弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

転職の失敗と弁理士会の活動

弁理士会の活動について、あまり余計な仕事を押し付けられる
のは面倒だから係り合いたくない、という人が、
たぶん昔に比べて比率的には多いのだと思います。
自分はというと、一応そういう活動はするように
しているのですが、そのメリットってのはなんなのか?
ってのを少しまとめてみました。

まずこの2つの活動をそれぞれ面倒そうなもの、
といっしょくたにする傾向があると思いますが、
そしてそれはそんなに外れてはいないのですが、
多少は毛色が違うところがあります。

会派というのは派閥と言い換えてしまう人が多いのですが、
今回のような選挙活動の母体となる組織なので、
その意味では遠くはないですが、党派というのが
近いような気はします。

なので、できるだけ組織を大きくしたい、という
のが各会派の本音であるので、新参者は最初は
お客さん扱いです。そこが特徴的であるとともに、
あまり認識されていないとこだと思います。
合格祝賀会なんてのも、そのお客さんを呼ぶための
活動なのですから、入会したとたんに手足のように
使われる、という想像は多分違うと思います。
お客さん扱いというのは、いろんなイベントに
安い会費で参加できたりとかそういうことです。

ではその負担はだれが負うかというと、
会派の中で偉い人になっていくと作業負担が
増してきたり、会費負担が大きくなってきたりします。
そういうのと引き換えに会派の中で出世をして、
偉い役職になっていくという仕組みになります。
そういうのを希望しないのであれば、
会派の中ではずっとお客さんのままです。
なので、変に敬遠するのは食わず嫌いではないか
とそんな気がします。

弁理士会というのは、そういう意味では
単純に雑務を押し付けられる集まりですし、
会合も月に1回日中に集まれというのですから、
嫌だというのもそれは分からなくもないです。
参加するなら、面倒の少ない委員会を選んで、
ということになりますし、そういう活動に
理解のある職場でないといけないことになります。
自分は今は事務所を自分でやってますし、
前職も特にそれについて何か言う感じでもなかったので、
多くなり過ぎない範囲でなんとなくやっています。

まあ弁理士会の肩書を使って何かできないか、
的なことも少しは試みましたが、そういうのは
もうとにかく面倒なことにしたがる人が
うようよいるので、あまりお勧めしません。
とにかく思うのは、弁理士会として、会員の仕事を
増やすため何かできないか、などという試みは、
両陣営何か言ってますが、彼らがやる限り
どちらも無理な感じがします。

じゃあメリットは何かというと、横のつながりが
できるというのが一番大きいのかなと思います。
横のつながりって何というと、親しい人から
いろんな情報が流れてきたりということになります。
どんな情報かっていうと、自分は独立してからの
営業活動に役立つ話はないかと期待したのですが、
そういうのは全然なかったです。

個人的には、転職に役立つ情報が多いように思いました。
1つは引き抜き。雑務を共にやる仲間だから、
どんなふうに仕事をやるかの推測が働きやすいのですね。
もちろん人柄や性格面での相性なども。
そこで気脈の通じた人を引き抜いてくるとか、
逆に呼ばれていくとか、そんな話はよく見かける気がします。

引き抜きでないにしても、いろんな特許事務所に勤める
人と親しくなるから、大体の内情を聞くことができます。
自分は、もう転職することもないのに、都内のほとんどの
特許事務所についてなんとなく状況を聞いています。

そういう横のつながりを頼りに転職している人は、
そんなに大きな失敗をしている話は聞かないですし、
ある程度キャリアを積んで年齢が上がったら、
そういうものを頼りに移動するのが本来あるべき姿か、
という風に思います。

転職ってのは大きな転機だと思うのですが、
ネットで見かける耳触りのよい情報をなんとなく
鵜呑みにして、なんとなく転職失敗している人が
多いように自分は思います。
良くない特許事務所の情報ってのは、
それなりに業界内に流れますので、そういう情報を
ある程度つかんでおくってのは大事なことだと思うのですが、
みなさん、突発的に転職を思い立ち、突発的に変な転職をして、
簡単に後悔する傾向があるような気がします。
情報収集って大事だと思うのですが、どうなんでしょうね。

ま、委員会の活動をダメと言う特許事務所の時点で、
もうどんなとこか推して知るべしという気はしますが。

弁理士試験の口述試験まであと10日の時点でやること

やっぱり今の時勢に沿った記事を書いたほうがよいのかな
ということで、弁理士試験、口述試験の話を書きます。
もしかしたら過去記事にも重複がありそうな気もしますが、
何かいたか忘れてしまいましたし、読む人も覚えてないでしょう。
なのでそんなことお構いなしに書きます。
試験もあと10日程度ですね。

口述試験の勉強については、通常は勉強がかなり進んで
いる人と遅れている人とではやることが違ってくるのですが、
この直前期になるとやることに違いが小さくなってきます。
勉強が進んでいる人は、「念のため」に確率は高くないけれど
一応つぶしておく、という部分を幅広く網羅します。
が、直前期になると、基本的なものをもう一度つぶしなおす、
という勉強に戻ってきます。
では勉強が進んでいない人はどうかというと、
まず基本的なものから順につぶしていかなければなりません。
その意味でやる内容の面でも同じような感じになります。

さてじゃあ今の時期にやるべき勉強というのは何かというと、
過去問ということになります。口述試験は、短答、論文、
と比較しても過去問をつぶすことの重要性は、
非常に高いと思うのですが、口述過去問集は、
短答論文と比べて手に入りにくいような気がします。
確かLEC、TACが出しているはずなので、
それを入手してひたすらやるということになります。
口述試験は過去問の問題がそのまんま出ることが
結構多いのです。これができなくて落ちると
非常に悲しいので、それだけは何とかします。
何年分やるかはその人次第ですね。

口述試験を受けることが決まってから死ぬほど勉強した、
という体験談を案外聞いたりしますが、
どの辺までできるかはその人次第です。
無茶できる人、できない人いますね。
ある程度スケジューリングして、そこまではやる
ということになります。まあ過去問数年分、というのが
大体の目安ということになるのかなと。
この3連休にある程度は勉強したはずなので、
残り10日間でどれくらいできるかわかっているはずです。

そして、今週は会派の口述模試が今週から来週に
かけて続いて開催されます。全部出てしまっても
よいのでしょうけど。時間がなかったら2回くらいですね。
虎ノ門まで行って帰ってくるだけでも
時間とられるのですよ。インプットが遅れていたら
インプットの方を優先すべきです。
場馴れなんてしてなくても、知ってること聞かれれば
大体答えられるもんです。知らないことは
どんな考えても出てこないですからね。

もう残り時間でできることはどんな頑張っても
限られるので、やっぱ過去問対策かなあと思います。
もうあと踏ん張りというそんな時期です。

平成28年度弁理士試験論文合格者統計

平成28年度弁理士試験の論文試験合格者の統計が出ました。
http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h28toukei/index.html
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h28_benrisitoukei/h28_ronbun_goukakusha.pdf

人数的には減ったままですが、多少人数の揺り戻しが来たのが
今年の特徴です。受験回数の多い人の合格数が増えてますね。
年齢的にはなぜか50代の数が増えています。
大学別だと東大、東北大の数が突出して増えて、
阪大、早稲田、慶応が減っています。
東北大の急増は何があったかってレベルです。

傾向の継続という点では、会社員の合格者がさらに増え、
特許事務所員の倍近くまでなってきました。
昔は特許事務所員のほうがはるかに多かったので、
これも時代という感じなんでしょうか。

男女比は4:1ですが、ずっと一貫してこの数字です。
こういうのってこの数字になる根拠のようなものがあるのか、
なんとなく気になるところです。

採用担当者を見ていると、弁理士の採用は難しいから
経験のある特許技術者を取りたいような意見があります。
しかしこの数字を見ていると、特許事務所の弁理士試験
受験生の数が、会社員に比べて少ないという現状があります。
特許事務所内の非弁理士は、年齢が行き過ぎていなければ
何としても勉強して資格を取ろう、という意欲を持つと
推定されることから、特許技術者自体人数的には
かなり減っているということが推定されます。
特許事務所内でも、特に弁理士を指定していないのに、
弁理士有資格者の比率が自然に増してきている、
という状況にもなってきました。

要するに、弁理士ではない実務経験の豊富な
特許技術者というのは弁理士よりも稀少になってきており、
採用は困難であると考えられます。

未経験者を育てていくか、経験者を高い待遇で採用するか、
という方向が求められてきており、採用も再び競争の
時代に戻ってきていると思われます。
その認識のある採用担当者は少ないようですが。

なんてことを、統計の数字からなんとなく思いました。

口述試験対策でよく見られる誤解

弁理士試験、口述試験対策でよく見られる誤解として、
どんなに難しい問題、どんなに厳しい試験官に当たっても、
それを乗り越えられるほどの十分な準備がなされていれば、
受かることができる、というものがあります。

口述試験の特異性というのは、同一テーマについて
同一試験官に当たる(つまり同一のレーンの)
人間の数が非常に限られており、
そして、同じレーンであっても試験官の裁量で
出す問題を変えられてしまったりします。

とにかくいい加減でお粗末な試験です。
そのときの試験委員が適切に出題をしない場合、
それだけの理由でその科目は突破することができません。
短答試験、論文試験と違い、相対評価の要素が低く、
その場所その状況に固有の事故に巻き込まれたら終わり
という点が決定的に異なります。
昔は特定のレーンのみ全滅なんてことすらあったようです。

口述試験の「非常に難しかった」というのは、
こういう非常に訳ありの局面だった、ということです。
そういうのは再現性が低く、事前準備もできません。
筆記試験は全員同じ条件ですから、何かおかしいもの
があっても、そこの部分は受験生全員で相対化されますが、
口述試験では相対化されない点が異なります。

何が言いたいかというと、語り継がれるいわゆる「難問」
というのは、この時期果たしてやるべきか疑問です。
そういうのは乗り越えてもらうために出したというより、
出題者側の底意地の悪さが原因の出題のように思え、
それが周知されてしまってからは、再度の出題がありません。

意匠法の26条暗唱とか、特許の再審とか、
知ったら仕舞いでそれ以降改めて出てこないですよね。
予測可能性が低いことを狙った悪質な出題なんですよ。

口述自主ゼミではそういうのも含めて1年間必死で覚えたり
しますが、いわゆる難レーンではそういうのを
あざ笑うような問題をまた狙ってくるわけです。
そんなのやっても仕方ありません。

まあ基本的には今の時期には過去問の典型問題だけ
潰していればいいのかなという気がします。
9割方は基本問題が出てきますので、それができないと
さすがに合格にはしてもらえません。
それをきちんとできるようにするのが今の時期の勉強です。
それ以上の部分は、さすがに運なのではないかと。

西新宿の「牛皿一丁」が閉店

こんな記事見てもなんやそれとしか思わない人が
大多数と思われますけど、閉店関連の情報って
結構需要あるみたいなんですよ。開店は大々的に
発表しますけど、閉まる時はひっそりとたたむから、
「あれ、あの店どうなったの」という状況が
頻繁に起こります。それで探す人がでてくるのですが、
案外どうなったのかわかりません。
そういう人に「なくなりましたよ」と伝える記事です。

この「牛皿一丁」というのは吉野家の姉妹店というより
実験的店舗で、牛丼の高級版である「牛皿」をメインにした
ちょい飲み需要を当てにした新展開の店です。
西新宿8丁目にありますが、これ以外にあるのかなと思いきや、
ネットで調べた限り、他には特に見当たりません。
そもそも牛皿一丁のサイト自体見当たらないような気がします。

そして、この西新宿8丁目の「牛皿一丁」は今年10/14
をもって閉店となり、元の吉野家に戻るそうです。

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最初は牛すき鍋膳を前面に出してたから、
それをメインにしたちょい飲み系の店になってくのかな
と思いきや、鍋をやめてしまって牛皿一本で展開してました。
まあそれは失敗するなあと薄々思っていましたが、
畳むの早かったようです。肉の提供品質を上げることで
商品イメージを高めることができればよかったですが、
そこに乗数効果は正直ないかなあと思ってました。
鍋系はうまくやったなと思いましたが、
ちょっと高級肉を使ったくらいで牛丼がごちそうに
なるかというと、そういう付加価値はないですよね。

原価を高める場合、提供する商品のサービスの付加価値も
それに伴って上がることが前提なのですが、
そういう見通しがない場合、その部分のコストは
単なる競争力の低下につながります。

我々のサービスも、付加価値の低い部分はきっちり落として、
顧客視点でのコストパフォーマンスを上げて
いかなければなりません。というオチにすることで
この記事について、なんとか本業との関連性を持たせてみました。