弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士試験の講座もこれからはオンラインシフトが進んでいくのか

新型コロナウイルスが蔓延している中、まだまだ外出ははばかられながらも
弁理士試験の日程は延期はされましたが着々と迫ってきています。
さてそんな中弁理士試験を受けるには何をしたらよいか、となると、
どこかの講座に通うのが王道であり、現在はLECが最も主流、
という傾向が見て取れます。

その一方でいろんな学習環境において、現在はオンライン講座
というものが増えてきております。非常に安い価格で講座を
受講することができ、しかも受講の時間帯もフレキシブルです。

忙しく、お金の余裕なども考えると、非常に魅力的です。
例えば英会話なんかではかなり普及してきていますし、
オンライン学習塾、オンラインビジネススクール
確認しているだけでもこの辺ですでに普及してきているように思います。

さてそんな中、弁理士試験も資格スクエアなどオンライン講座が
増えてきているように思います。

私は講座に通う中で勉強をしてきた世代なので、この辺の動きは
あまりピンとは来ないのですが、仕事の後眠い中で講義を聞くよりは、
ある程度家で疲れを取りつつ勉強するほうが効率的な気はします。
往復の移動時間もありますし、特に初学者だと本当に合格までたどり
つくのかという不安がありながらの勉強開始になりますので、
そこまでお金を使うのに躊躇がある面があります。

そういう人は以前は独学で開始したものであり、
私も独学だったのですが、新たな選択肢が出てきたようです。
独学は効率が悪いので、比較的安価に教わる環境があるなら
それは有力な選択肢かもしれない気がします。

先日受験し始めの人たちとの懇親会をZOOMでやったところ、
時間とお金がない・・・という中、非常に魅力的な選択肢として
映っていたようであり、もうそういう時代かあと思いました。

もっとも今はLECに通うのが圧倒的主流であり、まだまだ、
と思うかもしれませんが、代々木塾が分裂した当初、
代々木塾とプログレッジとどちらが生き残るのかと
言われており、LECの台頭は正直言ってまさかという状況でした。
またTACにしても弁理士試験とは関係ない時代でした。

世の中の動きというのはあるタイミングで一気に変わります。
そもそも代々木塾以前はダルニーが業界の主流であり、
世の中というのは常に変遷していくものです。

そういう時代なので、私も動画で勉強したり、
大分おろそかになったyoutube動画を撮ったり、ということも
必要かもしれないなあなんてことを思っています。

これからの動きは分かりませんが、世の中の傾向と合わせて、
こちらも見ていきたいなあと思っています。

新型コロナウィルスの世界で不況入りし、待遇低下が予想される特許事務所

新型コロナウイルスの新規感染者がある程度減り、
またテレワークもある程度定着しつつあります。
特許事務所の仕事はある程度自宅でもできてしまうことから、
目下の心配は、景気が悪くなって依頼が入ってこなくなるのではないか、
という観点ではないでしょうか。
現在、依頼自体はそんなに減っていないという声を聞きます。

「今は大丈夫だけどこれからが不安だよね」というのが今の
景気の動向の挨拶の時に出てくる言葉なのですが、
結局今後の景気の動向が心配なわけです。

最終的には不景気入りする公算が高いように思えます。
企業の製品の売り上げが下がれば、知財予算も下げられるわけで、
1年くらいのタイムラグを置いて知財業界の不景気が来る、
という見込みが立てられます、リーマンショックのときもそうでした。

そうなると業績悪化、そして解雇なども考えられる状況になってきます。
そんな中、特許事務所というのはリーマンショック以前には比較的
景気の変動を受けづらく、リーマンショックのときにも
他業界よりはましで、かつタイムラグがありました。

好景気の時期には全く魅力がなかった我が業界なのですが、
こうして不況が来るとがぜん魅力が増してきて、人気が出てくるのです。
知財バブル時代というのはそんな時期でした。
しかしながら仕事としては業界全体で減りつつありますので、
競争は激化していくことになりますね。
仕事を取ってくるのが偉いということになりますので、
そこにぶら下がるスタッフである弁理士や特許技術者にとっても
受難の時代になります。

レベルの高い明細書を作成できる人には影響がないでしょうが、
多分業界全体としては、可もなく不可もないものを書く人が
一番多いのではないでしょうか。そして量産型大手特許事務所
というところはそういう人材をかなり抱え込んでおります。

自分は大丈夫とイキる人は色んな界隈に出てきそうですが、
平平凡凡な業界人にとっては冬の時代が来ると言っても過言ではありません。
通常であれば我が業界を選択しないような人材がこの業界に入り、
しかし仕事の総量は減りますので、はじき出される人材が出てくるのですね。
クライアントからの要求は再び厳しくなりますし、
担当者指名も厳格化するでしょう。
単価の切り下げ要求は増えてくるでしょうから、給料も下がると思います。
この業界の宿命として、人気が出ると待遇が下がるというものがあります。

まあ切磋琢磨して、そういうものの影響を受けないくらいの
ハイレベルな実務家になるように励まないといけないですね。
この仕事は仕事ができるようになってから先が長いのです。

令和2年度弁理士試験短答式試験は、9月20日

令和2年度弁理士試験の実施日程について(令和2年6月1日付)

www.jpo.go.jp


短答式筆記試験: 令和2年9月20日(日曜日)
論文式筆記試験(必須科目): 追って公表(令和2年11月上中旬を予定)
論文式筆記試験(選択科目): 追って公表(令和2年11月下旬~12月上旬を予定)
口述試験: 追って公表(令和3年2月中旬~3月上旬を予定)


ということのようです。一応ですが試験日程が固まって、
今年の受験生は少し安心したのではないでしょうか。
例年の論文合格発表の時期に短答式試験ということで
少し調子は狂いますが、頑張るだけですね。

 

 

知財業界未経験者と弁理士等のZOOM交流会の案内

 

こういうツイートをしたところ、どうやら業界未経験者には
ここは魔界のように見えるようであったので、
飲み会だとちょっと大掛かりな感じがするのですが、
ZOOM飲み会ならちょうどいい感じに開催できるかなと思いまして、

6/4(木)20:00より、知財業界未経験者と弁理士等のZOOM交流会
を開催することにいたしました。

1)知財業界未経験者、と言うのは広義の意味でして、
・主に業界外の弁理士試験受験生を想定していますが、
・業界外で弁理士試験に受かった方、
・業界内にはいるけど、正直この業界分からんと言う方

等を含めて色んな方を想定しています。

2)弁理士等というのは、
・すでに実務をやっている弁理士
・同、弁理士有資格者
・ベテラン特許技術者

等です。

まあ、業界よく分からんと言う人に、ある程度知ってる人が
教えてあげる的な緩い意味合いで参加者を募ります。

逆に弁理士等といっても何でも知ってるわけではないので、
色んな気付きを得られるように、ちょっとした情報交換会
的な感じになると良いなと思っています。

活躍と言ってしまうとハードル上がってしまう印象ですが、
弁理士試験に受かって人生いい方に行ったなという方の話も
受験生には励みになるのではないかと思います。


と言う訳で、今回は参加資格は特に設けないのですが、
・管理の都合上、ツイッターアカウントからDMで参加申し込みしてください。
・プラットフォームはZOOMとしますので、アカウントを作ってください。

それでは参加申し込みをお待ちしております。

未経験者が特許事務所で特許明細書を書く場合に何が大変なのか

何が大変なのかシリーズとして次は出願書類の作成に行きます。
特許事務所に採用されて最初は何を与えられるかはまちまちですが、
いきなり明細書を書かされるケースも多いと思います。
又は中間処理から始まることもあるでしょう。
手取り足取り教えている手間なんてまわりにはありませんから
案件与えられて、その都度質問するなんて感じにになります。
ですので、出だしの勘所くらいはある程度分からないと苦労します。

いずれにしてもまず明細書を読んでみろと言うところから始まります。
最初に書いてあるのは特許請求の範囲です。
内容的に分かりやすい物なら読んでわかりますが、多くの場合は、
抽象的に書かれているのでわかりません。
分からないので次に行きます。

発明の名称。これで概要が分かるかと期待をするのですが、
「情報処理装置」とかだと何も言ってないに等しいです。落胆します。
技術分野。これも同様です。当たり前のことしか言っていません。
そして背景技術に入りますが、ここで袋小路に入ります。
背景技術は2種類あります。長々と前提を書かれたものとあっさり書かれたものです。
いずれにしてもよく分かりません。長ければ長いで分かりませんし、
短ければ短いで何を言いたいかわかりません。
そして特許文献の説明に絡められると、本発明とどう関係するのかわからず混乱します。

技術者の明細書チェックなんかも発明が解決しようとする課題までで
力つきているケースが多いのではないでしょうか。
明細書は読むべき順番が上から順ではないので、慣れないと読むのが難しいです。
そして数たくさん読んでパターンを認識してようやくかけるようになると思うのですが、
特許事務所に入所するととりあえず書けみたいになってしまい、
困ってしまうことが多いのではないでしょうか。

この仕事「慣れればわかる」「慣れればなんてことない」という部分を
言語化されていないので、文章を構造的に把握する能力が
最初からあれば割とすんなり行けると思いますし、自分で明細書を書いてしまう
技術者も結構いたりします。
しかし、明細書の構造面と文章構成に馴染めず、読むこと自体困難だと
当然書くこともできませんので、明細書の読み込みから最初に入るべき
なのかなあという気がします。

冒頭の話題で何が大変かに戻りますが、やっぱりこの仕事最初が大変
という感じがします。だからこそ、経験者優遇だと思うのですよね。
特許事務所によってはその辺ノウハウ化されてても良いと思いますが、
まあ経験者優遇になっているのをみても、ノウハウ化はされていないのでしょう。
ただ、年数多くやっている方が有利ということも特に感じませんので、
地頭が強い人間が最終的には稼げるようになっていっている
という印象はあります。ともあれ大変なのはとっかかりですね。
とっかかりはまず読み込むところから始めるのが良いように思います。