弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

令和元年度弁理士短答試験、問題解答の公表

今年の弁理士試験短答式筆記試験問題及び解答(令和元年度-2019年)
https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-mondai/r01tanto.html

が公表になりました。

年々試験問題を読むのが億劫になっている弁理士の皆様。
こういう時こそ年に一度試験問題を読んで5問くらいでも解いてみるのが
弁理士として必要なことではないかと言いながらも、
当方も色々忙しく、そういうことに頭が回りません。

一番気になるのは令和元年なんだあと言うことですね。
これまで解いてきた過去問は全て平成でしたからね。

今年も各受験機関が解答の速報を出すよう頑張っていたようです。
年に一度のイベントという感じでやっているようですね。
速報がないと自己採点ができなかった時代は、
元号も変わることで本格的に過去の遺物となっていきますね。
今の受験生にとってはもしかするとなぜそんな無駄なことを、
と思う人もいるかもしれませんが、昔はそれが必要だったのです。

短答受験生には1週間くらいは勉強も手につかない時期が続くと思いますが、
ここを通過してからが受験シーズンだなあと毎年思います。

弁理士試験志願者統計(令和元年度)

今年も、弁理士試験、短答試験は明後日となります。
そんな中、2019年弁理士試験志願者統計が発表されました。

https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-tokei/r01.html
https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/shiken-tokei/document/r01/r01_shigansha.pdf

志願者数は3858名。去年が3977名、一昨年が4352名、よりもさらに減少しました。
減少幅は小さくなってきましたが、まだまだ下げ止まらないようです。

下記は昨年書いた内容ですが、基本的な状況は変わっていません。


志願者の減少については、
少子化及び雇用情勢の順調さを受けた若年層の流入低下
弁理士に限らず士業全般の魅力の低下

という側面があることは前から指摘していましたが、
弁理士試験特有の現象として需要の先食いと言うものがあります。
一時期に大量に合格者数を出した結果、受験者がかなりはけてしまって、
滞留する受験者が減ってしまったという観点です。

長年受験を続ける人がかなり減ったのではないかなあと思います。
ある時期に合格者としてはけた上に、試験の難易度を上げたことにより、
ボーナスステージが終わったのだからもうキリをつけようと思った人が
出てきたはずです。
大多数の受験生はなし崩し的に続けてきたと思うのですね。
そういう人が減ったという側面が弁理士試験にはあったはずです。

まあそうはいっても受験者数1000人とかそういうことにはならないと思います。
膨らみすぎた業界流入人数が元に戻りつつあるだけです。
合格者数はある程度確保しないといけないでしょうから、
受験者数が減るのは受験生にとっては多分朗報だと思います。
20年くらい前は短答だけでも相当の難易度でしたが、
難易度がそこまで戻ることも、もはやないでしょう。

何も変わっていない以上、現在の状況につき認知が進むにつれて、
状況はさらに進展していくものと思われます。

・短答合格者数で0回が減り、1-5回が増えて、6回以上が減っています。
・年齢別では30代が大きく減り、他の年代はほぼ変わらずです。
 30代の受験者数減少がそのまま全体の減少になっています。
・地域別では、愛知、京都、兵庫、福岡などが減り、
 埼玉と千葉が増えています。この辺社会情勢と
 何か連動しているようで興味深いです。 

だから何と言っても、この試験を受けると決めた人たちは
もう腹くくって頑張って受かるほかありません。
受かった後の世界は自分で切り開くしかないでしょう。
まずは難関を乗り越えるべきと思うので、月並みですが
頑張ってほしいと応援するだけです。

ブラック特許事務所の類型は昔と変わってきている

このブログでは一番最初の時期に、ブラック特許事務所について
数多く記事にしてきましたが、あれからだいぶ時がたってきました。
結構業界の待遇水準も収れんしてきて、高給なら激務、
比較的楽なら給料も安めみたいな感じで、穴場感的な
仕事というのは減ってきたように思います。

例えば特許の仕事と言えば明細書書いてナンボ、
というのは昔はすごく思われていましたが、
今は外国できないとダメでしょ、みたいな部分があります。
みんな外国案件やるようになって、外国屋の一昔前みたいな
羽振りの良さはかなり減ってきたように思います。

外内業務を持っている事務所が大きく稼いでいる時代も
ありましたが、今はどこも積極的にやりますので、
外内業務は取り合いになり、単価率もじりじりと下がっています。

言うまでもなく商標業務の単価は大きく下がってきました。
一昔前の商標屋はぼろ儲けだったようですが、
今は新興勢力に押されて競争が一番激しい分野です。

単価が収れん化する一方で働き方も割と似通ってきました。
フレックスや裁量労働制はかなり広まりました。
そんな時代のブラック特許事務所というのは
どんなとこでしょうか。

月並みですが、上司の指導能力に左右されます。
ただまあ育てては逃げられてきたような特許事務所は
もうすっかり衰退しているように思います。
そういう特許事務所ではもう求人はしていないなあと
そんな感じを受けます。

事務所ごとに具体的にというなら、内部情報を探るのが
一番早いです。例えば例の特許事務所なら解散することもあり、
内部の人たちは快く多くのことを、実に楽しそうに語ってくれます。
割と内部の情報は漏れます。

そうでなくても、何となく公開情報からピンとくること
もあるのですよね。
あれここ実力以上に華やかに盛ってる感じだと
ちょっと不安要素はあります。
逆に、今の時代かなり地味にしているのに存続できていて、
求人ができているというのは貴重な気もするのですよね。

自分としてはこういう情報の見方をするのですが、
どういう情報の見方をするのかは人それぞれです。
華やかさより実質を見る時代になってきたのかなあと思います。

特許事務所の独立後5年目というのも困難さがある

独立してから5年目にもなると世間の人は軌道に乗ったねとか、
うまいことやってるなあとかそういう感想をもたれること
が多くなるのですが、実際のところ、独立当初に
なんとなくこれでやってみるか、と思っていたことのほころびが
いくつも出てくる時期であり、「まともに仕事をする」
ことを継続することの困難さがいろいろと露見していきます。

ブログ記事1つ取っても、独立前後に安直に書いた記事によって
人に迷惑をかけることも増えました。
特に最初は匿名だったので、ちょっと気が大きくなっていた面
もあると思います。これくらいいいだろうと安易にやっているうちに、
知られていない頃はよかったのですが、
そうこうしていくうちになんだか知名度も上がり、
迷惑をかけることを放置すると、いろんな弊害が露見してきます。

ネットで有名になるというのは裏腹にいろんな危険がつきまといます。
まあ実際にはもっと別の問題もあったりしますが、
その辺はまあ、色々です。無難な話を遠まわしに書くことにしました。

そうは言っても儲かってるんでしょう?とか言われますが、
弊所に関しては儲かっていません。私は小銭を追いがちな傾向にある一方、
維持費などもかかってきますので、うーん、こんなもんかあと
悩み続ける日々です。

まあそれでも独立できていいじゃん、自由で。という声も確かにあるのですが、
仕事とプライベートの境界線が薄くなり、まあなによりも守ってくれる人が
いなくなります。思わぬ騙し方をしてくる人が出てきたりします。
会社であり、組織というのはなんだかんだで人をある程度は守ってくれます。

会社というのは経営的な切り盛りをする人と、実務をやる人で分担するのが
一番うまくいく印象です。ただし2人で分けてやるものですから、
信頼関係も必要ですし、人が多くなれば多くなるほど組織の遠心力は
大きくなります。しかし1人でやるのもまた問題があります。

あまり具体的なことを書くのも問題が起こることが多いので、
まあとにかく大変なんだなあと同情してもらえればそれでありがたいです。

先日のブログ記事についてお詫び

お気づきのように、いくつかブログ記事を削除いたしましたが、
ブログ記事により、大変ご迷惑をおかけした方が
いらっしゃったことから、記事を削除するとともに、
ここでお詫びを申し上げたいと思います。

私は、もちろん知人から、この話は秘密だからと言われたことは
誰にも話しませんし、話さないことをブログに上げることはありません。

しかしながら、飲み会をして普通に出てきた話は
別の飲み会で誰かに話したりしますし、
LINEグループ内で噂話として話が展開することは
世の中普通にあり得ることだと思います。

しかしそれをブログに上げてしまったらどうでしょう、
というのが今回起こってしまったことです。

そのことにつき、心情を察することができず、お気持ちを害してしまい、

申し訳なく思っております。

正直自分は平凡なその他大勢の弁理士として友達と

「聞いて」「聞いて」といって尽きぬ会話を展開したりします。
そのノリでブログ記事をついあげてしまうことがあります。
聞いて楽しい話はブログでもきっと楽しいだろうからです。

ただこのブログも既にアクセス数がかなりの数にのぼり、
googleからの評価も高く、特に固有名詞を上げた日には、
もう次の日には検索エンジンに引っかかってしまいます。
そんな与太話が直ちに検索されて引っかかってしまうと
さてどうなるだろう、という話です。

秘密か秘密でないか、というのはある程度気も付けると思うのですが
公然と開示された噂話を、どの辺まで開示してよいか、
というのは別の次元の話でもあります。

その辺不注意にならないよう、ある程度下書きして見直してから、
記事を書くようにすることがほとんどなのですが、
長年ブログ記事を書いていると、どうも友人に話すノリで、
不注意に記事にしてしまうことがあるようで、
そこは今回とても反省しています。

インターネットの時代の情報の拡散については
新たな常識という面もあり、気を付けていきたいと思います。