弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

弁理士の独立開業を1人で始めるか2人で始めるか

自分は特許事務所を1人から開業しましたが、
2人から始めるという話も意外と多いです。
さて、そのどちらがよいのか、というのは
結構悩ましい部分ではあります。

ちなみにもめる、うまくいかないという確率は
どうも2人で始めたときの方が高そうです。
月並みですが、やはり方針や分配でもめる、
というのが良く聞く話です。
なるほどなあと思ったのが、2人でやって
ようやく1人分の仕事量になったときです。
はじめて1年くらいたって、一番苦しく
なったときに正念場を迎えるそうです。

じゃあ1人でやったほうが良いか、というのが
あるのですが、1人でやっていくと、
どこかで人を増やしたい状況が出てきます。
そこで自分のカラーが出すぎてしまうので、
後からの合流が最初から一緒に、という場合
に比べて色々と難しくなってくる面があります。

多分1番いいのが、最初の1年を1人でやって、
それからもう1人合流という形です。
ただこの場合、どう合流するのか、という点で
シナリオ的に難しい面があります。

やっぱり前から自分でやっている側が、主導権を
取りたい、というのはどうしても出てきます。
後から合流した側は雇われ的な部分が出てきます。
だとすると、そんな零細に雇われてどうするんだ、
ということですので、折り合いが難しいです。

一緒にやろうぜと言ってくれる人もいたり
しますが、すでに走っていますので、
どんな人材が欲しいかは既に具体化しています。
そこから外れていても…というのが悩ましいです。

例えば某同期合格で興味を示しているという人が
いますが、化学系なのです。
うちは化学の仕事はほぼなく、来ても他の弁理士
紹介しています。一緒にやるために方向性を
変えるのも、何か違う気もします。
あとは、明細書作成の経験が浅い人です。
こちらでは指導することができません。
あと任せる。売上は自分でとっていいよ、
という形にしたいのです。そういう人と折り合いを
つけるにはどうしたらよいのかです。

良くどこかの組織を見たときに、ナンバーワンより
ナンバーツーの方が優秀に見える、というのがあります。
それは今となると合理的だよなと思えます。
利益分配を適正に線引きするというのは難しいです。
やっぱり単純に折半というのが一番わかりやすく、
かつお互いに納得しやすいです。

既に独立して走らせているときに、利益を完全に折半
してまで入ってきてほしいのはどんな人か?
となると、もう当然自分より優秀な人です。
必然的にそうなります。
後から入る側も、立ち上げ時のリスクを消せるので、
そこから乗っていくのはwin-winに思えます。

一番微妙なのが、自分と同じくらいの能力の人です。
もちろんそういう人が入って来れば、いろんな仕事を
任せて楽はできるのですが、そのときにどう分配するか。
対等ではなく、かつ納得感のある分配というのは
なかなか難しそうです。
よくありがちなのが、やりがい搾取的に将来の展望を
見せて引っ張り込む形ですが、やはり後々揉めます。

そういう青写真を考えていくと、やっぱり早い段階から
2人で、というのは、最初を乗り越えればそこから
軌道に乗りやすい面が出てきます。
自分は1人なので頭打ち感が否めません。
急成長されている方は、強力なパートナーを
早い段階で確保しているなあと思います。

まあ自分は1人で始めたので、場所も移りましたし、
ここで将来的な展望を見据えていくことになります。
1人と2人は、そういう意味でいろいろ違うよという話です。