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論文受かった人と前年口述落ちた人、口述試験はどちらが有利?

今年平成25年(2013年)は、過去最多の前年口述落ち再チャレンジ組と、
10年ぶりくらいの水準に減った論文合格者が口述試験に臨みました。
比率としては過去に例のない比率になったわけですが、
実際のところどちらがこの試験有利に戦えるのでしょうか?

前提として、口述試験に際して最も実力を備えて
受けに来るのはどんな人でしょうか?
1.全免除で口述のみの人
2.短答のみ受けてくる人
3.必須のみ受けてくる人
4.選択を受けてくる人
5.短答+必須を受けてくる人
6.全筆記試験を受けてくる人

準備の程度から考えてこの順であることは間違いありません。
選択が最後なのでこれを受けてくる人が一番不利ではありますが、
受かっていない試験の数が多ければその分口述対策の
身も入らなくなります。
1>2>3-5>>6
3-5は並べにくいですが、その他はこの順になるはずです。

にも関わらず、合格率がこの順かというとそうではありません。
大体合格率は全部大体同じになるように調整されています。
受験者層別の合格率は、受験番号から追っていけば大体分かります。
この辺は毎年各受験機関が積極的に分析しているはずです。
吉田ゼミなんかは口述ガイダンスのときに丁寧に表にして示します。

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もちろん合格率を試験後に調整しているわけではありません。
知られているように、判定は絶対評価でその場で下されます。
個人的には中間評価にされた上、後日人数調節はあると思いますが、
基本的に事前調整がメインと思っています。

事前調整がどんな形でされているかは何ともいえませんが、
1-6のうち、突破難易度の高い人ほど楽な設定、
低い人ほど厳しめの設定があるはずと、
データを見ている限りそうとしか思えません。
要するに全筆記試験を受けた人は楽な設定で、
口述のみの人は厳しい試験を課されると考えます。
もちろん問題はみんな同じです。しかし難易度が違う
というのは、なんとなく分かるのではないでしょうか。

ありがちなのが、全免除の人と、短答のみ受けてきた人では、
実力が同じ程度なら短答を受けてきた人の方が圧倒的に受かっています。

論文を受かった年は準備不足だから仕方ないと思って
翌年万全を期して口述のみ受けたら前の年より出来が悪かったとか。

問題の選び方の段階で、口述のみの人が論文を受けてきた人よりも
有利に戦える問題は作らないというのは出題を見る限り
はっきり反映されています。
特に特許法はこの傾向が顕著なので、論文免除者に有利な問題を
排除していけば大体問題の予想はつきます。

1年間必死に準備しても、直前期だけ詰め込んでも、
格率にはほとんど差がないのです。
なので、論文受ける人は、その年に口述まで受かっておかないと、
翌年口述だけ受けても却って厳しいよ?という話です。

・・・と言ったところでしょせん去年までの話。
今年はなんか雰囲気が違うので、違う状況が
生まれているような気がしてなりません。
しかしおそらく今年も合格率は受験者層ごとに
同じになっているはずと思っています。

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なお、一連の口述関連記事は、以下の通りまとめています。

平成25年弁理士試験口述試験関連記事まとめ