弁理士うめざわブログ

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特許翻訳はいずれAI化していくのか

特許翻訳はいずれ機械翻訳化していくという話はもう20年以上も
前からされています。依頼側からするとコスト削減につながる
ことから待望であり、待ち望まれていたのですが、
オオカミ少年のように機械翻訳化の時代は到来せずに
長い年月が経っていきました。

ただ最近のgoogle翻訳は性能がいいともっぱらの評判なのですね。
外野の方がむしろ半信半疑で見ているさなか、
翻訳者が危機感を募らせるようなそんな出来に仕上がっている
というもっぱらの評判です。

将棋なんかも棋士には勝てないよと言われ続けながら、
とうとう追いついてしまいました。
翻訳はその意味ではそこそこの出来でよいのですから、
出来上がってきてもおかしくないですよね。

AIの何が凄いのかということをAIについて
専門知識を持つ人に聞いたら、アルゴリズムに飛躍的な
発展があったというよりも、単にマシンの性能が上がったと
そういうことなのだそうです。将棋AIなんかも
スーパーコンピュータを何台もつなげてやってましたよね。
それ将棋の天才を何百人も集めて、いろんな資料を並べながら
じっくり考えるのを、コンピュータは早いのが取り柄だから
時間をかけるのではなく早くやってるだけなのでは、
ということを漠然と思いました。

特許翻訳の場合は、原文と翻訳文が大量に世の中に検索可能に
公開されているので、処理能力さえあれば確かに理屈の上では
そうなるのかなということにはなります。
単体PCでそれをやるにはさすがにスペック不足だろうとなりますが、
googleが高性能のサーバを使ってせっせと蓄積していったら、
いずれ実現できてもおかしくない感じはあります。

ただそんなこと言ってもね、というのは長いこと実現されて
来なかった側からするといまいち信じきれない面があります。

新しいテクノロジーが導入されたとき、いち早く飛びついた人は
いち早く前に進むことができます。しかしながら大多数は
いつまでも飛びつかないわけですので、時代の変化はそこまで
急激にはなりません。ITも浸透しているところは浸透しているし、
浸透していないところはしていないので、
AIもそんな感じだろうと思います。
ただ先行者のアドバンテージはあるはずなので、
なんとなく情報は追っておいた方が良さそうですね。