独立後の特許事務所の名前は自分の名前にしたほうが良い理由
弁理士として特許事務所を独立開業することを考えてから、
もうだいぶ時間がたってしまったのだなあと思うのですが、
当時自分は、今はやりの抽象名称を事務所名に
しようと思っていました。
事務所名は一度決めてしまったら、そこから変えること自体は
難しくないですが、色々面倒なので結局そのままになります。
なのでじっくり考えたほうが良いです。
以前書いた記事では、外人受けのような部分を重視したような
ことを書いたのですが、国内的にも理由はあります。
事務所名と自分の名前を書いたときに、同一であることが
認識されやすくなるのですね。
これが抽象名称の場合、「代表弁理士」「所長弁理士」
であることを強調しないといけません。
詳しいことは省略しますが、決済関連で面倒が少し減った
ということもあります。
あと、事務所のスタッフが大人数でもないのに、
「代表弁理士」「所長弁理士」と書くのはどうも気が引けるのですね。
自分がいて、その自分がいる事務所ではないのかなと思うのです。
まあ抽象名称にしたがるのは、自分の名前を前面に出すことの
気恥ずかしさと言うのがあると思います。
ただ、それだと集客上困りますよね。
情報が十分に開示されていない相手に仕事は発注しにくいです。
あとなんか大手事務所に対するコンプレックスのようなものも
見受けられます。ただ個人事務所は大手とは違った業態、
業務の受け方になりますので、そこを無理に寄せようとすると、
強みが逆に隠されて、アピール力が落ちる気がします。
そもそもなんで抽象名称が出てきたかと言うと、
最初の事例は協和特許事務所です。
大まかにいうと、特定の所長の強権性ではない、
共同的に経営される特許事務所であることを
明文化する形でなずけられたように理解しています。
要するに抽象名称化ってのは、個の名前を消すためにつけてるんです。
そう思ってみると、抽象名称の特許事務所名って何言いたいか
分からないものが多いですよね。
「すぐやる特許事務所」とか「格安特許事務所」というのは
出てきそうにないです。
一方で独立したての特許事務所ってのは
個を前面に押し出して仕事をとる訳ですよね。
それってのは規模のある特許事務所にはできないことなのです。
他に個性を強調できるような表現があればいいでしょうけど、
そういうものも特に見当たらないので、
個性の象徴である個人名を掲げた方がいろいろやりやすい
のではないかなとそんな風に思っております。