弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士の現実と供給過多

実務に近い話をしたら一気にページビューが落ちてしまったので、
再び軽めの話題に戻したいと思います。

かつては少数だった弁理士試験合格者数も2000年過ぎてから急増し、
さらに2004年あたりから600-800人のあたりで推移するようになりました。
そして弁理士数が増加することで供給過多ではないかという主張が
弁理士会からなされ、その状況は弁護士他の士業の状況と比較されます。
さて弁理士業界は供給過多なのでしょうか?

ちなみに弁護士業界と公認会計士業界は、知られる通り合格者数の増加が
就職活動の難易度まで大きく変えてしまいました。
平均年収もこれに合わせて下がっているようです。
まあこの辺は自分はその業界にいるわけではないので伝聞の範囲ですが。

昔は弁理士試験に受かれば、その後の合格祝賀会などで採用の勧誘を受け、
特に職務経験がなくても採用されたようです。
年齢制限も緩やかだったようです。
そういうこともあって、結構浪人しての受験者も多かったようでした。
全受験生に対する無職の比率が何割もいた時代がありました。
いつ頃まででしょう。2004-06くらいまではそんな状況だったでしょうか。

そしてそういう時代も終わりを告げ、
弁理士も大競争の時代になってしまったのでしょう。

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そして、収入についても影響は及んでいます。
昔は弁理士資格を持っていれば年収1000万なんて当たり前でしたね。
遠い昔にさかのぼると、弁理士試験受かって登録して、
事務所開けば経験なくても客がつく時代でした。
2000年頃の知財バブルを越え、2004-06くらいあたりからでしょうか。
前とは違うぞという感じになり、2009年リーマンショックで
いよいよ淘汰の時代に入りました。

ただまあ資格取っても意味ないとか、お先真っ暗とか、
そこまで行ってしまうとおかしい感じがします。
世間全般厳しい時代なので、弁理士もそれに合わせて厳しくなってきたと、
それだけの話です。濡れ手に粟はもはやないですが、
各人の見識や洞察、頑張り次第では、まだまだ行けると思います。

弁理士会のお偉いさんの主張は、もはや来ない時代を懐かしんでいるようで、
遠い昔に受かったことだけを頼りに既得権を守り続けられる
というのは、ちょっと考えが甘いのではないかと思ってしまいます。
自己研鑽を続ければ後発よりははるかに優位と思うのですが、
時計の針が止まったままの人も案外多いように思います。

そういう人が供給過剰とか言ってると、聞いている人は、
淘汰されるべき人が思惑通り厳しくなっていて
薬が効いてるとしか思わないのではないかとそんな気がします。
適度な制限は必要と思いますが、御題目が御手盛りになってる気がして、
見聞きしているこっちはなんだかなあと思ってしまいます。

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