弁理士うめざわブログ

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アップル対サムスン事件と飯村判事

先週金曜に結果が出た事件なので、いまさら書くのも時機に遅れた感は
否めないのですが、ちょっと思うところあったので書いてみます。

サムスンの請求権に上限 アップル訴訟で知財高裁
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1603D_W4A510C1CR8000/

飯村判事という方は、あくまで自分の印象なんですが
判決としては常識的な結論とするものの、そこへの導出という点で
結構思い切ったことをするなという感想を持っています。
この事件はまさにそんな感じでした。

知財高裁の所長なのだからあまり接点がない人のように思われて、
案外に、対外的なセミナーや懇親会に出てきてたりします。
話しかけようと思えば会話を交わすことが出来たような機会は、
私個人として何回もあります。まあ話したいネタもないので
話しかけたりはしなかったですが。

そんな中であるセミナーで講師を務められたときに、
上記の案件について話が振られたことがありました。
適当にはぐらかすかと思いきやきちんと答えてて、
「日本では外国と比べて損害賠償額が低く抑えられている。
 そのような状況下で差止請求権というのは相対的な重要な意味合いがあり、
 米国で差し止め請求が認められないからと言って、それが直ちに
 日本でも同じ話が当てはまるとは言い切れない部分がある」
差し止め請求については上記の一般的な見解を述べていて、
しかしながら本件についてはどうかというと、個別の問題としていて、
結論としては米国と同様になることは見えていながらも、
どういう論理展開の可能性があるのかについて
意見が欲しかったんだろうなと思っています。

飯村判事の解説は案外にポイントを付いてわかりやすく、
要点をポンポンという人という印象を持っています。
見た目は窓際サラリーマンと言っても納得な感じなんですが。
普通のサラリーマンっぽくてよく見ると浮世離れした感じでしょうか。
まあ判事ってそんな感じなんでしょうね。

これがCAFCのRader判事となると、「はっはっは」と言って
ポンポンと肩を叩いていきなり握手してそのままどこか
行ってしまうイメージです。お国柄もあるのかなあ。