弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士の商標登録業務は一部でてるみくらぶ化している

タイトルは完全に便乗しましたねと思われそうですが、
全くその通りです。もっとも自分は最近まで
てるみくらぶというのを知りませんでした。

ネットの情報を総合すると、ネットを通じた
チケットの薄利多売で大きくなった会社とのこと。
ある時点から行き詰まり、そこで新聞広告など
広告宣伝に大規模に打って出たところ、
成果が出ずに資金繰りが一気に悪化したそうです。

価格というのはアピール力が強いので、
優位に立つと急拡大が可能です。
低価格に抑えるためには薄利多売路線に
どうしてもならざるを得ません。
しかしながら急拡大というのはいずれ止まります。

格安路線が怖いのは、価格を下げるなんてのは
誰でも追随できてしまう点です。
そして薄利多売であることから、利益の蓄積が進みません。
キャッチアップされた時点で、起死回生の宣伝広告を
大量に出して討ち死に、という結末になるのでしょうか。

さて前置きが続きましたが、弁理士業界においては、
商標登録関連が標記の事案に該当しうる感じがします。
懲戒事例なんか見ても、まあほとんどが年寄連中では
ありますが、お金の持ち逃げなんかもなくはありません。

商標登録とか検索をかけると、インターネットに
広告をたくさん出して、よく見ると低価格で
金保証で、などとやっております。
採算性が取れている間はいいのですが、
てるみくらぶと同じで、どこかでピークアウトする
時期が来ますよね。というか、低価格路線を
追随する同業他社も増えてきました。
そして宣伝広告費が段々重荷になってきます。

弁理士業の場合は、人件費とテナント料ですから、
あまり拡大しなければ、てるみくらぶになることは
基本的にはありません。
ただそれをいえば、旅行会社も基本的には
チケットを売るだけです。
商標登録の受任を当てに急拡大し、
それを維持するためにネット広告を大量に
出しているところは、いつか来た道を
辿っていく可能性があります。

ま、こじんまりとやっている分にはブレーキを効かすのも
難しくないと思いますが、商標登録のネット集客を
たよりに組織を大きくしてしまっているところは、
本当に大丈夫なの?というのは危険性としてあると思います。

共通性なさそうには見えるのですが、
商標登録料を前預かりとか、そういうのやってる
事務所もありますし、全く関係ないとも言い切れないでしょう。