弁理士うめざわブログ

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内閣支持率と各種法案の状況

連休中なので本題から外れた話題が良いなと思って
ネットをなんとなく見てたら安保法案が理由で
政権支持率が落ちたとかそんな話題。
政治かあと思いながら、案外芸能人とかも
コメントしているようなので自分もちょっと。

前にも書きましたけど、国防とか外交とか、
そういうことが理由で内閣支持率が上下することはありません。
内閣支持率が上がるのは景気の先行きが良いときで、
景気が下降気味だったり、ピークアウトした感が
目に見えてくると、内閣支持率は下がります。

日本政府はさすがにもう金融引き締めとかしないと思いますが、
米国ではそちらにかじを取ってますし、その辺の余波を受けて
中国株が下がったりギリシャがもめたりしています。
景気の上昇局面では自分への分配期待から
政府を支持しますが、ピークアウトしてしまうと
もらいそびれた人が政府を批判的に見るのですね。
安倍政権はまさにその局面でした。
なので、例の法案がどうこうということはどうでもよく、
内閣支持率が下降局面ということは、
景気がピークアウトしたか踊り場に来たか、
いずれにしても上昇局面ではなくなっているということです。

逆にいうと、そういう局面だから政権の総決算として
自分の通したい法案を無理してでも通すという
そういう流れになっているのでしょう。

大体今の安全保障法案を理解している人はどれくらいいるのでしょうか。
少なくとも自分は理解していませんが、一般市民を徴兵して
戦場に送り込む法案では決してないですよね。
少なくとも諸外国の軍隊に対する後方支援に関する法律だと
思うのですが、なぜ日本が単独で海外に派兵する
という話になるんでしょうか。

それはさておき憲法第9条なんてのは、米国が当初日本に
軍国日本けしからんということで押し付けたのをいいことに、
そんなことに費用使いたくないから国防関係よろしく、
ということで、冷戦もうまく使いつつ、国家予算から
軍事支出を大幅に減らしつつ経済復興に専念することができた、
というからくりなのだと思ってます。
憲法第9条と米軍基地なんてのは矛盾しているようでいて、
カードの表と裏なのです。
本気で押し付けられた憲法なら、戦後独立を契機にして
とっとと廃案にしていると思います。
誰にでもわかる矛盾というのは、裏には共犯関係がある
というのが持論です。

で、冷戦が終わって
アメリカ「それちょっとずるくない?」
日本「いやおしつけたのお前じゃん」

というやり取りの中で少しずつ土俵際まで追いやられたと。

もちろん米軍基地があったところで日本を守ってくれる保証なんてありません。
けど戦争なんてのは相手があってのことなので、米軍基地があって、
いつでも共に戦える用意があるように見えるというのは相手に抑止力が働きます。
そしてもう1対1で戦争をする時代なんてのは日清戦争の時代に終わっています。
日露戦争の最大の勝因は日英(+米)同盟の締結にあります。
逆に太平洋戦争というのは戦力差以上に外交戦の敗北が大きかった。
最初から最強な国と同盟関係が締結されているというのは
万が一戦争が来てしまったときに最も有力な手段です。

そういう関係を土台にして、この手の国防事項なんて大体が米国に
「お付き合い」している以上の何物でもありません。
明治大正昭和初期を通して、「強いものに逆らわない」
ことができた時期は発展し、それが過渡期になってしまった
太平洋戦争期に没落したという反省があるので、
こういう外交政策になっているのです。

もちろん米国の事情を度外視すれば、集団的自衛権なんてどうでもいい話ですね。
そんなことに予算なんて使いたくないというのが本音ではあります。

そんなに必死になって議論するたぐいの話ではないような気がするのですが、
必死になっている人は後ろにスポンサーがいるのでしょうね。
経済政策とか税制の方が数百倍重要だと思いますが。