弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

コンフリクトの要件を緩和するってのは、特許事務所側の重要性が低いと言っているに等しい

patintl.hatenablog.com

前に特許事務所の大規模化とは、下請け化に等しいという記事を書きました。
一方でお客様からご相談、ご依頼をお受けしたりすることもあるのですが、
やはりそれなりに解決すべき経営上の課題があって、来られることが多いです。

特に特許というのは競合他社というものがあって、
そこへの対抗策として取得を検討されるわけです。
「特許をとる」というのはそれ自体が目的化している、
ということは本来は多くはないはずです。
弊所でお問い合わせを受けるケースでも「仮想敵国」が
具体的に存在していることが少なくはありません。

そんな中で、その仮想敵国の依頼を受けています、
となったとき、お客様はどんな気持ちになるんでしょう。
ファイアウォールを設けていたらそれでいいんでしょうか。
何のためにその依頼が発生したのですか?というのは
重要な話であるはずです。

それでもいい、と言われるのを、そこまで必要とされている、
と考えるなら能天気もいいとこであって、
要するにどうでもいい取引相手であるということです。

先日取引関係ない自動車部品の社長の方とお話をしましたが、
自社部品は確かにどこにでも納めて良い、けど、
どこにでも納品するというのは本当にリスクが低い行為なのか、
コアな取引先に食い込むことで、その会社の重要取引先
としての位置を確保し、クライアントの最前線に並べてもらう
ということが、会社としての重要性を高めることでは
ないのか、なんて話がありました。

コウモリ野郎ってのは大事な相手ではないんですよね。
スキルが多少高いとか低いとかそんな問題ではありません。

重要な業務を依頼されていないのだから、当然単価は安いですよね。
コンフリクトの疑いがあるような大手特許事務所の噂は
ありますが、安い単価で仕事を取っているとこばかりです。
それが下請けでなくてなんというのでしょうか。

そういう案件と言うのは、得てして上から下に投げればよい
だけですので、管理的には非常に楽です。
特許事務所の幹部は、間に挟まってうまく利益を
吸い上げることができる立場にいるのです。
これに対して、末端のスタッフとしてそんな特許事務所で
そんな仕事を受けることを一体どう思うのですか?
という話があったりします。

単価を下げる施策を取っておいて、単価が安いと嘆くのも
ことの因果関係を分かっていないとしか言いようがありません。

弁理士ブログと言っても発信の仕方は色々

弁理士ブログは何のために書いてるの?って話について
思いもよらない波及的な流れを見せており、
もしかしたらこれ補足が必要かもと
思ったことがあったので、まとめてみます。

大枠、「結局これは何のためにやってるの?」ってのが、
言い訳でなく本質的な形で存在することが必要で、
そうでないものってのは長続きしないという話です。
数々のブログの残骸ができては消えを繰り返しており、
やっぱりどこかで目的というものを持つ必要があります。

自分のブログは不特定多数向けの発信を意図しており、
アクセス数というものがすべての基準になります。
やっぱり多くの人の目に触れさせたいというのが
一番多かろうと思ってSEO的な話を中心にしました。

ただ、それとは別の使い方というのがあります。
こういう言い方をしてしまうとこれが誰か、
イメージわいてしまうと思うのですが、
SNSの延長としての使い方です。

自分のブログは何の接点もない人をペルソナとして
設定して不特定多数を集める目的で書いています。
が、それとは正反対に、知っている人、面識のある人、
をむしろフォーカスして打ち出すやり方があります。

そういうのはSNSが一番向いているのですが、
SNSをやる人ばかりではありません。
SNSをやっている人、やっていない人、など、
複数セグメントに共通に自分のイメージを
広げていくやり方です。

こういうやり方の場合、「自分」をインデックスにして
自力でブログにアクセスを集めるのだから、SEO
あまり関係ないのですね。
SEO関係ないから、タイトルタグをどうするとか、
キーワードとか、そういうSEO的な技法は無用です。
一方でコミュニティ的な色合いを高める仕掛けが必要です。

例えばですが、ブログを書く、だけでなく、
それをフェイスブックツイッターに投稿して、
同時にブログ村のランキングにも参加する、
というようなやり方です。
FBでの賑わいがブログ村に波及し、
さらにブログのイメージに影響させていきます。
ブログの記事自体も最初からそういうイメージ
のものを書いていきます。

自分の場合、自分を中心とした輪の外側を
ペルソナとしているのに対して、こういう方は、
自分を中心とした輪の内側をペルソナとしています。
ターゲットが違うことで、アプローチが全く
変わってくるのですね。

ネット記事の場合、「ペルソナは誰?」というのが
結局のところ非常に重要になるかと思います。

なるほどねえと思ったりもしたのですが、
その辺、人それぞれということになります。
とはいえ、やっぱり長く続く方は、それなりの狙いが
はっきりしており、その結果、仕組み化されています。

はっきりしているのは、何となく始めたものは、
なんとなく終わってしまうということです。
自分で何かやろうと思われる方は、
後で軌道修正するにしても、何が狙いかは
考えておいたほうが良いかもしれません。

 

弁理士短答試験合格者数285人、ボーダー39点(平成29年度)

2017年弁理士短答試験、合格基準点(ボーダー)は39点
2017年弁理士短答試験合格者数285人
ということだそうです。

科目別合格基準点
特許・実用新案に関する法令 8点
意匠に関する法令 4点
商標に関する法令 4点
工業所有権に関する条約 4点
著作権法及び不正競争防止法 4点

工業所有権法科目及び条約科目の免除者の合格点 7点

http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h29goukaku/tantoushiki.htm


応募者数が減ったからというのもありますが、
かなり短答の合格者も減ってきました。

やはりボーダーは39点で変わらずです。
もうよほどのことがない限り、短答の合格点は39点で変わらずなのでしょう。
問題解答は翌日に分かり、合否ラインももう数年固定です。

最終合格者がはけた分、短答合格者で補充と言う内訳になっていくようです。
最終合格者数が減った分、短答合格者数も減ってきました。
ただ、数が減っても難易度が上がっている風でもないので、
受からなかった方はまた来年頑張ってください。

(6/12, 14:00誤記が多かったので一部直しました)

弁理士ブログをやるときに気を付けたほうが良いなと思うこと

弁理士としてブログをやる方も増えつつあり、
自分も多くのものに目を通したりしていますが、
読めば読むほど、このブログをどうしたいんだろう?
という疑問がわいてきたりします。

もちろん発信内容は人それぞれですし、
ブログというものはそうあるべきだと思いますが、
アクセス数が増えてナンボだと思うのです。
そう思わないのであれば、SNSとか日記帳にでも
書いておけばよいのではと思うのですが、
多分アクセスアップの方法論みたいなものが
ないのだと思います。

1)最初はブログ村への登録です。
これはまあみなさんやっていると思います。

2)ブログ村からのアクセスが集まりだしたら、
徐々に検索流入の比率が上回りだすと思います。
ですので、だんだんSEOを意識することが大事です。
ちなみに本ブログでは、検索流入が7~8割程度です。

3)SEOで一番大事なのはタイトルです。
短答試験の記事を書くのであれば「短答試験」
と書きましょう。
省略してしまうと検索エンジンは判定できません。

4)タイトルですが、コンテンツのサマリー的な
内容になるのが一番反応が良いです。
思わせぶりな内容はスルーされるだけです。
その上で、好奇心を上手に誘発できると良いですが、
できなければいいです。

5)ブログ本文を明細書と考えるならば、
ブログタイトルは請求項であると思ってよいでしょう。
タイトルはそれくらい大事です。必然的に文字数は増えます。
SEOはタイトルでほぼ決まると言っても間違いありません。
いわゆるSEOというのは、タイトルをきちんと書けた人が、
それ以外の部分にも気を配る話です。

6)記事本文は長いほうが良いです。
現在では2000文字程度が目安と言われています。
そんなには書けないので、できるだけ長文になります。
昔は短文でもいいから頻度重視と言われていましたが、
今は長文でないとSEO的には評価されません。
多分、週1で1500文字程度の方が、
毎日ちょこちょこよりも評価が高いと思います。

7)もうこの時点でできている人は
殆どいないような気がしますが、
滞在時間が重要ポイントなので、
読者を脱落させないことが大事です。
タイトルの次に、導入部分のつかみが大事です。
ここでダラダラしてしまうと、「戻る」を
押されてしまいます。
滞在時間が短いと、google評価も落ちます。

8)「詳細はこちら」みたいにリンクを貼りまくる
人もいますが、読者は怠惰なので、そんなとこ
見に行かずに「戻る」を押されてしまいます。
滞在時間が下がり、評価が下がります。
あとリンク誘導自体もgoogle評価が落ちます。
基本的にはサイト内で完結させることが大事です。


自分はそんなことやってられない、かったるい、
という意見も多いと思うのですが、
1つ1つは大したことないですし、
何事も習慣だと思うのですよね。
些細なことに気を配ることを怠る人が、
仕事ではきちんとできるとは私は思いません。

特にタイトルを工夫するなんて、特許でクレーム書くような
話なのですから、そこを工夫できないというのは、
弁理士としてどうなのかなということは思ったりします。
まあ人ごとなのでどうでもいいですが。

弁理士試験短答受験者統計(平成29年度)

今年も、弁理士試験、短答試験の合格発表を来週に控えます。
そんな中、2017年弁理士試験の新たな統計が発表されました。
弁理士試験志願者統計とは別の、弁理士試験短答受験者統計です。

http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h29toukei/index.html
http://www.jpo.go.jp/oshirase/benrishi/shiken/h29toukei/pdf/tan-jukensha.pdf

      H25    H26       H27       H28       H29
志願者数  7528   6216   5340   4679   4352
受験者数  4734    4674    4278    3586    3213


志願者数と合わせて、受験者数も順調に減っているようです。
ここの所毎年統計データは記事として取り上げていますが、
傾向に関して述べることは特にないですね。

このままだと去年と同じ文章になってしまうので、
今回は、受験しなかった数を出してみます。

      H25    H26       H27     H28       H29
非受験者数  2794  1542  1062   1093   1139


受けなかった人の数は増加に転じました。
願書出して受けなかった人の数ってのは、
受験に対して真剣でなかった人の数そのもの
と言って間違いなさそうですね。

と言ってもH26並みに戻っただけで、H25はもっと比率は多いです。
この数字を、受験生の質の低下とみることもできますし、
新規参入低下の底打ちとの見方もできます。
実際、受験回数の「初回」は数は減っていますが比率は上がってますね。

今後の傾向に対する示唆になれば面白いですが、
こればっかりは読めないですよね。