弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

5月21日オンライン飲み会のご案内

ZOOMやたくのむを用いたオンライン飲み会が浸透しつつある中、
当方もちょくちょくそのような会合をやっているのですが、
この度、西村弁理士→ 

tomohiro-nishimura.cocolog-nifty.com


とオンライン飲み会をやろうという話になりました。

独立開業に関する話がメインになると思いますが、
参加したい方いらっしゃったらぜひご連絡ください。
直前なのでそこまで集まらないと思いますが、上限8人、
つまりあと6人までを定員とさせていただきます。

盛況なようなら今後も何回かやっていこうかなと思います。
5月21日(木) 20:30スタートになりますので、参加希望の方は、
メールかツイッターのDMでご連絡ください。

よろしくお願い致します。

2020年司法試験は8月12~16日に実施、予備試験は短答式試験8月16日、論文式試験は10月、口述試験は2021年

www.nikkei.com

今年の司法試験は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で日程未定のまま
延期となっていましたが、法務省司法試験委員会は5月に予定されていた
2020年司法試験は8月12~16日に実施すると発表しました。
予備試験は短答式試験8月16日、論文式試験は10月、口述試験は2021年です。

一応感染状況は収束になるという見込みに立ったわけですね。
とは言え、感染の状況次第でさらに延期にもなるそうです。

さて本ブログは弁理士ブログですので、弁理士試験についても気になるところですが、
9月に短答試験をするという発表がされています。
このままの状況だと中止になることなく、9月になりそうですが、
その後のスケジュールが前代未聞ですのでどうなるかの発表を待ちたいところです。

 

弁理士の専門は果たしてブランディングになるのか

弁理士というのは専門家ですので、そこからさらに専門特化していくことは
一般的には良しとされていますし、弁理士ですと紹介して相手が
理解しているときには、専門は?という話になることが多いです。

その一方で、小さな特許事務所だったり、あるいは独立開業したような場合、
オールラウンドに色んなことができることが求められます。
依頼内容は多岐にわたりますので、何でもできますという方が、
仕事の少ない独立当初の場合ですと売り上げに直結してきます。

となると自分はオールラウンドにやりますというところに戻ってくるのですが、
自己紹介するときには自分の専門、自分は何を得意とするかを
語らないといけなかったりするのですよね。
オールマイティにこなせる人というのもそんなに多くないと思うのですが、
そのような解答というのは一般的に求められておらず、
判で押したように何を得意としていますか?という問いになります。

自分を売り出すときにはブランディングというものがこれからの時代必要になります。
そういうときに自分のセールスポイントを一言で言うと?のようなことが
必要な気がしてくるのですが、実際のところ依頼人は専門特化についての
知識が少ないことが多かったりします。意外と依頼人はこれ文系の仕事と
思っているケースすらあります。じゃあなんで依頼するのかというと、
信頼できてちゃんと仕事をやってくれるよね、という程度のことが
確認できればそれで十分だったりします。得体のしれない、おかしなことを
言う人に依頼を出したくないだけなのです。

そういう訳で依頼人が仕事の依頼を出すとき、この仕事はこの専門の人、
こっちの仕事はこっちの専門の人、という出し方をすることは多くありません。
とりあえずあなたみんなやってよ、という感じで来ます。

こういう流れで考えたときに自分のブランディングを考えると混乱してきます。
自分は何でもやります。しかし専門はこれです。というのはなんだか矛盾しているのです。
この矛盾を解消するには、専門でもってブランディングすることから脱却すること
が必要なのかもしれません。

まあ例えば筋肉体操に出た弁護士がいるのですが、その人は筋肉とコスプレにより
自己アピールをしています。それでいてキャリアにも触れるという形で
信頼性を担保し、親しみやすさのブランディングをしている訳です。
私は親しみやすいです、敷居が低いですといっても自分で言うなということ
ですので、やはりアピールする何かがあった方がそこは伝わりやすい訳です。
ただそれも記号の1つに過ぎませんし、別に筋肉がある人に依頼を出したい訳
でもありません。多面的な自己表現ができればよく、そこはかつては営業マンの
主戦場でしたが、今は新型コロナウイルスの時代です。対面でなく
ウェブ上でも伝わるアピールというものを模索する必要があるのでしょう。
ではそのアピールは何か、というのは個々人の個性の強さを強調していく
時代になっていくのかなあと思っています。

令和元年法律改正解説書(主に意匠法改正)が特許庁から公開

www.jpo.go.jp

今回主に意匠法で大改正があることになり、改正に伴って法改正の解説書が
発売されている訳ですが、青本が発売されるだけでなくPDFとして公開されているように、
今回改正法解説書も特許庁からPDFで公開されることになりました。項目は下記。

第1部 特許法の改正項目

第1章 損害賠償額算定の見直し(PDF:1,067KB)
第2章 査証制度の創設(PDF:1,271KB)
第3章 附則(PDF:662KB)

第2部 意匠法の改正項目

第1章 意匠の定義の見直し(PDF:857KB)
第2章 創作非容易性水準の明確化(PDF:676KB)
第3章 意匠登録出願手続の簡素化(PDF:664KB)
第4章 組物の意匠の拡充(PDF:690KB)
第5章 内装の意匠の保護(PDF:673KB)
第6章 関連意匠制度の拡充(PDF:1,076KB)
第7章 手続救済規定の整備(PDF:769KB)
第8章 意匠権の存続期間の変更(PDF:704KB)
第9章 間接侵害規定の対象拡大(PDF:791KB)
第10章 附則(PDF:673KB)

第3部 商標法の改正項目

第1章 通常使用権の許諾制限の撤廃(PDF:665KB)
第2章 国際商標登録出願に係る手続補正書の提出期間の見直し(PDF:749KB)
第3章 附則(PDF:651KB)

条文索引(PDF:651KB)
制度改正担当者(PDF:580KB)


その他改正関係のリンクは下記の通り

 

令和元年度特許法等改正説明会テキスト・動画

https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/2019_houkaisei.html

www.jpo.go.jp

知財部・特許部は何が大変なのか

隣の芝は青いと言いますが、特許事務所の人は知財部の方が良く見えますし、
知財部の人からはときに特許事務所の人は楽な仕事してんなと思ったりすることがあります。
とはいえ、特許事務所で明細書を書き続けることはしんどいなということは、
知財部の人は大体認識を共有していると思うのですが、
知財部・特許部の仕事の大変さというものは中に入らないと分かりません。

私はまあキヤノン知財部、スクウェアの知的財産室を一応経験したわけですが、
やってみて自分にはこれは大変だとなり、特許事務所を転々とした後、
居心地が合う事務所を見つけ、最終的には独立開業を果たしました。
その経緯から、まあ楽な知財部があることは知っていますが、
全体として大変な仕事を受け持っているという認識を持っています。

何が大変かを一言で言ってしまうと、発明をするエンジニアと、特許事務所の
間に発生するすべての仕事が知財部員の仕事となってしまう点、
そして何をもって評価とするかが、発展途上の知財部の場合、
存在意義が見えにくく、あまり評価されにくいという点があります。

特許出願件数を増やせば実績になるかというとそういう訳でもないし、
せめて出願件数くらい増やそうとしても自分たちだけで
件数を増やせるわけではありません。
開発の人と話を通して、案件を引っ張ってこないといけないのですが、
新規案件の宝庫となるような環境というのは、製品開発で多忙で
手一杯という状況と重なるため、後回しにしてくれないかな、となります。
ある程度協力を得られてたとしても、多くの作業は知財部員側で
手配をしないといけない状況も少なくありません。
技術と製品について深い理解がないとエンジニアと会話もできません。

予算については経営マターなので当初は協力的なことが多いですが、
しょせんコストです。利益も短期的には産みません。
場合によってはお荷物扱いされてしまうこともあるでしょう。

知財部門がそれなりにうまく回っているとすれば、先人の苦労の末に
そうなったと考えるべきで、知財部門の立ち上げとなると本当に大変です。
後は任せたから、と言われて、何かを徒手空拳で勧めようとして、
浅い仕事をやった上であれは何だという扱いになった人も少なくないでしょう。
基本的にその会社の組織というものに理解があって成立する仕事です。

自分はそういうのを経験して今に至っているので、今ならある程度は務まるかも、
という気持ちもある反面、ある程度案件化してから問い合わせがくる
今の状況の方が楽でよいなという気持ちもあります。
まあ楽化大変かというのは知財部によって振れ幅も大きいですが、
大変なことも多いよということは知っておいたほうが良いかなあと思います。