弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

こんなこと言いたくないんだけど、という人は大体言いたくて言ってる

別に具体的な被害にあったわけでもなんでもないんですが、
「本当はこんなこと言いたくないんだけど」と言いながら
文句とか説教とかしだす人いますよね。
自分も年になってそういうこと言われる年では
なくなりつつありますが、そんな時代もありました。

そういうこと言われると、「じゃあ言うなよ」
と心の中で100回くらい言うのではありますが、
とても言えそうな雰囲気ではありません。
言いたいことを吐き出さずにいられない心情になって
話しているわけで、その人は明らかに言いたくて言ってます。

自分はというと、注意が必要なときは、
自分の見解としてそれは問題である旨を指摘して言います。
言いたい言いたくないじゃなくて、
指摘が必要だから言うわけです。

もしくは、「別にどうでもいいんだけどさ」
というのが自分の口癖に近いかもしれません。
自分の行動というのは自己判断で管理すべきなのですね。
ただまあ気づかないということはあるので、
「一応指摘するよ」というニュアンスで指摘をします。

その人が言いたくないかどうかなんて
知ったこっちゃないですよね。
もちろん叱責すべき事由はあるかもしれませんが、
それとこれは話が別です。

なんていうか、「文句を言っている自分は悪くない」
「お前のために言ってやってる」というマウンティング
この辺の相乗効果がかかっているようで
なんかもやもやしますね。

多分こういうことを言う人が多い特許事務所は
所内がとても微妙な雰囲気であることは大いに
予想されます。被害にあいそうな人はご注意ください。

弁理士試験の合格者が減ったのは受験生にとってどうだったのか

ある時期をピークにして合格者の数がガクッと減ったのは、
受験生及び弁理士業界の方々にとって周知のことと思います。
受験生にとっては合格者が減るということは
難易度が上がるということを意味しますので、
あまり歓迎しない感じもあるのかもしれません。

一方で合格者数が急減すると、採用の倍率が
応募者に対して有利にもなるんですよね。
それは昔の合格者にも当てはまってしまう部分もありますが、
合格祝賀会や、インターン的なものはその年の合格者
に向けた採用のイベントとして行われます。

昨年の合格者は、見た感じ既に知財の職を得ている
人がほとんどで、祝賀会で採用活動をしようにも
該当する人がほとんどいなくて張り合いがなかった、
という話を聞きます。
インターンは応募者がわずか7人で、
ほとんど希望は通ったのではないかと思います。

受かった後の環境という意味では、合格者が減ったことは
新合格者にとって有利な状況になっているといえます。

これが極端に難易度が高いというのなら別ですが、
合格者は減ったものの、長年の受験生がはけて
新規参入が減っています。つまり受験生の母集団が大きく
減っているので、難易度はそこまで上がっていないようです。
少なくとも合格者数が大幅に増えだした初期の頃の
難易度は上回っていないのではないでしょうか。

20世紀のような、受かれば直ちに高収入だった時代は
さすがに去っているので、その意味で厳しい時代になった、
というのは正しいです。しかし、職を得ること自体が
全く困難なほど厳しい環境を想像されている方を
見かけることもあるので、その見方はさすがに
行き過ぎのような気がします。

技術職というのはものを作ってなんぼの世界なので、
そこから知財を目指すというのは基本的に傍流です。
やっぱり儲かりそうだからくる世界なのであって、
そうでなくなったら参入が減るのは当然です。

ただ、それを極端に冬の時代と解釈してしまうのは、
それはちょっと違うのではとも思うのです。
少なくともそこそこレベルには稼ぎを得るのは今でも
容易ですし、行き場を失った技術職の駆け込み寺的な
機能は今なお残っていると思うのですけどね。
どうもその辺バランスのとれた情報が出ていないように
思われますので、その辺ちょっとまとめてみました。

自分が知財職を始めたころは、過小評価すぎて
これは穴場なのではと思っていたのですが、
それから過度に人気になり過ぎて、
それはそれでおかしいという状況になりました。
それが今、程よいところに戻りつつあるように
思ったのですが、また過小評価に戻りつつ
ある雰囲気も出てきています。
世の中極端から極端です。

要求は多い割にディスカウントは要求するお客様

独立する前に、値段を安く設定すると、安値を見て
くる方に限って要求が多くて面倒くさいよと言う意見を、
既に独立されている弁理士の方から聞いていました。

そうは言っても独立当初はお客様もいないし、
ある程度低価格でやっていかざるを得ないよな、
という側面もあります。

まあ安くても手間にならなければそれはそれで
良いかなという面もあります。
そういう訳なので、どの程度の価格にするか、
というのは原則は料金表に沿うのですが、
ディスカウントを要求された場合、
どれくらいの仕事量なのかの見極めが
必要になってきます。

ディスカウント要求は完全に
撥ねる方もいらっしゃるようですが、
当方はまだそこまで強気になれません。
もちろんこちらも、状況が揃わない限り、
ディスカウントを受けることは多くはないです。
7割方は受けることはありません。

そして、価格にこだわる方ほど、
仕事の要求も多いという傾向はあります。
一方で、そうでない方もいらっしゃいます。
独立当初はどんな仕事も必要でしたので、
結局、しまったこんな仕事受けなければ、
なんて案件もありました。

段々見極めはできてきて、困ったことに
なりそうな方は、打ち合わせの段階で
厳しいことを言うようにしてきています。
もちろん困った人でなくても、
これは厳しいですねと言う案件は多いので、
そういう回答になることは全般に多いです。

ある程度売り上げがたつと、受任が欲しいために、
回答で日和る、ということがなくなってきました。
うっかり受けると後が大変です。

なのですが、見極めを間違えて、思ったより
大変だったとか、安く見積もりすぎたとか、
そういう見込み違いも出てきます。
その癖にもっと安くしろとか、そんなことを
言われるともう頭にくるわけですね。

勤めていた時は仕事はただ愚直にやる、
という感じなのですが、独立してやると、
価格との兼ね合いという問題もでてきます。
現状は結局時間を切り売りしているのですから。

そこを乗り越えるところまではまだ時間がかかりそうです。

焼きカレーの基本特許

こんなの見つけてどうすんのと自分でも思うのですが、
これ以前に何らかの焼きカレーが世に出ていたら、
これはおそらく特許になっていないはずなので、
その意味でこれが焼きカレーの基本特許なのだと思います。
権利は年金不納による抹消とあるので、使用するのは自由です。

まず大前提として焼きカレーとは、カレーにチーズをのせて、
ドリア的に表面を焼いたから焼きカレーというものです。

【特許番号】第2691213号
【登録日】平成9年(1997)9月5日
【発明の名称】焼きカレー

前置審査まで行っているようですね。

まず権利範囲から書いてみます。

【請求項1】耐熱鍋(1)にバター(2)を塗り、その中にライス(3)を入れ、
その上にカレールー(4)をかけ、更にその上に卵黄が中心になるように
全卵(5)を落とし、更にまたチーズ(6)を全体に降りかけた鍋ものを、
オーブンにて全体を焼き上げた事を特徴とする焼きカレー

もうこれだけで内容分かってしまいますね。
図は手書きのものが2つありますが、
見るまでもありません。

料理にまつわる特許というのはあるだろうな、と思いますが、
それなりに世に出ているメニューの、
原形のままで取られている特許ってあるのですね。

最近あちこちで焼きカレーというのを見かける気はします。
自分的にはカレーにチーズというのが完全に無理です。

確定申告のための会計処理が大方終わって思うこと

もうそろそろ支払調書も揃いだして、確定申告も峠を越します。
大方の集計は終わり、あとは控除関係を引けば
税額というか、還付の額も出てきます。

売り上げの額は大体出ていたので、
あとは経費の計算でしたが、大体これくらいは
出てくれないと困るな、という数字に収まってくれて、
ある程度ほっとはしています。
計画的に集計しておけばいいのですが、
まとめて人に任せた方が任せやすかったりするのです。

出てきた数字を見て思うことは、年初の抱負と何も
変わることはありません。昨年通しの数字としては、
ものすごいニアピンというか、多すぎず少な過ぎずの
見事な数字が出てきている一方で、
直近の数字の伸びが非常に鈍化しているのが懸念です。
ここ1年ほどの間、売り上げの上昇率が止まってしまって
いるのですね。1年間大体同じような売り上げでした。

ここが自分の性格かもしれませんが、
おやっと思われる(独立とか)ようなことでも
うまく工夫してそこそこまでは行くのですが、
そこでなんか安心してしまうからか、
非常にピークの浅いとこで収まってしまう
傾向があります。
ま、これくらいの稼ぎがあれば生活に支障は
全くないのですが、独立してここで終わって本当に
いいのか?と問われたときに、そこで終わるのは
本当にまずいでしょう、という宙ぶらりんな状況です。
中二階でまったりしてしまっている状況です。

そう思うと、一気に突き抜けている人たちっていうのは、
能力がどう、という以前に、馬力がすごいというのに
非常に感心します。自分はそんなに馬力が出ません。
疲れてすぐ横になって休んでしまいます。

今はこういう時期、という見方と、そんなとこで満足しては
いけない、という見方の両方が可能だと思いますが、
いずれにしても今をがんばると、そんな状況に立っています。