今年の各候補を見ていきます。


本命:PPAP

流行らしい流行という意味ではこれが本来
本命かと思います。
ただ流行り出しが遅すぎるのですね。
8月公開で世間に認知されたのは10月くらいでしょうか。
まさに今が旬という時期で受賞者本人も多忙です。
あとやっぱり通年での判断となると、
9月までは世間に認知されていなかったわけで、
総合判断となると下がります。
あと「PPAP」は曲名であって
流行語ではない点もマイナスです。


対抗1:文春関連

今年は去年から続いて文春のあたり年なので、
そこから選びたいのですが、
ノミネートされたのが「ゲス不倫」とかなので、
どうしても対象としての表彰にはなじみません。
「センテンススプリング」とかをノミネート
しておけば選びやすかったのでしょうけどね。
ただいずれにしても雑誌名であって
流行語ではなかったですよね。


対抗2:ポケモンGO

これも商品名であって流行語ではないので、
本来的な意味での流行語があれば、
ちょっとこちらも弱いですよね。
あと、そこまで社会現象になったか
というと、それは正直疑問があります。

デジタル商品なのでインターネットでのブーム
にはなりやすいですが、ブームの主体は
基本的には20-30代だと見ています。
自分のような都内在住の40代男性にとっては、
そこまでのブーム感は受けませんでした。
まあ街中でやっているのは見かけましたけどね。

職種的なものもありますけど、
特にダウンロードしてやっている友人も少ないです。
ポケモン世代というのは自分よりも少し下ですし。
全世代的かと言うと疑問です。
局所的なブームと考えると「神ってる」と
大して変わりませんし、流行語ではない分、
こちらはちょっと弱いですよね。


結論
まあPPAPでもよかったんじゃないかなと思いますが、
でもやっぱりブームが直前すぎだよねってので、
全体評価していくとある程度妥当かなと思います。

ただ、去年に続きということで反発は予想された
と思うので、複数候補同時受賞で良かった
のではないかなという気がします。
もっとも複数同時が変に定着してしまうのを
避けたかったというのもそれはあると思います。

「今年の流行り」ではなく「流行語」
ということになると、なかなかそういうものは
出てきにくい時代になりつつあると思うので、
流行語的なものを選ぼうとすると、
どうしても違和感が出てきますね。