弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士への依頼費用はなぜ下がったのか

弁理士に依頼する特許出願費用について、
下落傾向が嘆かれるようになって久しいです。
お偉いさんは値下げを要求するなんてけしからん
と言いつつ、クライアントの方針には逆らえず、
その傾向を甘受するということが続いています。

その一方で値下げのされない仕事なんてのも
あったりするのですが、それは何が違うのでしょう。

弁理士業務の中で見ていくと、いろいろ思い当たる節も
出てくるのでしょうが、まずは一般論について考えてみます。

世の中消費者目線で見ていくと、値段関係なくお金を
出すものと、価格に対してシビアになるものの
2つは明確に分かれます。
それは資金余力であったりその人の金銭感覚・性格による
ものではないと思います。多少は影響されるでしょうけど。
とかいうとオンリーワンとかそういう話が出てきがちですが、
そうではないと思うのですね。

ディズニーランドに行って料金が気になるでしょうか。
旅行とか。ぜいたく品。
そういうものは価格ありきにはなりにくいですね。
価格ありきになりやすいのは、スーパーで買うような
日用品など。値段を見比べて安いところに行きますね。

ちょっと旅行とか書いて思ったのですが、
飛行機のチケットなんかは安いところを
選んで買うような気がします。

結論から言うと、購入頻度の問題だと思います。
飛行機のチケットなんかでも、あまり買わない人は
ディスカウンターで買う傾向は少ないように思います。
安いとこで買う人はリピーターですね。

必需品と認識されていて、自分の予算の中から定期的に
購入することが決まっているものは大体価格を
抑える努力をします。そうでないもの、買う買わないという
選択肢が存在しているものは、買うと決まった途端に
価格の比較はしなくなるように思います。
まあ青天井ってことはそうそうないでしょうけど。

こういう観点で見ると、大量発注型の企業知財部が
案件当たりの単価を抑えようというのは当たり前です。
彼らにとって特許出願はコモディティなんです。
コモディティとはけしからんと言いながら、
コモディティであることを容認して受注しているのです。
定期受注ってのは本来は危険な行為だと思うのですね。

逆に、特許出願をする行為がイレギュラーである会社では
価格交渉になりにくいのではないかという話は、
けっこう納得される方も多いのではないかと思います。

といってもそういう会社は手間もかかったりしますので、
どういう顧客をターゲットにするかは開業弁理士
マーケティングセンスの見せ所ということになります。

まあ価格交渉において立場が弱いと認識した時点で、
何らかの策を打っておくべきなのですが、
そういう特許事務所は多数派ではないように思えます。

開業してみて思ったのですが、打つ手は案外色々ある
のかなあと今は感じています。ただ、簡単にキャパが
あふれてしまう現状、開業してから日が浅いと
攻めに回ることができず、防戦一方になってしまいます。

ようやくブログを書く時間が取れたのですが、
実は終わっていない案件もあって、見つかったら早くしろと
思われそうな今日この頃です。本当はそういうことを考える
時間を確保したいのですが、安定までの道のりは長いです。