弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

日本弁理士会のウェブサイトがリニューアル

日本弁理士会のホームページがリニューアルされたようです。

www.jpaa.or.jp

弁理士会のサイトを見に行く用事もそんなにはないので、
なかなか気が付かないのですが、見にいくといつの間に、
という印象を受けます。

サイトのリニューアルでありがちなのが、前にあった
項目が一体どこに行ったのかわからない現象です。
自分としてはお知らせをまず見るかな、と思うので、
スクロールして下の方まで行かないと
いけないのが若干操作しづらい感じはあります。

多分これはレスポンシブデザインというものに
対応させた結果のリニューアルなのかなあと
思われます。まずそれがメインで、あとは
現状発信したい情報を前面に出した感じでしょうか。
個人的にはレスポンシブデザインというのは、
ただ見にくいだけなのですが、googleをはじめ、
世の全体がそういう流れなので仕方ありません。

ぱっと見た感じだと、弁理士に新たに依頼したい方が
ウェブサイトに到達したときにフレンドリーとなる
ような構成に変更したという感じはあります。
個人的には、新規依頼を出したいと思ったときに、
まず弁理士会のサイトを見るかなあ?
という疑問はあるのですが、知財キャラバン
はじめとして、弁理士会の方針として、
弁理士会を通して仕事の依頼を集めてくる、
方向性ですので、それに沿った内容のようです。

ただサイトのデザイン性というのは、
その目的がまずあるのですよね。
特に外国のサイトにありがちなように、
ページ中の項目をなるだけ減らすのは、
例えばまずメンバー登録をするなどの、
所望のアクションを促すためです。

弁理士会のサイトを見に来る人は、
お客さんだけではないのと、
あと弁理士会として窓口を集中させる訳でも
ないのですから、取ってもらいたいアクションが
具体的にある訳でもないのです。
サイトのデザインとしては今風ではあるのですが、
弁理士の立場からすると、なんとなく慣れないなあ
というのがまず最初にある感じです。

まあこんな風に講評していくと、自分のサイトは
どうなのよ、って話になるのですが、
最初にあった項目に、徐々に足しながら全体として
整合させていくって非常に難しいのです。
デザインもリニューアルしたいですが、
料金もかかりますし、自前だと大変です。

よそのサイトを見てみると、最初に頑張って、
それから仕事が来るようになってから放置なのだな、
というのが散見されますが、その気持ちは
非常によくわかります。
開業当初にしか作り込む時間はないのですが、
はじめと今では発信したい内容も変わるのですね。
そして、自分の意図したように伝わるとも限りません。

まあ結局サイトの構成は難しい、ってことです。

たけしの挑戦状がスマホで復活らしい

なんか「たけしの挑戦状」というもう今から30年くらい前に
ファミコンで売り出されたゲームの復刻版がスマホ
発売されるというのが話題になっております。

nlab.itmedia.co.jp

一応伝説のクソゲーと言う位置づけになっておりますが、
当時はあの程度のバランスが雑なゲームはたくさんあり、
そこまでひどいとは思わなかったのですが、
ビートたけしが監修し、世間的に有名となったゲームで
であったことから、クソゲーの代表格として
祭り上げられたものと思われます。

当時は中学生だった自分は、同級生に、
「もうやり終わったゲームあるんだけど買わない?」
などと軽く騙されてまんまと買わされてしまいました。

それでまあ普通に遊んでいたのですが、
案の定クリアすることはできませんでした。
攻略法自体はそれなりに出まわってはいましたが。

設定自体は面白いので、うまくバランスをとれば
名作ゲームにもなりえたかなと思うのですが、
今改めてやろうとは思いません。

この辺の世界観が、たけしの映画にもつながって
いっているような感じはあり、その点が
興味深くはあります。

特許明細書の中で記載されがちな登録商標

特許庁から告知があり、随時更新がされている事項として、

「やむを得ず登録商標を明細書等に使用する場合、
最初の登録商標「○○○」の後に(登録商標)と
登録商標である旨の表示をしていただくようお願いします。」
というものがあります。

www.jpo.go.jp

登録商標を使用する場合は、従来から、当該登録商標を使用しなければ
当該物を表示できない場合に限り使用し、さらに、使用する場合は
登録商標である旨を記載するようお願いしている」

という建前で、一応拒絶理由が出ることにはなっています。

リストはリンク先を見たほうが良いですが、一応転載します。

基本的には発明を説明する上では、普通名称のみを
使用する、というのが建前になっています。
特定の会社の特定の商品を使わないと実現できない、
というものでもないですし、
商標がある商品についてもそれぞれ普通名称は存在します。

なのですが、依頼人の方の原稿の中に具体的な商品が
明記されていることも多いです。できるだけ普通名称として
リライトするようにはしているのですが、
具体的に分かりやすくするために入れているものですから、
どうしても入ったままになってしまうことも多いです。

実際のところ、直してねと言われれば直しますし、
指摘もされないことも多いです。

しかし、特許庁としてはこういう規則を設けてやっています。

使用頻度の高い登録商標のリスト

(五十音順)

ウィンドウズ
ウォークマン
ウォシュレット
カラーコーン
ガルバリウム鋼板
ケーブルベア
ケーブルベヤ
碁石茶
コンパクトフラッシュ
サーボパック
サイダック
サランラップ
セルフォック
セロテープ
宅急便
テトラパック
テフロン
テレスコ
トルクス
ハーモニックドライブ
パイレックス
パトライト
バブルジェット
パワーゲート
フォトショップ
ブルートゥース
ベルクロ
ペンティアム
ポラロイド
マジックテープ
万歩計
リナックス
レイデント
バーブロック


(アルファベット順)

ANDROID
BLACKBERRY
Blu-ray
BLUETOOTH
COMPACTFLASH
DLNA
FeliCa
FIREWIRE
FRAM
HDMI
HIT
i-mode
iPad
iPhone
iPod
JAVA
JAVASCRIPT
Linux
PENTIUM
PHOTOSHOP
PYREX
QRコード
SmartMedia
TEFLON
TETRAPAK
UNIX
VELCRO
VICS
WALKMAN
WINDOWS
YouTube
ZIGBEE

平成29年4月現在

弁理士ブログをこれから始める方への備忘録まとめ

弁理士になったことで何かしら情報発信をしよう、
と思われる方も多いと思いますし、そういうわけで
ブログを始めてみようと思われる方も多いと思います。
そんな方々への現状報告的なことをまとめてみます。

・ブログを始めるときはまずブログ村に登録しましょう。
ランキングサイトに登録しないと最初のアクセスが全く集まりません。

patintl.hatenablog.com

・ブログをすることで仕事になるかというと、まあならないです。
 もちろんブログを通じて親近感を抱いてもらい、その結果として
 ご依頼になることは、ある程度はあるでしょう。

・ただし、それはブロガー本人の情報開示の一環として
 役立つ話にすぎません。まして本名を伏せたままのブログが
 依頼につながるなどということは絶対にありえません。

・じゃあなんであなたはやっているの?って話はありますが、
 そこは導線設計の1つとしてです。間接的効果を狙う意味です。

・匿名でやろうという人が結構多いと思いますが、
 匿名で書いたブログも、いずれ誰かに察知されます。
 もちろんタイムラグはありますので、ある程度有名になって、
 それからしばらくして、誰かが感づくという感じです。

・このブログに特有の部分もありますが、ブログを見るのは
 主に同業者です。潜在顧客のような遠い人にまでブログ記事
 が到達することはあまりありません。

・攻撃的な文章は、どうしても誰かに反感を持たれます。
 しかし、ある程度反感を持たれるくらいの内容の方が、
 人からは共感を得られやすい点も一方であります。

・ですので、情報発信の結果として何を得たいか、
 ということが重要になってきます。
 攻撃的な内容を書いておいて、反感を買ったら
 逆恨みをするというのはいまさら何を言っているの、と思います。

・基本的にブログはしばらくやると飽きます。
 それでも続ける意味がないと続かないと思います。

patintl.hatenablog.com

・ブログの一般的な話にもなりますが、
 あなたが何を食べたかとか、どこに行ったかとか、
 そんなことに関心を持つ人はほとんどいません。
 そして、判例や条文に関心のある人もほとんどいないでしょう。
 そんな中でどんな記事を書くか、というのは
 最初の段階である程度構想を立てておく必要があります。

 そんなことを言っていると書く内容もなくなっていくのですが、
 その辺については以下の記事を参考にしてください。

 

弁理士の商標登録業務は一部でてるみくらぶ化している

タイトルは完全に便乗しましたねと思われそうですが、
全くその通りです。もっとも自分は最近まで
てるみくらぶというのを知りませんでした。

ネットの情報を総合すると、ネットを通じた
チケットの薄利多売で大きくなった会社とのこと。
ある時点から行き詰まり、そこで新聞広告など
広告宣伝に大規模に打って出たところ、
成果が出ずに資金繰りが一気に悪化したそうです。

価格というのはアピール力が強いので、
優位に立つと急拡大が可能です。
低価格に抑えるためには薄利多売路線に
どうしてもならざるを得ません。
しかしながら急拡大というのはいずれ止まります。

格安路線が怖いのは、価格を下げるなんてのは
誰でも追随できてしまう点です。
そして薄利多売であることから、利益の蓄積が進みません。
キャッチアップされた時点で、起死回生の宣伝広告を
大量に出して討ち死に、という結末になるのでしょうか。

さて前置きが続きましたが、弁理士業界においては、
商標登録関連が標記の事案に該当しうる感じがします。
懲戒事例なんか見ても、まあほとんどが年寄連中では
ありますが、お金の持ち逃げなんかもなくはありません。

商標登録とか検索をかけると、インターネットに
広告をたくさん出して、よく見ると低価格で
金保証で、などとやっております。
採算性が取れている間はいいのですが、
てるみくらぶと同じで、どこかでピークアウトする
時期が来ますよね。というか、低価格路線を
追随する同業他社も増えてきました。
そして宣伝広告費が段々重荷になってきます。

弁理士業の場合は、人件費とテナント料ですから、
あまり拡大しなければ、てるみくらぶになることは
基本的にはありません。
ただそれをいえば、旅行会社も基本的には
チケットを売るだけです。
商標登録の受任を当てに急拡大し、
それを維持するためにネット広告を大量に
出しているところは、いつか来た道を
辿っていく可能性があります。

ま、こじんまりとやっている分にはブレーキを効かすのも
難しくないと思いますが、商標登録のネット集客を
たよりに組織を大きくしてしまっているところは、
本当に大丈夫なの?というのは危険性としてあると思います。

共通性なさそうには見えるのですが、
商標登録料を前預かりとか、そういうのやってる
事務所もありますし、全く関係ないとも言い切れないでしょう。