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新宿西口の国際特許事務所の弁理士うめざわの特許業界事情ブログ

新宿西口で特許出願・商標登録を代理する弁理士が、特許事務所、弁理士試験について語るブログ、特許事務所で中小ベンチャー企業や個人事業者を中心に受ける弁理士が、企業や特許事務所勤務の経験に基づく、特許知的財産業界の様々な話を展開します

特許翻訳について記事を書くと妙に反応が大きい

知財の世界自体そもそもちっぽけ、ってのもありますが、
その中でも特許翻訳というのはさらにセグメントとしては
小さいものだと自分は今まで思っていました。
だって日本企業がとるのは、海外比率が高まってきた
といっても基本は日本の特許です。
さらに外国特許業務といっても翻訳して終わりではないので、
特許翻訳の世界というのはセグメントとしては
そんなに大きくないはずという思い込みがあります。

その一方で、日本語明細書を送って成果物の納品を受ける、
という関係にありますので、業務上の接点は
日頃実はあまり大きくありません。
彼らは実際のところどうなの?というのは
案外気になるのかもしれません。
なんだか妙にアクセス数が伸びます。

自分は企業知財から始まったので、特許事務所に移った時に、
自分は自分の明細書の品質という実力で成果を勝ち取って
いるのだ、というプライドを持つ人が案外多いことに
違和感を感じていたのですが、特許翻訳についても
案外そんなプライドを持つ方が多いようです。

けど仕事なんてのはいろんな要素によって
受発注が決まります。優秀な実務家であることは
もちろん大切なことでしょうが、
今の時代は顧客に対してどんなソリューションが
提供できるかということが強く求められる
ようになってきています。
相手方の状況についてイマジネーションを働かせる
とともに、自分の思うようにいかなかったとしても、
それはそういうもんかと素直に受け止めることが
大事なのではないかなと思っています。

このブログでは弁理士・特許事務所について
そういうあえて逆説的な視点を提示してきましたが、
特許翻訳についても状況は変わらんよ、
ということでそういう視点を投げかけると、
そういう視点に対していろんな思いを持つようです。

過去からずっと蓄積された価値観を踏襲して
自分のキャリアを積み上げること、というのは
正直年々不利になってきているのではないかなあ
とそんな気はしています。
そこでどういう新しい方向に踏み出すか、
ということを考えたいなら、視点を新しくする
ということが大事になってきているのではないか
と思います。

ただ、それも一面的な見方で、自分は愚直に
同じものを積み上げていくのだ、というのも
職人的でそれはそれでありとは思います。

さて皆様はどのような道を歩むのでしょうか?
いずれにしても自分で考えて
答えを持っておく必要があると思います。

年を取ってしまったら普通は仕事の依頼は来なくなる

自分のキャリアを考えるときに、本当に自分の考える
「実力」というものですべて決まるのだろうか?
というのは結構重要な観点と思っていて、
先の記事では特許翻訳についてそういう話題を載せました。
これに関連して、なんとなくネット記事を見ていたところ、
83歳の元特許翻訳者についての記事を見つけました。

にも、拘わらず、先ず、一般的に80歳と聞けば、
それだけで発注者は仕事を依頼するのを躊躇う。
現実的にはフリーランス高齢者に仕事を依頼しよう
とする物好きなど何処にも居ないのだ。

まあこの辺の話は弁理士や特許技術者も含め、
ほとんどの仕事に当てはまる話ではないかと思います。
普通の依頼者は80過ぎの人に仕事を依頼する
ということはありません。ま、普通は引退していますが。

でも実際は世の中80過ぎとまではいかなくても、
それなりの年齢でも仕事を続けている人は
結構いたりします。その違いは何か?

一番顕著な例を挙げるとはっきりしますが、
例えば宮崎駿氏はこのブログを書いている時点で76歳です。
年齢が理由で仕事がなくなることはありません。

・自分でなければできない仕事をしている

・「スタジオジブリ」という自分自身のブランドを持っている

・実際の細かい作業については若いスタッフに任せている

もっとほかにも挙がるかもしれませんが、
こういう要素が必要です。
逆に言うと、そこまでのものがない高齢者は、
徐々に仕事の依頼を受けることが難しくなってきます。
まあ突然はなくならないでしょうけど。


確かに「実力がある」というのは、「自分でなければ
できない仕事をしている」という面があるとは言えるでしょう。
しかしそれは、同業の人間が追い付けないほどの
圧倒的な実力がある、というレベルでの話です。
「替えがいる」という時点で、そこまでの実力ではありません。
他業種ならあり得ます。この製品を作れるのはこの人しかいない、
というのはいくらでもありますし、そういうのを支える
高齢の町工場の人は多いでしょう。しかし弁理士はそうではありません。

明細書を書いていても、翻訳をしていても、
そこまでの実力者というのはそうそういません。
そしてそれは努力をすれば到達できるというものでもないのです。
取引先から信頼されているくらいで、圧倒的な実力とは言えないでしょう。
単に取引先にとって新しい発注先を見つけるのが面倒というだけです。

特許事務所について、独自のブランドがある、というのは、
なかなか難しい話です。仕事の内容において名を馳せる
なんてのは、そうそうあるものではありません。
有名な特許事務所、というのならありますが、
当然ある程度の規模が必要になります。
1人でやっていて、独自のブランドになっているような人を
この業界で聞いたことがありません。

上の3つのうちで一番大事になるのが一番最後だと思うんですね。
若手の活力と柔軟性、そして高齢の方の経験を組み合わせて、
仕事をやってもらいたいと思うはずなのです。
これは若手を採用して育てていくだけなのでそんなに難しい話ではありません。


こういう話は当然自分のキャリアという意味でも考えていかなければ
ならない話です。地道に仕事を重ねているのだからこれからも
仕事は来るはずだ、などというのは安易なのですね。
今は年齢的に比較的若い、ということも込みで仕事の依頼が来ます。
しかし、人はいずれ年を取っていくのだから、その時に備えて
仕事が来るような体制を整えなければなりません。
そうでないと、上記リンク先のように、年齢が理由で仕事が
来ないのはおかしい、という愚痴をこぼすことになってしまいます。

もっとも上記のケースは本当に実力があるのかどうかも謎です。
きちんとした仕事ができる人なら、相応な物事への分別、
というのはあるはずじゃないかと思うのですけどね。
年を重ねてそれでも仕事を続けたいなら、それなりの手配が必要、
ということに気付かなかったのでしょうか。
自分に文句が言いづらくなっているだけなのに、
自分の仕事が評価されている、と錯覚する年配の人は多いです。

なんか暗い話になってしまったのですが、
逆に、若いということはそれだけで採用の理由にもなりますし、
若いうちなら思い切って何かをやっても、それなりに評価されやすいです。
そのアドバンテージをもとに自分なりの蓄積を積み上げることが必要です。
自分にとっては先の話ではありますが、そういうことも考えながら、
自分のキャリアを考えないといけないと思います。

特許翻訳のフリーランスも若いうちに始めないと厳しい

 

以前弁理士の独立開業も30代くらいの方が、
という話を書きましたけど、

特許翻訳でフリーランスをされる方についても
年齢関係ない、という訳でもありません。

実力さえあれば年齢がいくつになっても、
というような話も曖昧に出てきたりはするのですが、
それこそ弁理士だってそうであるはずなのに、
実際は年齢制限がついて回るケースは多いです。
特許翻訳者についても、状況はそんなに変わらないです。

前の特許事務所で、特許翻訳者を採用しよう、という話
になり、採用活動は自分が中心として担当しました。
我ながら見事な落とし穴を用意した問題を作成し、
応募者を待ちました。
やっぱり特許翻訳者というのは特許技術者よりも
応募者はたくさん集まります。ま、年齢制限もなければ、
インハウスでもないということも理由なんでしょうけど。

履歴書を送ってもらい、面接をして、その場で
トライアルをやってもらいました。
一番できた方は年配の男性でした。
後は育児中の方が多かったのですが、
注文した通りの落とし穴に皆様はまってもらい、
自分としては大満足でした。

その後の翻訳の出来も、トライアルの出来具合と
ほぼ相関していたように思っています。
外で翻訳してもらえるのだから、自分としては
実力があれば、ということで、自分自身は
トライアルの出来だけで決める方針でした。

が、採用を決めるのは私だけではないのです。
できた順に採用といかず、会った時の印象で
採用の可否はかなり左右されます。
同席した所長他から、あの人はちょっと、
とかそういう話が出てきます。
そのときに、結局通常の採用と同様、
年齢的に若い方が有利になるという面があります。
実際、一番出来が良かった男性が一番印象が
悪かったりしました。

結局一番出来が良かったのだからとのことで、
複数採用の中の1人には入れたのですが、
採用してからも色々文句が出て、
「やっぱりあの人は」という不満が所内から出ました。
翻訳の力量はもちろんあるのですが、
フィードバックに対しても不満が返ってきたりして、
あの人に出すのはやめようという感じになっていきました。

それ以外でも、不採用になった方も含めて面接での印象
は結構大きいです。特に、柔軟性の高そうな
若い方の方が印象としては良くなります。
年齢が上がるごとに、第一印象で身勝手そうな
雰囲気というのは出やすくなるので、
そこは気を付けないといけないなと思います。

年齢不問と言ってもそこはやはり若い人の方が
有利になるのはどんな場合も間違いありません。
応援したい雰囲気ってのは人によってありますし、
それは若い方が有利に働きますよね。
対人スキルが高ければカバーできるでしょうが、
翻訳やるような人は、そういうタイプではないですよね。。
知財業界全般にそうですけど。

ま、トライアルも若い方が通りやすいと思うので、
若いうちに始めて、その取引先を確保していく、
ということになるのではないかと思います。

 

自称若手弁理士懇親会(第21回)

以下案内文のコピペです。

恒例になりました自称若手弁理士懇親会(第21回)を以下の通り開催致します。 

知財SNSの懇親会から派生し、近年の弁理士試験合格者との
交流を目的として開催してきた本懇親会も21回を迎えました。

参加の申込は、以下のURLに示す申込ページからお願い致します。
 (申込み締め切り:6月14日まで)

なお、キャンセルについてのご連絡は6月14日までにお願い致します。

 

今回も立食形式で開催しますので、合格年や会派を越えた多くの
"自称若手"の弁理士(未登録含む)と話をすることができると思います。
ネットワーク作りやコミュニケーションの場として、
同僚、同期、友人等お誘いあわせのうえ気軽にご参加下さい。

また、お知り合いに昨年度弁理士試験に合格された方が
いらっしゃいましたら、ぜひお伝えください。

では参加のご連絡お待ちしております。

        記
 【1次会】
 日時:6月17日(土)18:00~20:00
 場所:パレスサイドビル地下1階 (東京竹橋)
ニユートーキヨー ビヤレストラン

https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13027180/

会費:4,000円
 連絡先:03-3216-2411

【2次会】
 時間:20:00~
 場所:パレスサイドビル地下1階(1次会と同じビルの同階)
てけてけ 竹橋パレスサイド店

連絡先:050-5786-9672

 

 前回概要はこちら。


独立して3年もたてば安定するというのは嘘

前の記事の続きを後回しにしてて、何書きたかったのか
忘れてしまってたのですが、思い出したので書き直します。

patintl.hatenablog.com

独立開業するとどうなったのか?について、
前の記事を書いたのが独立してから割とすぐだったのですが、
もうそろそろ3年が視野に入ってくるところで
今は実際のところどうなのかという話です。

patintl.hatenablog.com

開業当初に人に会うと、人は自分を懐疑的に見るわけです。
「へー独立?うまくいくといいね」的な。
わざわざ嫌がらせのメールを送ってきた人までいましたよ。
しかししばらくすると、一応仕事が入ってきて、
一応生活費くらいは何とかなったかな?
という状況になってきます。
一方やることに追われて対外的な活動は疎かになっていきます。

少しずつ余力が出てくるので、対外活動を再開してみると、
周りの自分を見る目が変わってくるのに気づきます。
「独立して自分でやっていけている人」に対する接し方に
なっているのですね。それは弁理士だけでなく、
客ではない他業種の人についても同じです。
自分は何にも変わったつもりはないのですけどね。

独立したい人の相談を受けることもありますし、
友人からも今後も安泰でよいねなどと、
独立当初とは言われる内容が結構変わってきます。
自分も自分で、集客については最初の数年が山で、
軌道に乗ればあとは自然とお客さんはついてくる
と思っていたりしました。

やってみると、明日なき戦いは今なお変わらない
というの現実です。安定という意味だと勤めている方が
少なくとも1年後も収入がある可能性は高いですよね。
自分の場合、来月どうなるか、全く予測もつきません。

これをやればこうなる、という予測能力は多少上がってきますが、
過去の蓄積が集客の積み上げにつながる感触があまりないのですね。
過去に独立した人たちに相談した感じだと初期を乗り越えれば
あとはなんとか、という答えだったのですが。

その一方で独立する前にリストアップした「やるべきことリスト」
は、段々項目が消去されていきます。
やってみてうまくいったこと、いかなかったこと、
どうも自分のスタイルとは違うぞとか、
PDCAというんでしょうか。何らかの結果が出てきます。
一方で、独立してからはそういう新しい発想も枯渇してきます。

結局スタートダッシュが肝心で、初期構想の完成度が高いと、
スタートダッシュに成功する感じですね。
自分より後から独立して一気に上まで行っている人も
結構見かけるようになってきました。
一方で前からやっているのに鳴かず飛ばずの人もいます。

patintl.hatenablog.com

現状は中二階で宙ぶらりんになった状態です。
確かに生活程度は困らないし、スタッフの方もいて、
ある程度業務分担もできています。
けどそれでいいかというなら、それならそこそこホワイトな
感じの特許事務所にいた方がよいのではないかな、
という状況にいます。
もう少し伸びないと、自分でやっている意味はないのですよね。
その辺の感覚はやっている人でないと分かりにくいと思うのですが。

勤めていると、このままここにいて自分は将来大丈夫なのか、
という漠然とした不安に追われると思います。
勤めだと雇用主に依存した部分なのですが、
独立すると、そこはすべて自分にかかってくるのです。

まあなかなか難しい、というのとなかなかそこが伝わりにくい、
という面があります。