前回記事の続きです。
一見発展している特許事務所に応募してみても、
実はその内情は非常に残念なこともあるよ、
という話の続きとして、ではどんな特許事務所が発展するのか、
という話題からもう1週間もたってしまいました。
端的にいうと仕事をたくさん取ってきて、
人材を採用してどんどん仕事を割り当てる体制にあれば
特許事務所は発展している状態ということになります。
少なくともイケイケ系に見える特許事務所は、
外から見えるだけでなく内情においてもそうであることは
間違いないでしょう。
しかし見た目はイケイケながら内情は火の車である
特許事務所の噂は実に多いです。金銭的に火の車なのですね。
取ってきた仕事の単価が低く、忙しいのに儲からない、
採用したスタッフの技能が低く、業務がはけていかない。
要するにこういう状態だと貧乏暇なしになります。
手あたり次第仕事は取ってきた、採用したスタッフは未経験で
しかも実力がいまいち伸びていかない。
そんな状況だと金銭的に厳しくなります。
あと、人を採用すると事務所を広くせざるを得ず、
テナント料も高いですので、そこも圧迫してきます。
本当に発展していく特許事務所はその辺をうまくさばく必要がありますが、
実際のところ特許事務所にとって有用な人材を採用するのは
難しい問題があります。能力は高くても実能力以外の部分で
事務所との波長が合わないケースもあります。
伸びしろを見たいところですが、そこは各所四苦八苦しています。
となると受任案件の単価率ですね。
中堅どころはそこをうまく選別して採算性を確保していますが、
そういう仕事は多くはないので、急成長は難しいです。
あとは、経験が低くてもできる仕事を多く抱えるというのが
大手特許事務所が抱える戦略ですね。
安くても悪かろうで良ければ未経験者で大丈夫です。
そういう阿吽の呼吸で受任される案件というのも業界では多いです。
まあうちのような規模のところにはほぼ回ってきませんが。
こうやってただ拡大するだけではなく、採算性もうまく確保するのが
発展する特許事務所なわけです。