弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士が桃太郎になったら

ブログ界では何かを桃太郎に置き換えた物語にするのが
流行っているようなので、弁理士としてもちょっとこれに
挑んでみます。商標に注目したり等いろんなバージョンが
考えられそうですが、とりあえずこれで。


むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんとおばあさんは製品を開発していました。
おばあさんが事業所で設計をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、
新しいアイデアが生まれてきました。
「おや、これは良い特許になるわ」
おばあさんはアイデアをまとめて提案原稿を作成しました。

そして、おじいさんとおばあさんが特許出願しようと桃を切ってみると、
なんと中から元気のない弁理士が飛び出してきました。
弁理士が見つからなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。

桃から生まれた弁理士を、おじいさんとおばあさんは代理人に任命しました。
桃太郎はスクスク明細書を書いて、やがて特許出願しました。

そしてある日、弁理士が言いました。
「審査請求して、特許審査を通します」
おばあさんに費用請求して審査請求すると、拒絶理由通知が出ました。

  旅の途中で、イヌに出会いました。
 「弁理士さん、どこへ行くのですか?」
 「意見書補正書を書いて、拒絶理由を覆すんだ」
 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
  イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました。

  そして、こんどはサルに出会いました。
 「弁理士さん、どこへ行くのですか?」
 「意見書補正書を書いて、拒絶理由を覆すんだ」
 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」

  そしてこんどは、キジに出会いました。
 「弁理士さん、どこへ行くのですか?」
 「意見書補正書を書いて、拒絶理由を覆すんだ」
 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」

 こうして、イヌ、サル、キジの特許技術者を採用した桃太郎は、
 ついに応答期限間近になってしまいました。

 特許庁では、審査官たちがノルマに追われて、特許審査をしています。
 「それ、かかれ!」
 イヌは、引用文献にない事項で請求項を限定し、
 サルは、補正する内容が明細書に根拠があることを主張し、
 キジは、先行技術との相違点を明確に主張しました。
 桃太郎は、原稿をチェックして特許庁に送信するだけです。

  とうとう審査官は、「特許査定」と、ついに降参しました。
  桃太郎とイヌとサルとキジは、特許査定とともに特許料納付期限も連絡です。
  おじいさんとおばあさんには、成功報酬も請求しました。
  桃太郎は、代理費用のおかげでしあわせにくらしましたとさ。