弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

知財のキャリアパスって本当に難しい

この年になって、弁理士の仕事をやはり選択していたとしても、
どんなキャリアパスをとるのが自分にとって一番良かったか、
と言うのは今振り返っても本当によく分かりません。
ないものねだりばかりしてしまいますが、
それが結局良かったかも、後にならないと分かりません。

最初はとっつきやすい仕事から入って、必要以上に下積み感の
強くない状態で経験を積み、ある程度勘所が
見えてきたところで、徐々に負荷を上げていくのが良いとは思っています。
ではどんなキャリアパスをとるべきだったのか。
その進路と言うのはケースバイケースですので、今考えてもよく分かりません。

明細書を書く能力と言うのもある程度のところからは本人の
基礎的な能力に左右されるので、20年書いた方が偉い、というような
ことはあまりないと思うのです。いろんな技術、いろんな経験に
触れる機会があった方が視野は広くなると思いますが、
実際のところ視野が広いのが良いかと言うのも疑問になってきました。

本当に不遇な環境にいる人にとっては、もう少し広い視野を持って、
いい環境を模索した方が良いと思いますが、この仕事って
狭く深く掘り下げる方が優秀な傾向もある気もするのですね。
自分は昔、みんなもっと広く世界を知った方が良いのに、
と思っていたのですが、いろんなことを知ったところで、
人生の選択の数は限られます。適当に貧乏くじを
引いたとしてもそこでこつこつやった方が最終的に得られるものは
多いということもあると思います。
あとまああんまりおいしい話と言うのもないですよね。
美味しい思いをしてそうな人ってなんだんかんだ力があります。
人は見てますので、うまみのある世界も結局平準化されます。

自分なんかは独立開業してもう結構年数もたちましたが、
世間の人は自分をどう思っているのだろうかと言うのがあります。
独立したときはこの道しかないと思いましたが、正直勤めの方が
良かったなと言う感想は持っています。

独立して数年してから業界の人手不足の波が来たのですよね。
あんまり暗い顔をして働いている人を見かけなくなりました。
そりが合わない職場はやめて新天地でいい顔をしているのですね。

悪戦苦闘している自分の方が暗い顔をして仕事しています。
隣の芝は青いと言いますが、5年もすると自分の足元が見えてきます。

まあお金を追うより自分が楽しいと思えるのは何か、
と言う方が大事のように思います。楽しいならどんどんやれるし、
貢献度も高くなりますから最終的には評価になりますよね。
しかし忙しすぎても楽しくなくなりますし、バランスも大事です。
経験を積むって言っても、知ってしまったら何だってことも多いです。

自分のメンタルや好奇心と相談してってことになりますね。
うまくやっている人は上手にバランスとっていてすごいなあと思います。