弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

専門外の人が弁理士などの専門家に依頼をするときのハードル

弁理士として業務をやっていると、依頼人の方は気軽に
連絡してくれればいいのにとか、相談には乗りますという
方は結構いるのですが、一方で依頼人側にとってみると、
実際のところハードルは高いようです。
そのハードルの高さを解消するために、親しみやすさを
強調したり、弁理士なのに意外に、等という側面を
強調したりするアプローチがあるのですが、
実際のところ、それは依頼人側からすればそれは
ハードルの高さを解消するものではありません。

一方で、依頼人からすれば、依頼事項について専門的知識
を持っていなければ困るという側面はありますし、
その点において専門的知識があるんだぞと強調することは、
それ自体は確かに間違ったことではないのですが、
非専門家である依頼人が求めている一番重要なことは
そういうことではありません。

こういうのって自分が馴染みがないことを依頼する側に立てば
簡単に気づくことなのですが、客側の感覚に対して
あうんの呼吸で答えてほしいという側面が一番重要です。
専門家としての視点は重要なのですが、
非専門家側の視点もまた重要ということです。

依頼業務に馴染みがない依頼人は、こんな話で伝わるのかわからない、
こんなしょうもないことを言って嫌がられないか、とか、
若しくは全然話が平行線になって、変なことを丸め込まれて、
全然見当違いな、費用に見合わないことを提供されないか、
そういうことを懸念しています。
とともに、よく分からない費用をつけられたりしないか、
思いもかけないほど高い費用になったりしないかとか、
そういう心配が出てくるはずです。

そのことは、弁理士と良く間違われがちな便利屋への依頼を
考えてみても分かるでしょう。
自分の抱える問題点をちゃんと解決してくれるのか、
思いもかけず高い料金になったりしないかとか、
そういう心配があると思います。
その辺「便利屋」という、何を依頼してもよさそうな
名前であることで心理的なハードルを下げています。

結局のところ、集客の上で重要なのは、依頼人側が
何に躓いているのか、何に困っているのかを熟知することです。
依頼人は案外同じようなことで困っています。
そこに対する答えを持っていますよ、
気軽に質問してくださいね、というのが
相手に対するハードルを下げる行為です。

決してけん玉が得意であることをアピールすることではありません。
(具体的に該当する人は存在しないと思いますが、
 もし該当する方がいがたらごめんなさい)
親しみやすさとは、意外性ではなく、相手の期待に応えることです。