弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

先生は敬語の最上級の1つ

弁理士になると少し考えるものに先生呼び問題があります。
先生と呼ぶ人を推奨する人、呼ぶのを嫌がる人、
色々いまして、自分はというとどっちでもいい派です。

うめざわ先生、うめざわさん、または同期にうめちゃんと
呼ぶ人もいますが、その辺は割とどうでもよいです。
さすがに初対面のお客さんに「ところでうめちゃんさー」
と言われたらさすがにびっくりしますが。

その辺は過去記事にそういうのを書いております。
http://patintl.hatenablog.com/entry/2014/12/26/052600
委員会で「どころで先生、あの件は・・・」と言われたとき、
相手の名前を忘れたときにこの呼び方は便利だなと思いました。

さてこの「先生」というのは本来どういう相手に使うのか、
というときに、限定列挙ではない気がするのですね。
学校の先生やらは、あくまで例示列挙に過ぎず、
ではどういう相手に使うのかというと、敬意の高い相手です。
ということは、敬語の最上級になりますね。

さてそしたら敬語ってどんな時に使うのでしょうか。
敬語は敬意を持った相手に対して使われるのでしょうか。
あんまり敬意とは直接の相関がないような気がします。

あなたが一番尊敬する人は誰ですか?と聞いたときに、
両親と答える人は多いですが、両親に敬語使わないですよね。
また、すごく一目置いている人ではあっても、身近すぎる
人に対して敬語を使わないことは多いと思います。

一方で、初対面の人に対して敬語は使いますが、
それは敬意という概念とは違うような気がしますよね。

さて、敬語が使われる一番適切な場面はどこでしょう。
会社の先輩や、部活の先輩ですね。
そこまで偉い人ではないような気がします。
うんと偉い人は、逆にフレンドリーでもいい気もします。

自分が一応出している結論としては、馴れ馴れしい応対を
するのが僭越な相手にして使う言葉、ということになります。
先輩とかってそもそも1つしか年齢が違わないわけで、
放っておくとなあなあの関係になる訳です。
そこを「生意気な態度は取っていません」という意思表示の
ために使っている言葉ということになります。

そう考えると、お客さんとの関係も同様になりますね。
礼儀をもってあなたに接しますよ、という意思表示が必要です。
特に初対面ですからね。ということで、初対面の人への
敬語というのはそういう理由で使われるわけです。

先生、というのはその延長線上に出てくる話かなあと思います。
気安くするな、という関係性の相手には先生と呼ばせるわけです。
まあ日常の人間関係だとそういう場面もないですけどね。
ただお客さんによってはそういう距離感が生じることもあります。
気軽に要件を申し付けられても困ることもあるのです。

あと数日で弁理士試験の合格発表になります。
もうすぐ先生と呼ばれる関係になるのですよ、
という無理やりなまとめで、記事との関係付けとしておきます。

弁理士論文試験の合格発表1週間前

この間までの暑さはすっかり遠のいていき、
もうすっかり秋の気候になっていきました。
暑さ寒さも彼岸までと言いますので、これからは
日々涼しくなっていくばかりなのだなあと思います。
こうやって日々日の長さが短くなっていく時期に
弁理士試験、論文試験の合格発表が近づいていきます。
もう大体1週間前と言う時期になりました。

合否は気になると思いますが、この時期は合否のことを考えずに
口述試験対策をひたすら進めていく時期だと思います。
ひと頃ほどの難しさはなくなりましたが、
ちゃんと受験対策をしようとした場合、論文試験の合格発表後からの
準備では基本的に間に合わないくらいの勉強量が必要になります。
合否を見てからでは遅いですので、この時期は受験対策の
ピークの時期になっているはずだと思います。

自分の頃はと言うと、短答、必須、選択とあり、
中でも必須はほとんど準備もせずにぶっつけ本番でした。
割と出来た感触はありながらもやきもきするのが嫌だなあ
ということであまりその後の勉強に身が入らず、挙句の果てに
論文試験の合格発表時期には旅行に出かけてしまっていました。

それでまさかの合格の後、急いで勉強したのですが、
論文もそんなに用意せずに受かってしまった上に
口述対策もろくにしていない状況だったので、
口述練習会はもう散々でした。
多分全受験生の中で、下位10%以下だったのでは
というくらいの準備不足で試験に臨む羽目になりました。

でどうだったかと言うと、本試験ってのはよく分からないもので、
結構紙一重のところまで行ったのです。
3科目とも何も答えられずに終わるのでは?と思っていたのですが、
商標法であと1問できていたら多分合格というところだったのです。
それも基本問題で、あとちょっと青本読んでれば、と言うレベルです。

世の中どうせ無理だよ、と言うことは案外多くなく、その場になって
もう少しやってれば、となるのはもったいないので、
せめてこの時期くらいは騙されたと思って勉強に集中しておくべきです。
受かってなくても論文試験、そしていずれ受ける口述試験
役に立つはずですから。
受験生にとってはまだまだ頑張らなければならない時期です。

独立開業した弁理士への仕事は増えていくのか

独立した後ってまず仕事を確保することができるのか、
という懸念が当然あります。短期的に確保できても、
継続的に確保できるのか、という懸念もまたあります。
多くなくてもいいから、ある程度の頻度で
依頼をいただけるお客様がいたらいいな、
と言うことを多くの独立事業者は考えます。

うちの事務所はと言うと、もちろん一度ご依頼をいただいた
お客様から再度仕事をいただくケースもあるのですが、
基本的にはスポットであり、継続的に仕事をいただける、
という関係性にはありません。

そんなんで仕事は増えていくのか、と言うことを聞かれるのですが、
実際のところ受任業務量は増えていくのですね。謎に。
最近は別に営業活動らしきことはしていません。
じゃあ以前はしてたかと言うと以前も特段やってないです。
なのですが、ある時期から謎にご依頼をいただけるようになりました。
そんなの継続性ないじゃないかと思われるのですが、
なんとなく仕事は入り続けていくので、なんだかそれが
当たり前のようになっていきます。

勤務弁理士・特許技術者の頃だと、同じお客様から
継続的に頂いたお仕事をこなしていくという形なのですが、
基本的に今は毎回違うお客様です。
識別番号の通知書も頻繁に届きます。

勤めていると、頻繁に頂けるお客様の数を
営業努力により増やしていく印象なのですが、
現在のところそう言う感じではないのですね。
初見のお客様から次々にご依頼をいただいている感じです。
なぜ選ばれたのかは分かりません。
お聞きすることもありますが、お客様によって理由はまちまちです。

まあ今は景気が良いのだろうなあと言う結論になったりします。
いつまでそれが続くかは分かりませんが。

特許事務所の拡大路線と不拡大路線

独立して特許事務所を数年運営していると、この先拡大していくのか、
と言う問題が絶えず出てきます。独立当初は仕事も売り上げもないですので、
そんなことも言ってられないのですが、ある程度依頼が増えてくると、
1人でやっていくのが難しい状況が出てきます。
まずは事務スタッフを雇うのですが、実体業務を増やさないと
スタッフ業務も増えていきませんので、そこで拡大路線を進むのか、
というのは弁理士に限らず、士業全般にとって課題となっていきます。

ふと振り返ると、私よりも後に独立開業してどんどん拡大して
いる特許事務所が着々と増えています。
こぼれてくる内情を聞いてみても、それはそれはかなりのバイタリティを
発揮しており、エネルギッシュに事務所を拡大していっています。

受任業務が増えたから単に人を雇う、という流れだけで
事務所を拡大していくことは困難であり、そこで生じてくる困難を
克服していく過程は、小耳にはさむ限り、それはもう大変です。

その一方で不拡大路線を取っている特許事務所も多いです。
特許事務所に限らず、仕事はどんどん来るのだけど、
自分の専門性の幅をどんどん縮小する、と言う路線の話を
聞いたりもします。事務所拡大の苦難を考えると、
その路線に魅力を感じる部分もあったりします。

やっぱりこの規模だと人は育てられないわけです。
即戦力でないといけない。即戦力でも口だけでなく
間違いなく戦力でないといけません。
採用人員の選択を誤るとコストと労力が増すばかりです。
どうしても慎重になりますし、それでいてこの規模ですから、
優秀な人をとるというのは困難です。
最初からある程度の人数で始めたところが、
この過程をうまく乗り切っているように見えますが、
1人弁理士だと、ここが逆になかなか大変な感じです。

最初は大変というのは理解されますが、その先もその先で
やっぱり課題は出てきます。分かってはいるのですが、
なかなか大変だなあと言う今日この頃です。

経営者意識を持てと言うのはパワハラ

一昔前に標記の言葉、「従業員も経営者意識を持て」
なるものが流行りましたよね。
まあ従業員が経営者意識を持ったが最後、現在の経営者は
クビになるのではないかと言う気がするのですが、
そんなことを言えるはずはありません。
そんな相手が反論できないのをいいことに、一方的な主張を
ぶつけるという側面は、企業社会では多々見られ、
その多くはパワハラであるなあと思われます。

特許事務所では、特に零細では「明細書の修正」
なるものにおいて、同様の主張がなされることがあります。
最近は減ったかもしれませんが、適切でない明細書の表現
に対して「なんだこれは!!」と様なことを言う上司や
所長弁理士が散見されますよね。
「いや、これはこれで・・・」等といったが最後、
もう変なブチ切れ方をされて、大変なことになります。
「はい・・すいません・・・」という展開になる特許事務所
は結構ありました。その多くは今は晴れて傾いているようで、
やっぱり世の中はなるようになるものだなあと思ったものです。

同様のパワハラ的発言として「やる気がないなら帰れ!!」
と言うものもありましたよね。皆さん経験ありますか?
ただ案外そういうのってあるようでありません。自分が最後に
言われたのは小学生の時のスポーツクラブ的な場所で、
その時自分は「分かりました!!」と言って
さっさと帰った記憶があります。

まあ経営者目線に立ったら、やるべきことやるべきでないことを
取捨選択することこそが経営判断なのだから、その裁量がない
時点で経営者目線には立てないし、その判断がされていなければ、
経営者が自ら仕事をしていないということになりますね。

自分も年齢が上がるにつれて、そういう一方的なことを
言われる機会と言うことはめっきりなくなりましたが、
相手が反論できないのをいいことに一方的なことを
いうのはパワハラだよなあと言うことは思います。