弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

退職のときに角を立てるべきではないという話

職場を辞めることに決める動機はひとそれぞれですが、
辞めるにあたって必ず通らなければならないのが
退職の申し出とその受理です。

引き継ぎと書こうとしましたが、引継ぎはない場合もありますね。
引き継がなくて良い場合なんかもあるかもしれませんし、
簡単に引き継いでおしまいだったら1-2日ですね。
リストラの場合でも意志表示や確認過程が入ります。

そして通常は自己都合退職です。
この場合は、「どうしてやめるんだ」「本当は辞めないで欲しい」
的な要素がある程度は入ってきます。
通常は離職の意志は覆せないので、意志を確認した後は
淡々と進めることが多いですが、会社によっては引止めとか
説得とか、そういう要素が入ってくることも多いでしょう。

まあ優秀だから引き止められる、大したことないから引き止められない、
ということはないような気がします。戦力性よりも「辞められる」
ことに対して心情的に納得いかないとか、社内手続き的に
引き止め工程が入っている、後任手配の手続が極めて面倒、
とかの手続き的要因がほとんどです。
本気で痛い戦力に出て行かれる場合ほど、
ただがっくりみたいな感じでしょう。

そういう訳なので、離職の意志を表明したにもかかわらずやめさせてくれない、
というのは戦力として優秀だからというよりは単に雇用側のわがままです。
この時「そうやって勝手に出て行くと波風立つぞ」的なプレッシャーが
時折かかるという話をちょくちょく聞いたりします。

そういう退職のときに角を立てるべきでないという話は一般的ですが、
どの程度まで考慮すべきかというのは状況によって悩みどころのように思います。
ただこの「角を立てるべきでない」というのは、噂になるほどに
何かやらかしてやめるのはやめとけよ、って程度のことと解釈しています。

特許事務所に固有の話をしてみると、「業界で噂になる」って言っても、
離職意志を示して引き止められて強引に辞めていくなんて普通の話すぎて、
それが知らない人であれば、共通の話題になんて普通はならないでしょう。

狭い社会なので、確かにお互い知っているという人は確かに多いのですが、
ほとんどが「あっ、どうも」ってレベルで、その程度の噂話が伝播する
ほどの関係性では通常はありません。
大体所員に逃げられるなんて所長の恥です。

ただネタになるほどの面白話をつくってしまうと、
誰かがその話題をしているということもありうるので注意しましょう。
常識の範囲内、普通の人の範囲内で、毅然とした態度を取るってのは
時には大事なことではないかと思います。