弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士と学歴

弁理士試験関係の結果が着々と出てくるにつれ、
特許庁からは弁理士試験統計が出されます。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/benrishi/benrishi2/h25_benrisitoukei.htm

ここからはいろんな興味深いデータが出てくるのですが、
その中でもあえて学歴に関するデータを出してきています。
そして少なくともここ10年、弁理士試験合格者を最も輩出する
大学は東京大学で、次が京都大学です。これはずっと変わりません。
そして、その後も名だたる大学名が連なっています。

その割に業界的に東大出身の人ってそんなには見かけないような気がします。
東大院卒でも学部は違ったりとか。私は関東にいるので、
京大卒は、まああんまり見かけなくてもおかしくはないですけど。
その他もいわゆる超名門校というくくりと言う感じでもなく、
弁理士受験統計の上位大卒の人が多数派を占めている感じはしません。
まあもちろん一般社会よりは東大卒の人に会う率は高いですけど。

なんとなく受けるだけ受けて、受かっておしまいで登録まで行かない人も
多いんじゃないかという邪推をしています。一応は理系最難関資格ですから。
そういうのに挑みたい人も多いんじゃないでしょうか。
あと、修士卒は選択科目免除になってるのが大きいです。
あとは産業財産権法だけでいいですから。
修士卒は、上位大になるほど比率は多くなります。
弁理士試験統計にはそんなからくりがあるような気がします。

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ただ、昔からこの比率だったわけでなく、その昔は
東大卒なんて多くなかったんですね。超マイナー資格でしたから。
それこそ東大まで出てなぜ?という世界です。
今は東大まで出ても展望が直ちに開けるわけでもないですから、
こういう方向に活路を見出しますね。

昔は、早稲田大、中央大、日本大が多かったと聞きます。
この三大学から何を想像するかというと、会派です。
早大は稲門会を組織し、今に至ります。稲門会は今も早稲田のみです。
中大からなるのが南甲弁理士クラブです。
日大からなるのが同友会です。
南甲と同友会は、今は出身大学を問わないとしています。
もともとは出身大学ごとのまとまりで集団ができてたんですね。

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昔はそうだったのになぜ今はそうではないか、というのは
おそらく理系中心の世界だからだと思います。
理系の人間は出身大学をあまり重視しない傾向ですね。
そして昔の弁理士は文系中心の世界でした。
それが理系中心になっていくにつれて、
「大学なんてどうでもよくね?」になっていったんだと思います。

大体あの慶応大学が学閥会派を作っていません。
慶応卒の文系弁理士が少ないんでしょうね。
理系中心の世界であることを知ってまで文系で入っていこうという
そういうカルチャーの大学ではないような気がします。
早稲田は依然として会派を学閥で縛っていますね。
ただあれは校友会の関係ではないかなという感じです。
大学の施設とか使うから仕方なくというか、
逆に弁理士会館を使うときはこだわっていない風に見えます。

さて、学歴がどうこうというときに気になるのは、
自分は何々大学だから採用されるか?という点でしょう。
高専卒まではOKみたいな条件にしている特許事務所もあるので、
とくに学歴を気にしない理系の世界と言うのもあって、
そこまでのこだわりはないのかなというのが一点。
でもそれは経験者の場合であって、未経験の場合は、
今は有名大卒の人がそれなりに応募してくるから、
相対的に下になってしまう可能性が高いですね。

企画開発能力ではなくて、事務処理能力が試される世界です。
ペーパーテストの突破能力との相関性は高いかもしれません。
だからこそ、弁理士試験という国家資格によって
お墨付きを与えているという側面もあるでしょう。

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そして見落としがちなのが、結構特許事務の方々高学歴です。
上智とかICUとか明治とか、その辺は割と普通にいたりします。
それとの比較で先生と言われる側が下だと、
というのはあるかもしれません。
学歴なんて関係はないんですが、いざ突きつけられてしまうと、
どう思うかな、というのはちょっとあるかもしれません。