弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

新宿西口地下の「メトロ食堂街」が2020年9月30日で閉館

弊所は新宿にあり特許事務所ですので、
新宿駅自体にあまり行くことはないとはいえ、
新宿にある店にはある程度馴染みがあります。

そんな中「メトロ食堂街」が2020年9月30日で閉館
というニュースが入ってきました。
駅の地下に入っているごちゃごちゃした飲食店街です。
あそこで自分が食べることはほとんどなかったですが、
いつも混んでいるなあという印象はありました。
有名どころでは、墨繪パンのチョコレートパン
が目立っていましたが、センタービルに新店舗ができて、
とうとう多店舗展開かなみたいに思っていたのですが、
閉鎖のあおりを受けての移転だったのですね。

とはいえ、変化の大きい新宿で結構長くあそこで
やっていたような気はします。
そんなお店も終わる時期が来るのですね。

弁理士資格は多くの人にとって名称独占資格になりつつある

弁理士資格の位置づけって何だろうと思ったとき、
他の隣接資格から考えてみるという視点があります。
弁理士はいわゆる業務独占資格で8士業の1つになります。

ならこの資格の中で近い業務があるのではないかと思ったとき、
一見すると司法書士が近い感じがあります。
確かに顧問を受けないのが一般的であること、
案件ごとに行政書類を作成するところは似ています。

ただ司法書士って勤務している間はあくまで補助者で、
丁稚奉公期間という感じはありますよね。
つまり一定期間を経過したら独立するのが一般的
という感じがあります。
で、勤務期間は給与は安く、独立して収入を確保する感じです。
あまり独立志向でなくなった弁理士とはこの辺対照的です。

比較的独立志向でないと言えば公認会計士が近そうです。
監査法人に勤務するのが一般的ですね。
ただこれも監査法人業務は公認会計士資格が必須です。
同じように大手特許事務所勤務する場合、弁理士資格を持たず
弁理士業務に近いことをやっている人もいます。
この辺が弁理士業界に独特の部分です。

色んな事を漠然と考えていくと、弁理士業務でありながら、
弁理士資格が必須ではないのではないかという議論が
昔からされています。最近では弁理士の数も増え、
弁理士会でも特許技術者は補助者に過ぎないことを明確に
することを求めていますが、長年の慣行には反しています。

実際のところ国家資格を有する以上自分の名前で
手続きをするということを目的とした資格ですが、
ここ20年くらいに受かった弁理士は独立志向ではなく、
特許事務所に勤務していたり、最近では知財部が人気です。

これって弁理士業務独占資格を活用していないわけですので、
自分は弁理士業務ではないのではないかと思っていました。

ただ、目線を変えると、名称独占資格というのがあります。
中小企業診断士技術士がその代表例です。
資格名を名乗るにはその資格が必須ですが、業務独占領域を
特に持っていない資格です。

50代以下のある程度弁理士が脚光を浴びるようになってから
受けるようになった人は、弁理士資格を取ることで
評価の足しにしたいという人が多いのではないでしょうか。
というのは名称独占資格的位置づけになりつつあるのかな、
という感じがします。

専権性に価値を求めないのは少し寂しい気持ちはありますが、
勤務指向の今の時代の潮流なのかもしれない一方、
専権性の価値を求める人が減っていることが弁理士の価値を
下げているのかなとそんな風にも思いました。

コロナ倒産と特許事務所の景気

新型コロナウイルスの蔓延により不況の訪れが語られるようになってきています。
コロナ倒産が406社あったとの事で、特に飲食・宿泊の割合が高いようです。
廃業検討中の中小企業は27万社で、その内半数は1年以内を希望とされています。
これは、現在358万社の中小企業の7%に該当します。

全般的にコロナ下でもIT系は強く、それ以外特に飲食宿泊衣料、
といったあたりが弱いと言われているようで、その辺のお客様
からのご依頼はなくなってきております。
また、在宅勤務に移行している関係上、業務が滞っている企業も多いと
思いますので、その辺も含めて業績は悪いところの方が多いのでしょう。

さて特許事務所の景気ですが、まず弊所では平常通りです。
他の特許事務所の状況についてですが、個別に聞いた限りだと
平常通りの印象です。他の特許事務所であふれた仕事が
うちに回ってきたりなんかもあるようですので、
知財業界の景気は現在のところ平常通りなのではないか、
という予測が成り立ちます。

依頼が来ている限りは業務を止めているという話は聞きませんので、
依頼が来ていて、業務が流れていれば今のところ業績は悪化しないのでしょう。

とはいえ、知財業界の景気は1年遅れ程度で来るのではないかと語られています。
予算が翌年減らされて発注が減るという見込みからです。
業績が良くなって知財予算が配備されるからご依頼を受けるからで、
どうしても世のなかの景気の影響はこれから出てこないわけにはいかないでしょう。

まあこつこつとやっていくだけの状況です。

おじさん弁理士、若手弁理士の境界線

私はおっさんと呼ばれる年齢になって久しいのですが、
弁理士業界全般は非常に平均年齢が高く、40代でも特段
年齢は高い方ではありません。The中堅という感じでございます。

ではいつ頃から人はおっさんであり、中堅になるのか、
ということですが、あまり部下が付く人も多い業界ではないので、
自分はいつまでも若者という感覚のまま年を取ってしまう
傾向にある感じはするのであります。

自分としては、人は35歳辺りからおじさんになるのではないか
と思っております。ここは個人差があると共に、
何についておじさんと呼ぶのかという面もあります。
見た目についてはいつまでも若い人もいれば
若くして老けてしまう人も少なくありません。
一方で、自分はもう若者ではないのだ、というニュアンスで
自分はもうおじさんだから、という人も少なくなく、
ニュアンスについては様々であります。

業界的な若手という感覚であれば、30代までは若手である感じはあります。
大体20代のうちにこの業界に来る人も多数派ではないので、
それからキャリア形成していくうちに40歳になります。
しかもキャリア形成自体に時間がかかるというこの業界特有の
部分もあります。あと経験が長い方が基本的には良いという傾向から、
高齢でもこの仕事を続ける方は少なくありません。
まあ全般的に年寄り業界という中では、30代、39歳までは
若手でよいのかなという感じはあります。

もちろん気持ちはいつまでも若くあり続けることが重要な感じはあります。
取り扱う技術、ツール等なんかはその都度アップデートしていかないと
いけません。新しい知識を学び続けないとついていけなくなる
業界でもあります。
若い面の良さと経験を積んでいくことのメリットを両方とも
維持していかないといけないなあと思う今日この頃です。

コロナ下の4連休は特許翻訳でつぶれる

あんまり自分の日常というのもブログで書いていなかったと思うので、
久々にこの連休の過ごし方というのを書いております。
外出は連休を避けて火曜日に妻と終日遊んできました。
で、この4連休は特許翻訳をしてつぶします。

特許翻訳ですが翻訳者に依頼すると言うのもあるのですが、
うちの場合、翻訳が必要なタイミングが結構期限間際になることが多いです。
そうなると、翻訳会社などは2週間ほど時間を下さい、
ということになってしまい、時間がありません。
ですので、内外、外内ともに全て自分で翻訳しており、
うちの特許事務所の業務として割と高い比率を占めております。

翻訳は実際に着手するまではボリュームが分からないこと
が多いのですが、実際にざっと読んでみて、
今回はなかなかボリュームが多い。

なお、自分が書いた明細書を翻訳することはここまでなく、
お客様がうち以外で国内特許出願したものを、
弊所に依頼して内外から受けるものが全てとなっております。

ですので、翻訳者の気持ちが分かるというか、
あー、ここ自分ならこう書くなあと思うのですが、
パリ優先ではなくPCTですので、内容の変更はできず、
せいぜいクレームを呼び補正するくらいしかできず、
色々思いながら翻訳をしています。

外に出したくないのは理由がもう1つあって、
内容的に繰り返しの部分が特許の場合多いですよね。
そこの部分までチャージされるのがもったいない気がするのです。
切り出して翻訳依頼すればよいのでしょうが、
もちろんそんな時間はないので、自分でコツコツ翻訳です。

自分で書いた明細書ではないので、内容理解から入ります。
文章を読んでみて、要所とそうでないところ、あと繰り返し部分、
そういった明細書の構造面にまず着目します。
ポイントを把握したらクレームを理解します。
この辺は普通に明細書読むのと変わりないですね。

なかなかずっと集中し続けるのはしんどいので、
専業の翻訳の人たちはずっとこんな作業を続けていて、
こういうの適性というのがあるのだなあと感心したりします。

そういうことを思いながら仕事をする連休です。
早く終わらせないとと思っています。