独立して特許事務所を数年運営していると、この先拡大していくのか、
と言う問題が絶えず出てきます。独立当初は仕事も売り上げもないですので、
そんなことも言ってられないのですが、ある程度依頼が増えてくると、
1人でやっていくのが難しい状況が出てきます。
まずは事務スタッフを雇うのですが、実体業務を増やさないと
スタッフ業務も増えていきませんので、そこで拡大路線を進むのか、
というのは弁理士に限らず、士業全般にとって課題となっていきます。
ふと振り返ると、私よりも後に独立開業してどんどん拡大して
いる特許事務所が着々と増えています。
こぼれてくる内情を聞いてみても、それはそれはかなりのバイタリティを
発揮しており、エネルギッシュに事務所を拡大していっています。
受任業務が増えたから単に人を雇う、という流れだけで
事務所を拡大していくことは困難であり、そこで生じてくる困難を
克服していく過程は、小耳にはさむ限り、それはもう大変です。
その一方で不拡大路線を取っている特許事務所も多いです。
特許事務所に限らず、仕事はどんどん来るのだけど、
自分の専門性の幅をどんどん縮小する、と言う路線の話を
聞いたりもします。事務所拡大の苦難を考えると、
その路線に魅力を感じる部分もあったりします。
やっぱりこの規模だと人は育てられないわけです。
即戦力でないといけない。即戦力でも口だけでなく
間違いなく戦力でないといけません。
採用人員の選択を誤るとコストと労力が増すばかりです。
どうしても慎重になりますし、それでいてこの規模ですから、
優秀な人をとるというのは困難です。
最初からある程度の人数で始めたところが、
この過程をうまく乗り切っているように見えますが、
1人弁理士だと、ここが逆になかなか大変な感じです。
最初は大変というのは理解されますが、その先もその先で
やっぱり課題は出てきます。分かってはいるのですが、
なかなか大変だなあと言う今日この頃です。