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PPAP等上田育弘ベストライセンスの商標料金の支払いは?

上田育弘氏の名をはじめて聞いたのは2年ほど前ですが、
相変わらずおかしなことを繰り返す間に、
すっかり有名な人になってしまいました。
弁理士であることや、所在地は大阪になっているなどの
情報があちこちで出てきています。
上田育弘氏の直接の知人の話によると、
過去には都内の特許事務所に勤務していたそうです。

で、関係各位にとっては今更感ではありますが、
今度はPPAPを商標登録出願することで
本格的に物議をかもしています。

やっぱり一番気になるのは、出願の印紙代どうしてるの?
って話で、多分払ってないんだろうねと言われながらも、
正確な情報が不明な中、どうやら払っていないらしい、
という話が世の中に広まってきました。

ネットの情報によると、商標出願費用は後払いらしい、
という謎情報がありますが、そんなことはありません。
紙提出なら特許印紙を貼り付けないといけませんし、
オンラインの場合は、予納台帳か銀行口座から、
即時に引き落とされます。

ただまあここが抜け道というか、
特許印紙を貼り付けなかったり、残高が0だったら
どうなるか、というと、出願受理だけされ、
お金がないので徴収されないという状態が生じるのですね。

おそらく紙提出は発送費用も掛かるので、
オンライン処理していることが予想されます。
すると予納台帳(事前に特許庁に支払っておく口座)
または銀行口座から本来は引き落とされるのですが、
ここの残高を0にしているのでしょうね。

彼のオンライン処理を強制的に止めてしまうと
一気に干上がるような気がするので、
これも手のような気がするのですがいかがでしょう。

さてこうして受理された出願はどうなるかというと、
出願却下処分となります。

www.jpo.go.jp

最初から受理しなければいいじゃないか、
というのは関係各位の正直な本音ではありますが、
商標法第5条の2があります。
要するに、出願の意思、氏名住所、商標、商品役務、
が特定されている限りにおいては、出願日を認定しないと
いけないのですね。条約の要請による条文です。

ということで、受理した上で却下、の流れになります。
結局登録にはならないのですが、消滅するまでの間は
残るから問題になるのですね。

却下されるのだから良いのではとは言えるのですが、
出願受理されて却下通知書が届くまでタイムラグが
ありますし、却下通知に対しては弁明の機会を
設けなければならず、それが30日以内となります。
弁明書の提出期間を経過した上で晴れて却下が
確定となり、出願が消滅するのですが、
ここまで2カ月以上かかってしまいます。

その間出願が残った状態になって世間では
騒がれてしまいますし、後願については
先願の処理待ちとなります。迷惑千万ですね。

PPAPについては出願料を払って係属させることも
可能ではありますが、未登録周知商標か、
混同が生じるとか、その手の拒絶理由で
最終的には登録にならないことは明らかです。
受験生の皆様は適用条文を考えてみると
面白いかもしれません。

そんな上田育弘氏にどう対応するか、については
検討が進んでいるようなのですが、
ある程度手荒なことをしてもよいと思うのですね。

例えば「上田育弘」「ベストライセンス」名義の
出願は、受理と同時に自動で却下通知を発送に
してもよいと思うのですよ。今問題になってるのは
タイムラグの問題ですから。

中にはもしかすると料金を払っているものも
あるかもしれませんが、そこは救済措置あるから
別にいいと思います。弁明書で払った旨の
証明書を添付して、そこで受理すればよいのです。
名義で自動ではじくのはそんなに難しくないと思います。
料金確認するから面倒が生じるのでしょうし。

模倣犯がでるかというと、儲かるとは思えず、
世間の評判だけ落とす行為をするというのは
模倣する人が今後出てくる感じはしないですよね。
おそらく私怨かなんかだろうね、というのが
世間一般の見立てです。
もうそろそろ対策が出てもいいころですが、
多分普遍的な対策措置を考えているから
時間がかかるのだと思います。
「上田育弘」「ベストライセンス」名義のみ
狙い撃ちにすれば話は早いと思うのですけどね。