弁理士の仕事に未来はあるのか?の考察
弁理士なり特許を取る側の仕事をしていると
この仕事の将来性っていまいち見えてこないと思うんですよ。
特許をとるというのは社会的な観点から重要なのか?と。
そして、特許による事業の独占というのは、
社会的な観点から考えて必要とされ続ける行為か?というと、
自分は、産業政策上おそらく必要である続けるだろうと、
そういう見方をしています。
政府は大きな事業に対して一社独占は望んでいませんが、
多数の参入による過当競争も望んでいません。
しかしながら適度な新規参入は促さなければなりません。
その辺をうまくつりあい取ってるのは特許制度も
一因であるような気がします。
特許を持っている会社のみが市場に参入できる、
というのは制度としてそれなりにフェアです。
その辺の産業政策上の都合をぶち壊すほどの事情が世の中に
出てくるってことはないかなあと思います。
経済の時代に入ってから、独占というのは常に
政策の議題になっていたものと思われます。
江戸時代もそれ以前も、専売という行為に政府が介入しています。
事業者というのは、政府にある程度の上納をしてまでも
独占の管理を求めるものだと思います。
かといって行政が主体的に関与するのは政府としては却って
政治コストの高い行為です。特許制度は相対的に妥当性があります。
民主主義はいい制度ではないが、それよりましな制度がないように、
特許制度以上に市場管理できる政策も他にはないかなあと思ってます。
だからまあ弁理士の仕事がなくなるとはあんまり思ってないのですが、
経済規模が本格的に縮小してきたら世の中どうなるかな?とは思います。
もっともそんな時代が来たら何やっても儲からないですけどね。
見方がネガティブになりがちなのは、特許の仕事がそんなに
前向きなものではないからだと思います。
新しい製品の世の中に生み出した、とか、
新しいものを世の中に送り出した、とか、
そういうセンセーショナルな部分がないんですよね。
かといって役人の仕事という訳でもない。
この仕事の意義というものが、自分の中には何となくあったとしても、
世間的に分かりやすく提示することができない、
というもどかしさはありますね。
だからこそ未来を語りきれないと、そういうことだと思います。