弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

会社に在籍している発明者の、会社に帰属しない特許出願について

最近、副業解禁関連の法案についての話題があります。
しかしまあ本業と同様に取り組む副業を推奨します、
という趣旨ではないような気がします。
一企業が複数の事業部を有する、というのなら
様々な効果が期待されますが、1個人で限られた
時間の間に複数の業務をこなすのは、
本業によほど余裕があるというのでなければ、
基本的には非効率です。

一方で、弊所のお客様の中には、会社に努めながら、
起業準備をされている方が結構います。
そんな中で特許出願・商標登録をしたい、という
ご依頼をお受けすることがあります。
お話をお聞きしていると、本業の存在による
制約を気にされている場合があります。
おそらく副業解禁と言うのは、こういうケースでも
安心して起業に取り組めるようにするためでは
ないのかな等と思っています。

ただまあ在籍しながら起業準備と言うのは、
特許事務所に在籍しながら独立準備、というくらいに
もちろん気まずいものであります。
公開公報に掲載される前までに起業する、
と言うのが時期的な目安になりそうです。
まあ公開公報が見つかることも珍しいですが。
あとは職務発明の規定に該当しないかとか、
帰属中特有の問題の相談をお受けすることもあります。

やっぱりスパッとやめてから取り組む、のがすっきり
するのですが、辞めた後の収入がどうしても不安です。
私も在職中にできるだけ独立準備はしました。
蓄えを減らさないためにも在職中にできることを、
と言うことは結構重要な観点です。

まあ自分がそう思っているだけで、政府の本音は
全く別のところにあるのかもしれませんが、
少なくともそういうニーズもある話ではないかなと
そんな気がしています。