弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

元々技術系でない人が明細書作成担当者になるには

昔ならとりあえず採用してお前明細書書いてみろ、
ってのが多くの特許事務所でありましたが、
今は入口が絞られてある程度難しくなっています。

技術がわからないなら商標、というのは
昔なら通用していましたが、今は商標担当
というのもなかなか採用してもらえません。

明細書を書かせてもらえない経歴の人が
技術担当になるルートはないのでしょうか。
というときに実は2つのルートがあって、
1つは翻訳担当者、1つは図面担当者からの
転身というルートが割と以前からありました。

翻訳者については、翻訳単価の急減に伴い、
技術者への転身がかなり見られます。
あと、図面もある程度発明の内容を
理解して表現というのが求められるように
なってくるので、そこをつかめるようになっていく
人は特許技術者になっていく人もいます。

まあ逆に言えば、翻訳者、図面担当者ルートで
特許技術者、そして技術担当弁理士に転身
していくというルートがある訳です。

自分は文系です、そして英語もできません、
というケースで弁理士試験に受かりました。。。
というときに、商標担当を目指すのって
もう全然先が見えない感じがするのですよ。
そんな中で、上記2ルートを経由して
自分は商標でなく特許に行きます、
という方向の方が有望な感じはします。

もちろん大手ではないですよ。
大手は分業制なので、ステップアップなど
させてはもらえません。
どっかの零細特許事務所に潜り込んで、
多少理不尽なこと言われても我慢して
ついて行って、のような徒弟制度を
受け入れようとするなら、まだそんな
受け口は多少は残っているでしょう。

昔の知人で、図面担当→パチンコ特許、
というステップを踏んで年収1000万円以上を
弁理士資格なしで稼いでいた人がいました。
パチンコ関係なら技術の理解力は
問われないですよね。
まあ相当ボリュームは求められますから、
別のスキルは必要になってきます。
最終的には普通の技術特許も書いてましたが。

となると最初に覚えるのはCADで図面、
ということになりますね。
そういうステップを踏む人というのは
実はごく少数なのでしょうか。
外内の翻訳から入るケースは割と多いですけどね。

受かった後の身の振り方を全く考えていないまま
試験のことだけ考える人の方が多いと思いますが、
そういう先も見据えて身の振り方を考える
ということも大事なのでしょう。