新宿西口国際特許事務所の弁理士うめざわブログ

新宿西口で特許出願・商標登録を代理する弁理士による、特許事務所業界と弁理士試験のブログ

特許事務所で経験者を採用するか未経験者を採用するか

求人関係は応募者視点からの記事ばかり書いてきたので、
今度は採用者視点から記事をまとめてみます。

大体求人をするときは仕事が多くなってさばききれなく
なってからなのですが、そうなるとすぐに採用してすぐに
仕事をこなしてくれる人が良いとなります。
なので、経験者採用が前提となるケースが多いです。

しかしながら、採用した人間が即戦力として機能するか、
というと、見込んだ能力に達しなかったり、
変にあくが強かったり、戦力として微妙だったりします。
まあそんなのは採用面接で判断すればよいのですが、
優秀な人となったときネックとなるのが待遇です。
特許事務所の余力と天秤にかけると採用できない
という結論になったりします。

未経験者の採用というのは上記状況を勘案してとなります。
しかしながら未経験者が戦力となるには時間がかかります。
色々大目に見たとしても、1年はかかりますね。
もちろん個人差はあり、優秀な人だとすぐに戦力になり、
そうでない人はなかなか伸びないということになります。

経験者・未経験者どちらを採用したとしても、
能力面の査定と支払い余力、そして将来性を勘案した上で、
期待を大きく下回る場合、クビという決断が下されます。
特許事務所というのはそういう点では非常にシビアです。

さて、こういう前提に対して採用にどう取り組むかというと、
私はもう経験者しか想定しません。
今困っている状況に対して直ちに結果が欲しいからです。
能力面を厳格に判断して、この人はこれができるということを
中心にやってもらいながら、おそらくこれもできるだろうという
仕事も徐々に渡しながら力を伸ばしてもらいます。
であるから、中核的に出来る業務が存在しなければならず、
未経験ということになると、そこから育てなければなりません。
そこは負担であり、その割に実になりません。
そして、採用したはいいが、「この仕事くらいは出来て欲しい」
という仕事が出来ないなら、お引取り願うしかありません。
だから採用面でも解雇面でも判断基準は明確であるとともに、
きわめて迅速に結果が現れます。
解雇はしたことがありますが、全て1月程度で結論は下しています。
3ヶ月以上働いていて、こちらから追い出したことはありません。
諸事情あって去っていかれた方は多いですが。

未経験の方は、もちろん同じ職場で働く機会は多いですが、
そりゃもう大変ですよ。ただ未経験者も2つに分かれます。
社会で仕事をしていくことを心得ている人と、そうでない人。
一般常識はあることが前提です。
結局当初は役立たずですし、伸びていってもペースは遅いです。
業務知識のみならず職場についての知識も得ていかなければなりません。
そこでいかに周りに負担やストレスをかけないか。
職人的な世界であるがゆえにそういうのもまた大事です。
役には立たんし、一緒にいて腹立つとなると、居場所もなくなります。

ただそんな中でも伸びの早い人がいたりするのですが、
それもそれでまた別の問題があります。
だって、経験のないことをいきなり次々取り組んで、
簡単にできるようになっていく人ですよ。
当然要求も大きくなるし、所内の不合理にも腹を立てていきます。
程度の低い特許事務所にうっかりこういう人が入ってしまうことは
往々にして少なくないんですが、結局やめていきます。
まあ特許事務所の側も受け止める器がないということなんですが、
皆さん自己評価は甘いですからね。

採用する側はほどほどの待遇で、ある程度のことが出来る人を
採用の際に求めたがりますが、そんな都合のいい人いるはずないと思います。
やっぱり新しい職場には何らかのアドバンテージを求めると思うんですが、
それは何であるかについてのイマジネーションは必要と思います。
年収で報いることができるのが一番良いんですけどね。
そのためには事務所は儲けてないといけません。
儲けに無頓着な割に、いざ採用のときになると渋ちんというのは
単に経営が下手だと思います。儲けの追求は経営の幅を広げるためです。

とにかくアウトプットは今は小さいが、払いも今は小さくていい人か
能力は高いが懐と相談の人かという2者択一に結局なります。
ただ、できる人って、入社したその日から戦力になるんですよね。
できない人採用して、思った以上に駄目でどうするかとなった時。
悩んで結局やめてもらって、どうしようと思っていたら
いい感じの人が来てすぐ入ってもらったら、
あそこで困っていたのはなんだったんだろうと言うくらい
すぐに順調になったことがあります。
これって人は経歴の段階でおおって感じですし、
面接しても明らかに違うんですよね。
しかも何だか能力だけでなく人柄も良かったりして。
そういう人を、ある程度無理しても取るのが一番だと自分は思います。
採用のときにこれって思った人が悪い化け方した経験はありません。
失敗するのは、嫌な予感するけど、仕方ない目をつぶろうって時。
面接のときの人柄ってのは、あてにならんと思うんですけどね。
どうでしょう。能力低いと結局折り合いも悪くなると思うんですよね。