合格祝賀会と近年の弁理士試験の難易度
今年も弁理士試験の合格発表が終わり、合格祝賀会も
一巡して、今年の合格者は修習の時期に入りました。
弁理士試験も自分にとって遠い過去のことに
なりつつある中、弁理士試験は難しくなったのか、
というのは今も話題となりつつも、実際の難易度
については自分では把握でなくなりつつあります。
ただ、合格者の雰囲気から想像できる部分はあります。
自分は合格祝賀会には1つしか出ておらず、
人数も多くはないので、そこからわかることも
あまりないのですが、一昔前の受験生のような
悲壮感のようなものはあまり感じられないよな、
という点です。
合格者数は2000年頃の人数が増える前に戻りました。
あの頃は5年以上受験しているのは当たり前で、
職場や家庭と両立、というのも叶わず破綻しながら、
そして浪人生も少なくはない中で、
悲壮感がありながら、受かりさえすれば…!
という希望もまた感じられていたような、
そんな時代だった気がします。
今はというと、そう考えるとなんか気楽な感じですね。
もちろん勉強は根詰めてやらないと受からないのですが、
職場や家庭と両立しながら、要領よく勉強して
3回目の受験くらいで合格のイメージです。
会社に勤めながら合格する人が最大多数で、
浪人生の比率はかなり少なくなりました。
気楽な感じを受けるのは、LECが1年合格を
謳っているあたりから強く感じられます。
1年間みっちり勉強するにしても、1年ですからね。
1年間だけ頑張るというのはできそうな気がします。
昔はどんなに頑張っても1年では無理でしたよね。
初めて代々木塾の大教室で開催されていた答練会に
参加した時、生気のない目をした人の群れの中で、
自分はここから抜け出さないといけないんだ…!
というカイジのような気持ちを抱きましたが、
LECにそういう雰囲気はなさそうです。
まあそんな知ったようなことを書いている私が
合格したのは大量合格時代なのですが、
今の弁理士試験受験生や合格者から感じられるのは、
試験は通過点であって、ゴールではないという雰囲気です。
合格したからと言って転職する雰囲気もないんですよね。
やったぞ!!という感じもあまりしません。
昔の合格者の方は、受験当時のことを今も懐かしげに
話す人も多い気がしますが、今の合格者は、
受かったらそんなことは忘れてしまう感じです。
まあ私もすっかり忘れてしまいました。
実務をやっている人が、無理のない範囲で勉強して受かる、
というのは試験制度のあるべき姿ではあります。
と同時に、実務をやっていない人はお呼びではない試験に
なりつつある雰囲気を感じます。
この業界は、まず実務経験をこつこつと積んで、
それから試験に合格するのがベストと言われてきながらも、
最終的に受からずにあきらめる人もいた時代がありました。
そういうルートに戻りつつあるとすれば、
試験制度としては健全化しつつあるのでしょう。
ただ、合格祝賀会にあって、合格したことの達成感
みたいな雰囲気が段々消えつつあるように思うのは、
ちょっと寂しくもあります。