弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

若者の知財離れ

弁理士試験の受験生が減り、特許事務所への若い人の応募が減っています。
こういうのが若者のなんとか離れとして取り上げられていますが、
知財業界についても例外ではなさそうです。

まあこの辺の話は別に昨日今日始まったことでもなんでもなくて、
知財業界を目指すというのは、その仕事そのものに憧れをもって、
などということはおよそありえず、待遇が良いと思うから来た訳です。
弁理士試験の合格者を急増させた結果、待遇面の水準低下を
起こした今、若者が知財を目指さなくなるというのは
なりゆきとしてはまあ自然です。
そして同じ話になりますが、他士業にも同様の流れが出ていて、
志願者の数はどこも減っているようです。
難関資格を受かったにもかかわらず、収入も増えず、
勤め人を続けるだけなら何のための難関資格って話ですよね。

それはともかく、世の中全般に若者がいろんなものから
離れているようで、それではいったいどこに行っているのか?
という話もあるのですが、少子化ですから若い世代の数自体が
減っているという面もあります。

自分が思うところでは、若い人と、もう少し上の世代で、
そこまで感覚が違ってきているとは思わないのですよね。
「若い人が減ってきている」という業界に、じゃあ自分が若いころ
であればその条件で入るかというと、入らないでしょうと。
単純に条件が悪くなっているだけないんじゃないですかね。

世の中が構造変化を起こして、必要以上に過大評価されていたものが、
必要性そのものが失われてしまって、一斉に人が引いていく、
というのはいろんな分野で起きているのではないかなと思います。

世の中全体として、「若者向け」「高齢者向け」というものの
境目が少なくなっているような感じもします。
若者にとって魅力があるものってのは、全世代的に
魅力があるものであるのではないかなと思います。

今まではみんなそれをやっていた、ってものもあったりしますが、
それって単に同調圧力で縛ってただけなんじゃないの?
という疑問のあるものもあります。現代というのは、
そういう同調圧力の否定ということが昔よりも
肯定されている感じがします。
有無を言わず従え、というのは老害の始まりな感じですよね。
人を従わせたいなら、それなりの価値というものを
提示しなければなりません。
年下相手だからと言って、それを横着するのは甘えですよね。
まあ世の中全体が対等志向になりつつある印象です。

世の中の変化に取り残されていくことに、人は鈍感になりがちですが、
正確に見ていくと、案外合理的に変化していっている感じもします。
それなりに敏感であり続けないといけないなあと思います。