弁理士うめざわブログ

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商標登録業務と家電量販店、安売り競争の顛末

商標登録業務の受任に際してはリスティング広告なども含め、
安値での受任競争が真っ盛りです。業務を簡略化して効率的に
処理する代わりに低単価での業務を受任する点を
強調しての競争が見受けられます。

これ見て思い出したのが家電量販店の薄利多売方式ですね。
あああれは家電量販店なんだなということをふと思いました。
まあ大企業からの大量受任を行う大手特許事務所も
ある意味同じような感じではあるのですが。

家電量販店と言えば、最初に出てきたのはダイエーで、
中内功が家電製品を安く仕入れて安く売りさばいていたのを、
メーカーににらまれて戦ったりしていたという話が
私の知る一番最初の事例です。
まあ安売り競争自体は、それこそ江戸時代の三越とか、
昔から続いている話ではあるのですけどね。

しかしダイエーの勢いも永続することはなく、
家電量販店はその後もヨドバシ、さくらやビックカメラ
なんてのが出てきます。そしてさくらやはなくなり、
ヤマダ電機が台頭するのですが、それもネット通販に
押されて行っています。

商標登録関連も似たような栄枯盛衰がありますね。
実名を出すと差し障るので挙げませんが、
最初に出てきたのはあそこですね。
それからあそこが出てきて、そして最近あそこが出てきました。
その辺もなんか家電量販店的な何かを感じさせますね。

客としては安いのがありがたいのは間違いないのですが、
知的財産と言うものの性質上、何も手続きしないのが
一番安い訳ですよ。タダです。
そんな中であえて費用を出して権利取得をするのですから、
相談をするというフェーズは必要に違いないというのが
弊所のスタンスになっております。
となるとそこに見合った料金体系にならざるを得ないはずです。

提供するサービスで競争するとしたら、価格帯的には
必然的に上がっていかざるを得ないとは思います。
価格を下げるというのは「ここは自分でやってね」
という要素が増えることを意味しますので、
その辺は提供するサービスの考え方の違いではあるかなあ
と思っております。