弁理士うめざわブログ

特許事務所の弁理士による、特許事務所業界ブログ

ブラック特許事務所の明細書チェックと、特許事務所の泳ぎ方

特許明細書の書き方については、スタイルは定型であるように見えて、
案外人によって相違点があり、それぞれこだわりがあったりします。
実際のところ、人によって書き方が違う部分というのは、逆にいえば
どう書いても同じなのではという気もします。なので一番効率的に
書けるスタイルでさくさく書いていけばよいのではという気がします。
しかしながら、明細書初心者の修行中の身となると、そんなことを
おいそれという訳にも行きません。

自分の考えで「これでよいのでは」などという
おそらく正しいと思われる思い込みに基づいて明細書を書き、
その結果指導者に「なんで勝手なことをするかああ!!!!」
と怒鳴られた経験がある方は少なくないのでしょうか。
私も昔を思うと少し胸が痛くなります。

「えー、こ、これでよいのでしょうか..(恐る恐る)」
「何だと!!!!」という指導者の怒鳴り声。
仕方ないのでその指導内容に沿って明細書を修正し、
クライアントに原稿を納品した結果、クライアントからは
「ここのところは、こうした方が良いのではないでしょうか?」と、
要するにもともと自分が書いていた内容への修正指示。

「だから言ったのに!!!」と思いますが、
そんなことも言えず、粛々と上司に報告に行ったりしますが、
上司はそんなこと指摘したこともケロッと忘れています。
忘れてくれればまだいいですが、「どうしてこんなこと書いたかあ!!」
などと怒鳴られたりすることもなくもないです。

上司の指導なのですが。。ということを指摘した日には、
もう泥仕合です。そんな闇の世界に足を踏み入れることは
この業界においてはタブーですが、どうしても理系の落ち武者たちが
集う職場。空気の読めない言動が後を絶たないのですね。

怒鳴り声の響く職場、それ以外は特に会話もなく、
たまにどこかからか独り言が聞こえてきます。
そしてひたすらキーボードの音がひたすらカタカタカタと聞こえてきます。

こういう職場をどう思うのかは人によります。
まず第1に人付き合いを考えなくても構いません。
そして第2にこの上記のような面倒くささを潜り抜けて
一人前になってしまえば、もうどこに行っても食っていけます。
「明細書がキチンと書ける」という人材は慢性的に不足しています。
事務所が傾いてもどこかに転職すればよいのです。

ただまあそれまでの過程で心を病む方もいますし、
資質的に向き不向きもあります。そして指導者の指導が適切な場合と
理不尽な場合の振れ幅も結構大きい気がします。
このへん外れを引いたら大変なことになりますので、
外れは外れと割り切ってさっさと転職することがこの業界大事です。

ですので、ブラック特許事務所に転職してしまうことを恐れず、
割り切ってこの業界渡っていくことが大事かなあとそんなことを、
自分の昔を思い浮かべながら思い出しました。