弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

平成28年度弁理士試験論文合格者統計

平成28年度弁理士試験の論文試験合格者の統計が出ました。
http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h28toukei/index.html
http://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/pdf/h28_benrisitoukei/h28_ronbun_goukakusha.pdf

人数的には減ったままですが、多少人数の揺り戻しが来たのが
今年の特徴です。受験回数の多い人の合格数が増えてますね。
年齢的にはなぜか50代の数が増えています。
大学別だと東大、東北大の数が突出して増えて、
阪大、早稲田、慶応が減っています。
東北大の急増は何があったかってレベルです。

傾向の継続という点では、会社員の合格者がさらに増え、
特許事務所員の倍近くまでなってきました。
昔は特許事務所員のほうがはるかに多かったので、
これも時代という感じなんでしょうか。

男女比は4:1ですが、ずっと一貫してこの数字です。
こういうのってこの数字になる根拠のようなものがあるのか、
なんとなく気になるところです。

採用担当者を見ていると、弁理士の採用は難しいから
経験のある特許技術者を取りたいような意見があります。
しかしこの数字を見ていると、特許事務所の弁理士試験
受験生の数が、会社員に比べて少ないという現状があります。
特許事務所内の非弁理士は、年齢が行き過ぎていなければ
何としても勉強して資格を取ろう、という意欲を持つと
推定されることから、特許技術者自体人数的には
かなり減っているということが推定されます。
特許事務所内でも、特に弁理士を指定していないのに、
弁理士有資格者の比率が自然に増してきている、
という状況にもなってきました。

要するに、弁理士ではない実務経験の豊富な
特許技術者というのは弁理士よりも稀少になってきており、
採用は困難であると考えられます。

未経験者を育てていくか、経験者を高い待遇で採用するか、
という方向が求められてきており、採用も再び競争の
時代に戻ってきていると思われます。
その認識のある採用担当者は少ないようですが。

なんてことを、統計の数字からなんとなく思いました。