弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

一人法人の可能化と弁理士法人への名称変更

一人法人が可能になることについてはだいぶ前から話題になっていましたが、
これとともに特許業務法人弁理士法人として登記しなければならない旨の、
弁理士法改正が5/21に公布されています。
まだ公布段階で施行はまだですが、1年以内に施行になります。

一人法人についてはだいぶ前から議論の対象になっていましたので、
ようやくといったところです。業務法人化するにあたり、
弁理士が複数人いないことで困っていた特許事務所もいくつかありました。

勤務弁理士の方には一人法人の話はあまり関係ないのですが、
法人作ると、弁理士としての弁理士会費だけでなく、
業務法人としての弁理士会費も必要になります。
それだけお金払っても必要な理由があるのですね。

1つは法人の方がテナントを借りやすくなります。
今借りてるとこは法人のみなので、法人作ってて良かったです。
あと融資関係も法人の方が良いのではないでしょうか。

大きいのが社会保険で、個人事業主だと国民健康保険
なってしまうのですが、法人の従業員だと健康保険組合に入れます。
設定する収入次第で社会保険料を安く抑えられる訳です。

あと源泉徴収をしなくても良いのですよね。
個人事業主だと源泉分を引いておいて、確定申告の後に
還付を受けるという形になります。
キャッシュフローが繰り下げになるので、その分面倒ですし、
あと確定申告の際に支払調書を集めるという面倒もあります。

あと、代々世襲制の特許事務所だと、あえて法人にしていない
ところもあります。そういうとこだと、今回業務法人化
することにきっかけになりそうですね。

じゃあ弁理士法人を作るかというと、もちろん費用がかさみますし、
現在合同会社を作ってることとの兼ね合いもあります。
人によって有利不利が出てきますね。

一人法人の件については、こういう検討事項が出てきますが、
弁理士法人への名称変更は、今あるとこはただ雑用が発生する
だけですね。ただ資格名と法人名が一致していないのも
他業界の人にとってわかりづらいですし、
他業界への浸透という意味にとって重要かもしれません。

10年後20年後の弁理士業は厳しいのではないか

現在の弁理士業界については景気がいいのか悪いのか、
人と会うことがめっきり減っているのでいまいちわからないものの、
とりあえず食えているような感じは受けるのですが、
これからはどうなってくのかなということを考えてみました。
10年後、20年後というスパンの話です。

なんでこういうことを考えたかというと、今少子高齢化
その結果として人口減少が進んできています。
将来的な産業構造はどうなっていくのか。

人口が減少していくとお先真っ暗化というと
そんなことないと思うんですよね。
単にスケールが小さくなるだけで、需要は減るけど
競合も減ります。豊かさは1人当たりの経済力なので、
1人当たりの生産力が減らなければ、
個人個人が貧しくなることもなかろうと思います。

人口が半分で需要も半分なら供給も半分、という業界は
多分人口が減少してもそんなに変わりません。

一方、スケールに依存する産業は厳しいと思うのですよね。
例えばテレビ産業とか、娯楽関係、メディア系、
その他国内需要のスケールに依存する産業は、
スケールが小さくなればその分実入りも減ります。
これに該当する産業は細っていく感はあります。

つまり、スケールに単純比例ではなく、
もっと乗数効果がかかっていて、例えばGDPが1.5倍なら
出願件数は2倍、GDPが2/3なら半分くらいに
傾斜がかかっている感じの商売は厳しいですよね。

ということを考えたとき、弁理士業ってのは
結構厳しいと思うのです。
国内特許を取得するコストは、GDPが2倍でも半分でも同じです。
売り上げのスケールに依存して特許を取るかどうかが決まります。
売り上げが損益分岐点を下回れば特許を取らない、
という判断になるでしょう。

例えば逆に中国なんかはGDPがぐんぐん伸びてきたので、
中国で特許を取ろうという判断が、昔はなかったところ、
今では中国を主要国として判断していますよね。
知財ってのはスケール依存産業なのです。

あともう1つ、弁理士の年齢分布が、30代後半から50代前半
あたりにかなり偏っているのですよね。
人口分布で言うと70前後に大きな山があるはずで、
しかも士業は70歳くらいでもやっているような仕事のはずです。
何が言いたいかというとはけていく人数が少ない。
仕事の供給は減っていく割に、シェアしていく人数は変わりません。

ほかの業種はどうかというと、司法書士とか税理士の場合、
人口が半分なら会社の数も半分で、
司法書士、税理士の数も半分になればつり合いが取れます。
また、人口分布通りに70前後に大きな山があります。
つまり、高齢者世代がきちんとはけていきますので、
業界の景気的には今とそこまで変わらないのではないか、
ということを予測しています。

暗い予測をしてしまいましたが、長いスパンの話であり、
来年再来年こうなるという話ではありません。
我々はこれから業界の椅子取りゲームで生き残らなければ
ならないという予測になります。

人口減少自体はもう確定事項で、よほど移民を取るとか
しなければ覆ることはありません。
ただ、この人口が減少する未来においてどう世の中が
変化していくのかについて、あまりこれといった予測が
見つからないので、自分なりに予測してみることにしました。

特許事務所への依頼と内製化の今後について

とある関西の大手企業が、特許出願を内製化する方針である
という噂を耳にしました。
内製化については、いろんな企業が試みつつも、結局挫折、
を繰り返しつつ今に至っております。
特許事務所への依頼費用は単純にコストであり、
そこに手を付けたいというのは昔から検討されてきました。

ただ特許出願の依頼件数が多い企業というのはとかく多忙なわけです。
単に権利化だけとっても、一般の企業と比べて企業サイドで
主導権を取って行うことが多いです。
発明のアイデア出しから提案原稿の作成、特許調査、
クレームのたたき台、中間処理の基本的な方針まで
知財部でやってしまう会社は多いでしょう。

そしてその分依頼費用は抑え込んでいる訳ですが、
もうここまでやっているのだから、特許事務所に出す意味あるのか、
ってとこまでなることは本当に昔から多いようです。
それが挫折するのは、やっぱり忙しいからということと、
重要案件は丁寧にやっても、それほどでもない案件は、
特許事務所で適当にやってね、という
塩梅にすることも少なくないでしょう。

景気動向が昔と何ら変わることがないのであれば、
特許事務所側としては内製化の動向を恐れる必要はないでしょう。
しかし昨今、電機メーカーの国際競争力はだいぶ下がったように
思われます。売上規模が縮小していくのであれば、
特許出願はそれに比例して減っていくでしょう。
それだけでも業界の仕事量は減っていくわけですが、
案件総量が減れば必然的に知財部員の仕事も減る訳で、
いずれそのあいた手間で何かやらないか、
という流れになってもおかしくありません。

こういう中から、電機分野における特許出願の長期的な依頼件数は
全体としては減ってくるものと思われます。もちろん数字としては
既に減っているのですが、減少は加速するでしょう。

特にこれから少子化が加速し、生産年齢人口も大きく減っていくと
日本の経済力は弱まります。そして特許出願件数は、
経済力とほぼ比例いたします。
やっぱり厳しい状況になっていくことが予測されますね。

ただ生産年齢人口が減るということは、
知財人口自体これから減ってく訳です。
依頼も減りますが、マンパワーも減る訳で、
業界全体としてどうバランスしていくのか読めません。

モチベーションと自律神経系の回復

やる気がしない、モチベーションが上がらないってことありますよね。
自分もそんな気がしてやる気を回復するにはどうしたらよいか
ってことを考えたりしました。

実際楽なこと楽しいことならやれるけど、しんどいことは
手がつかないことが多い訳です。ですので、モチベーションが、
って考えになりがちですが、
それって単に疲れていることも多いと思うのです。

しんどいことは馬力がいるし、今の気力でできる上限の範囲で
人は何かをやろうとするので。

疲れといっても、体の疲れは分かりやすいです。
休まなきゃ、ってなります。
けど、空だとは別に頭や心が疲れることも多いですよね。

頭や心の疲れを回復することをざっくりいうと
自律神経の回復と理解しています。
モチベーションがわかないというよりも、
自律神経系が順調じゃないことが理由であることが、
年を取ることに増えていきます。若い人にも当てはまります。

いずれにしてもモチベーションの回復と自律神経系の回復は
混同されがちなので、自分はモチベーションをどう回復するか、
どう仕事にに興味を見出すかについて考えていたのですが、
そういう好きなことでも頭と心は疲れたままなので、
自律神経系を回復するにはどうするかということを
別に考えるようにしてみました。

自律神経系の回復ってことを突き詰めると
副交感神経優位にする、ってことになります。
自分なりのやり方がある人はいいのですよね。
例えば好きな音楽を聴くとか、見たいものを見るとか、
そういうことで体以外の疲れを取っている人も
多いと思います。夜飲みに行くのもそうですね。


前置き長かったですが、ここから本題です。
自律神経で検索して書店に行ってみると、色んな本があります。
結局副交感神経優位にすることではと思ったのですが、
副交感神経で検索してもあまりありませんでした。
とにかくいろいろ調べて実践し、とりあえずこれと思うものを
とりあえずまとめとすることにしてみました。

副交感神経優位にする手っ取り早い方法は寝ることです。
ただどこでも寝れるわけではありません。
副交感神経優位にするとは、寝た状態に準じた状態を
作り出すことであるというように理解しています。

そのためには、
・周りを暗くする、できない場合はアイマス
・体をリラックスできる状態にする、分からない場合は姿勢を正す
・手足はストレッチ状態にするなど

腹式呼吸をする、腹式呼吸は息を吐く時間を長く、吸うのは軽く
 →息を吐くのが大事で、吐くときに副交感神経優位になるそうです。

・瞑想できればする、自分はできないので
 色んな記憶をフラッシュバックしています。
 楽しいとかつまらないとかではなく、何となく思い浮かんだことの
 記憶をたどりながら、その記憶でつながったことを思う浮かべる
 →多分寝ているときの頭の動きってこういうことなんじゃないか?
  と漠然と思っています。 

ざっと調べた限りこんな感じです。
本だとこの他、食事療法、ストレッチなどが紹介されています。

いずれにしてもメンタルの回復って軽視されがちなので、
色々試行錯誤していきたいと思っています。

独立と、稼ぐということと、モチベーション

タイトルの事項に対して雑然と色んなことが頭にわいてきたので、
ざっくばらんに思うことを書き出してみます。

お金を稼ぎたいとき、どうやれば稼げるかではなく、
何について自分がモチベーションを発揮できるのかの方が大事。
これやれば儲かる、ってものがあっても、なかなか気力は続かなかったりする。
自分が何を得意としていて何をやり続けても負担にならないかってのはなかなか気づきにくい。

自分は前職の勤務時代に、英語を使った仕事、特に仲裁や
トラブルシューティング的なことが得意なのかなあと漠然と思い、
そういう仕事を集めるようにした結果、やってみると結構精神的に参った面があり、
自分の能力って自分で本当に理解しているとはいいがたい場合もある。

独立後の自分の仕事は自分で評価するものであり、人が評価するものではないという点が違う。
人から褒められているとこれ得意なのかなと思ったりするけど、
自分でやってるとそういう機会もなく、報酬系が働かないこともしばしば。
逆に人からの評価がなかったことに意外な報酬系が働くこともある。

仕事に対して自分の中でどう報酬系を働かせるかってのは、
勤務していても自営でもいずれにしても必要になってくるのだけど、
勤務している間ってのは思ったより雇用者がその辺を考えてくれてたりして、
考える必要がないことが多いけど、一人でやるとその辺が摩耗してきがち。

お金をどれだけ稼ぐってのはモチベーションにならないんだよね。
仕事に対してどう達成感を持つかってのは、人を雇わないで
自分でやっている立場としては設計するのが本当に難しいと実感している。
ある程度まで来ると本当に馬力が出なくなってくるので。

自分はこれが得意、これが苦手ってのがあっても、それは人を雇った瞬間にガラッと変わる。
独立当初事務処理がつらくて辛くて仕方なかったのだけど、事務スタッフを雇った瞬間から、
スタッフに一任することになり、今は逆に事務処理だけで完結する仕事が欲しいな
となってしまっている。

勤務弁理士時代はできなかったりやらせてもらえなかったから、
独立してからやるぞって思っていた仕事って、
独立してから4-5年もすると一応一通りはやる機会を持つことができる。
そうなると、あれをやってみたいこれをやってみたいって
好奇心は少しずつ消滅してくる。自分を駆動させるエネルギーが減る。

お金を稼ぐって言ってもスポットで一回限りだといかに金額が大きくても知れているので、
継続的に入ってくる仕事でないとあまり意味はない。
となると、その仕事に対してどれだけ意欲的であるかってのはすごく大事になる。
モチベーションって何かを突き詰めたくて今基礎心理学の本を読んでいる。