弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

独立開業した弁理士が受任する仕事の内容

弁理士として受任する仕事の種類としてどんなものがあるか、
というのも知ってる人にとっては今更かなと思ったのですが、
知らない人にとっては知らないし、知っててもサマリー的に
まとめておくのも一覧性が高いかなと思いました。
そういうことから案件一覧を上げていきたいと思います。

弁理士・特許事務所の業務は、大まかには特許と商標に分かれます。
まあ一般的には弁理士と言えば特許出願業務をする
ものだと考えられています。商標については、比較的簡単な
業務という認識をしている人が多いです。

特許は膨大な書類を作成しますので、手間も料金も跳ね上がります。
商標はそういう意味ではボリュームは小さいので、
価格帯的にも小さくなります。

以上は通常は国内業務を中心に考えますが、
外国で権利取得したいという依頼が入ることも多いので、
必要に応じて翻訳などを行い、外国の弁理士につなぐ
と言う業務も大きな比率を占めています。

特許の場合は米欧中以外はあまり多くないですが、
商標の場合は、アジア各国への依頼が結構入ってきます。
日本語可能な相手も多いですが、多くの場合は
英語でのやり取りになります。
やり取りが多くなると煩雑になるので、こちらで法制度などを
把握して、早めにお客様から書類や情報を集めておくのも
こちらの仕事になります。サイン書類関連が特に面倒です。

特許・商標とも、出願をすれば終わりではなく、審査官からの
通知が来た場合には適切に応答をしなければなりません。
登録査定が来たら、料金納付などの登録処理も行います。

特許・商標の他に、意匠や実用新案と言う制度もあります。
この辺も同じように対応していきます。

この他にも、権利侵害した、された、という警告書の
対応なども受けたりします。結局裁判でしか決着つかない、
という回答になることも多いです。

権利移転は、商標権については案外あります。あと住所変更など。

弊所のお客様は、知財の権利手続きになれていない方が多いので、
特に拒絶通知が来た場合などの、中間対応の意思疎通が
なかなか難しい面があります。ある程度事前説明を
しておかないと、怒り出す方もいます。

厄介そうな方は、打ち合わせの段階で察知して
おかなければなりません。といっても排除しきれませんので、
進行した段階でしまったとなることもあります。

と、ここまで珍しく一般の方向けに並べました通り、
弁理士の仕事=国内特許ではないのです。
独立したら、月4件くらいは受任しないと・・・
などと考えられる方が多いのですが、
はっきり言ってそんなに受任したら完全にパンクです。
2件でもきついのが正直なところです。

まあうちは外国周りを中心に多岐な仕事を受けておりますので、
逆に特定業務のボリュームと言うとそんなに多くはない
感じになるかもしれません。
日中英語を読み書きしている時間が案外多くて自分でも驚きます。

まあ実際のところ、国内特許業務が一番誰かに振りやすいので、
組織が大きくなるほどそういう業務の比率が多くなるのだな、
ということは実感します。
そうは言っても特許業務が実際は根幹になります。
明細書ちゃんと書けると独立してから色々有利です。

その上で、いろんな業務の経験をしておくと、独立してから
受けられる業務の幅が出てきます。
勤務時代から対応可能な業務の幅は広げておくと良いです。