弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

特許事務所での作業中の声かけ・中断

特許事務所の業務は、特に明細書を書いていたり翻訳をしている、
書類チェックをするなど、1つのことを集中してやっている
ことが多くなります。

そんな作業中に声をかけられた場合、どう対応するか問題があります。
自分はまあ作業中に声かけられても直ちに中断して平気派です。
ただしそんな人はどうやら少数派らしく、多くの人たちは、
今これやってるから後で、で済めばよい方で、今声かけんな!!
と怒る人までいる始末ではあります。

今の状況だとお客様からの電話対応はこちらで行い、
どんな作業をしていてもその場で中断なので、
「集中しているから後で」というのは通用しません。
少なくとも独立は、こういう気質の人には向いていないでしょう。

まあそれでも性格的に穏やかな人であれば、「ごめん、後でね」
となりますが、時々異常にピリピリしている人がいますよね。
この時間帯には絶対に声をかけるな、と申していた同僚も過去にはいます。
大勢はその中間位の事が多いかなあという気がします。
ただ全般的にコミュ力微妙な人が多い特許事務所では、
その辺も含めて対応の可否について、個別具体的に判断に
迷う事例を皆さんお目にかかっているのではないかと思います。

まあ結局観察力ということになるのですけどね。
しかしこの察しろというのもなかなか難しかったりします。

2018年弁理士試験の口述試験を含めた全日程が終わる

口述試験を受験の方々は本当にお疲れ様でした。
春から駆け抜けた方は、8月頃小休止したりもあったと思いますが、
基本的には長丁場がようやくここで終わりになりました。

試験問題はあまり追っていないのですが、今年はパネル問題が
多めだったとの噂話を見ました。特段意地悪されたという話も
特に聞いてはいないのですが、3科目とも楽勝で通過、
ということは基本的にはない試験であると思っています。
そういう人ほど蓋をあけるとまさかの結果になってたりします。

口述試験については一体何のための試験だとか、公平性が
筆記試験に比べて疑わしいとかいろんな話がされて久しいです。
ここ数年は一時期のような得体のしれない難しさは影を潜めていますが、
やるなら今年も公平かつ平穏に終わってほしいという感想です。

どうしてもやるなら基本条文の暗唱と青本のキーワード解答、
というベーシックなスタイルを踏襲してほしいと思うのですね。
筆記と異なり、基本的にできるだけ通そうという試験ですので、
あまりトリッキーなことをしてほしくないなあという感想です。

あの試験はまあ言っちゃあ何ですが、勉強してもできるように
ならない試験ですので、そこで何か試すというのは、
法文の理解を試す方向性にはならないと思うのです。
口述試験で引っかかるのは、前にも書きましたが、
試験官と話が食い違うというパターンです。
質問意図が伝わらない、くみ取れない結果、試験に落ちる、
というのが一番多いように思います。

もう出会いがしらですし、試験官がその時たまたま不慣れでも
それでその科目は落とします。という観点に立った時に、
パネル問題みたいのを出すのは、一体何がしたいのか
非常に疑問を抱かせます。ひと頃みたいな人数調整的な
ことやってなければいいのですけどね。

ネガティブなことばかり書きましたが、気候のいい季節ですし、
合格発表まで晴れやかに過ごしてもらえればなあと思います。

弁理士資格の価値と断るということ

弁理士資格の価値はどこにあるかは議論に上りますが、
このブログでは結局独立開業して自分の名前で
受任して初めて価値が出るもの的な話をしました。

それはさておき、弁理士の収入=受任単価について、
どうしたら上げることができるのかという議論もあります。
これについては端的にいうと、仕事を断ること
によって上げることができます。
弁理士の価値は仕事を断ることにあるのです。

どんな商売でもそうですが、お客さんが好き好んで
高い金額を出してくることはありません。
8000円のものを7000円で売ってないかな、
と思う人はいくらでもいますが、わざわざ1万円
出す人はほとんどいないのです。
単価を上げるには、「これは1万円です」と言って、
そして「高い」と言って来たら、「あなたには売ってないよ」
と言ってあげることで初めて価格の優位性が出るのです。

一番端的に出る価格について説明しましたが、
価格に限った話ではないのです。
気に入らない客は断ってよいのです。
気に入らない客を断れるように、
集客を頑張らなければなりません。

自分の能力、実績を周知し、知名度を上げて色んな人からの
アクセスを上げる。その中から依頼が発生してきます。
その依頼の中から不都合なものを断る。
その中で自分の仕事の価値は高まっていくのです。

中には横柄な方や、下請け扱いする人も出るでしょう。
そういう人にはあなたは誰に話をしていると伝えるべきです。
弁理士が「先生」であるというのはそういうことなのです。
あなたなんて相手しなくても良いのだよ、というのが先生です。

まあほとんどの仕事上の相手に対して先生呼びを求めることは
ないのですが、先生に対する敬意を持たない相手には
それ相応の応対を致します。
まあ「先生」というのは慣れないのですが、
そういう立ち位置に立つことは時に必要なことがあります。
ただの勤め人で斬った張ったをやらない方には
この辺分からない感覚だと思いますが、
そういう感覚は必要かなと思うことはあります。

明細書英語翻訳15%オフキャンペーンのメール

まあ営業電話や営業メールの類は時々ですが入ってきます。
そんな中、明細書英語翻訳15%オフキャンペーンのご案内
という案内が入ってきました。
読んでの通り、翻訳会社からの営業メールです。

これ読んで思ったのはまずいくらからいくらに下げてるのか、
ということと、そこを前面に出さずに15%オフというのは
何か騙そうとしていないか、という感想です。
何か前にも30%オフですとか言うメールが来ました。
料金をよく聞いたら、30%オフ後でも標準レートより
高いという状況だったので何事かと返事しました。

こういう風に書いての立場に立った時はあまり魅力的に
映らないキャンペーンなのですが、自分で宣伝を打つときは、
30%オフですとか言う方が魅力的に映るのではないか、
という焦りが出てきてしまうのですね。

価格競争をする場合、お客様は、いくらになるのか、
と言うことを明確に意識して探して回るのですが、
広告打つ側からすると、少しでも魅力的な美辞麗句を
並べたてないと、競争相手に行ってしまうのではないか、
という焦りが多少なりとも出てくるのですね。
そうではないよ、ということを念頭に置きたいなあと思います。

弁理士試験の口述試験で午前の部は貧乏くじ

さて、弁理士試験も論文試験の合格発表が終わり、
合格者はいよいよ口述試験に移行いたします。
格通知と共に口述試験の日時が指定されたものと思われます。

口述試験の特徴は、筆記試験と異なり、全ての受験生が
同じ日時に受ける訳ではないという点です。
同じ問題を違う時間に受けることがあるので、秘密管理
と言う観点が、筆記試験に比べて重要になります。

日付が異なるのに同じ問題は当然出せないので、
異なる日には異なる問題が出題されます。
問題は同じ日の問題ですが、少し前は、午前と午後で
違う問題が出ていました。
例えば試験が7日間にわたり、午前と午後で問題が異なるので、
14種類のバリエーションの問題が出題されていた時期があります。

ただし、問題による有利不利のようなことが言われるように
なりましたので、今はできるだけ日数を縮めた上で、
午前午後を共通の問題にしています。
2日間とすると、問題は2問になります。

午前午後を共通にすると、秘密管理の問題が出てきます。
要するに午後の受験生が集合して拘束完了した段階で、
午前の部の受験生は解放となる訳です。
なので、午前の1番とか2番の受験生は
終わった後手持ち無沙汰になります。

ある受験生が「他の人と話してよいですか」
と聞いたところ、「ダメです」と帰ってきました。
試験前でもないので条文を見る意味もありません。
正誤判断なんてやりたくもありません。
でもなぜか、手持ち無沙汰すぎて条文を読んでいる
受験生もいたりします。
ただただ、外の東京タワーを見ながら、
時間が過ぎるのを待つだけです。
しーんとした中無言の気まずい集団が、
密室の中、同じ方向を見て座っています。
この時間は永遠のように思われます。

まあ試験の後なのでどうでもいいと言えばそれまでなのですが、
午前は朝の通勤ラッシュと重なるので、電車が混みます。
試験会場に泊まる他、タクシーを使う等の手当てを
考える人もいます。
後はまあ基本的に最初の2-3人は試験委員が慣れていません。
出来がボロボロならむしろボロが隠れるというメリットがありますが、
万全の状態で臨んでもそんなもんかと思われてしまいます。
まあ正直午後の部の方が何かとお得だよなあと思います。

それでも試験そのものに有利不利が出る訳ではないはずなので、
まあ一喜一憂ネタの1つと言う感じです。