新宿西口国際特許事務所の弁理士うめざわブログ

新宿西口で特許出願・商標登録を代理する弁理士による、特許事務所業界と弁理士試験のブログ

漫画村と漫画タウンから考える知的財産紛争の現在

漫画村という著作権侵害の脱法行為を行っているサイトへの
批判が日に日に集まり、ついには先日、サイトが落ちてしまいました。
悪は滅びる的な風潮が出る中で、あざ笑うように漫画タウン
というサイトが出てきたのですが、それもまた落ちてしまいました。

彼らの発信情報は世の中をおちょくるようなものなのですが、
「既にどこかのサーバにアップロードされているものへの
リンクを提供しているだけなので違法ではない」というものです。
漫画村の提供態様をあまり把握していないのでコメント
しづらいのですが、そんな理由で権利侵害していないそうです。

どの道追い込まれるのだなと言う雰囲気が出てきているのですが、
法廷闘争などではなく、世論の批判により追い込む、
というのが日本的だよなあと思いました。
知的財産の紛争件数は、世界の中でも日本が圧倒的に少ない
という数字が出ています。米国、ドイツが多く、実は中国も多いです。
裁判に引っ張り出されて訴訟になるというのは、
日本なんかよりも中国の方がはるかに多いんですよね。
法廷闘争もかなりスムーズになっているようです。

「世間の目」によりけしからんものを懲らしめるというのは、
いかにも日本的な風潮であり、そういう社会的な圧力により
悪しきものを排除する、という社会システムのおかげで、
知的財産事件そのものが非常に少なくなっています。
結果として知的財産権の取得へのモチベーションは低くなっており、
商標登録等は海外展開に合わせて慌てて取得ことが多いようです。

違法コピーそのものは音楽やゲームなどが通ってきた道ですよね。
紙媒体により提供される性質上、違法コピー問題に本腰を
入れる機会がないままここに到達してきたという感想です。
Amazonなんかでも書籍コンテンツのデジタル化を進めようと
しているようですし、早晩起こる問題でもあったのでしょう。

一方でTwitterなんかでもまともに解釈したら
それ著作権侵害だろ、というアップロードが氾濫しています。
実害はないということでスルーされている面もあり、
どの辺で線引きするかは微妙な問題があります。
JASRACみたいに徹底的にやると、立法の趣旨的にそこまで戦う
ことは本当に想定されていたのか、という問題も出てきます。
WantedlyDMCA申請問題のように、法の厳格適用をすると
やりすぎではと言う問題も一方では起こってきています。

要するに法律論だけで議論するのは限界があります。
技術や製品の進化を、おおもとの法律は想定していません。
著作権法自体つぎはぎだらけです。
好ましくないものは技術的に手当てし、技術的に手当てしやすい
ように商品の流通形態を変化させていく必要があります。
ゲームなんかは、違法コピーをどう排除するか、
という観点を非常に重視して製品が変わってきました。
FFやドラクエのような大作主義から、スマホゲームのように、
簡素でありながら版元がコントロールしやすいように
変わってきたような感じでです。
それと比べると出版社は古さを感じさせますよね。

本当は別の記事を書く予定だったのですが、
導入として雑感的なことを書いているうちに疲れてきました。
本当に書きたかったことはまた今度まとめます。